アミスタッド [DVD]

監督 : スティーブン・スピルバーグ 
出演 : ナイジェル・ホーソーン  ジャイモン・ハンスゥ  モーガン・フリーマン  アンソニー・ホプキンス  マシュー・マコノヒー 
  • パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
3.78
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988113759410

感想・レビュー・書評

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  • (Amazonより)
    実話に基づいたこの作品には、奴隷として捕えられたアフリカ人たちの、 苦難に満ちた奴隷船での航海や、船上での反乱、そして愛する故郷への帰還の試みなどが語られている。 拿捕されたアミスタッド号の反乱者たちは、捕虜としてアメリカに連行された後、殺人罪で起訴され、牢獄で己の運命を待つ身となる。 だがそれは、アメリカの正義の在り方が問われる、白熱した闘いの引き金となった。 そして、裁判に出廷したアフリカ人たちにとっては、「自由」という基本的人権を求める闘い以外の何物でもなかったのだ。






    なんだかいろいろ考えさせられる内容でした。
    立場や考え方が違えば 人ってこんなにも残酷になれてしまうのかなぁ...
    奴隷たちの所有権って...モノじゃないんだから...って腹立たしさでいっぱいでした。
    言葉の通じないシンケとボールドウィンでしたが 少しずつ通じることが出来て 人って本来はこうであって欲しいと思ってしまったな...
    奴隷船でのあれこれが もう...悲惨過ぎてやり切れない...

  • 始まりからなかなかに生々しくて最後まで見れるか不安だったんですが、奴隷制という重いテーマを史実に基づいてリアルに展開していくストーリーに、どんどん引き込まれていきました。

    言葉が通じないながらも徐々に心を通わせていくシンケとボールドウィンの2人には胸打たれるものがありました…そしてボールドウィンが悩みながらも下した決断、最後の裁判所でのシーンは本当に感動ものでした…!
    アンソニー・ホプキンスがほんといい味出してる…。

    実話をもとにしているので見ていてつらい描写とか展開もたくさんあるんですが、それゆえ考えさせられることも多くありました。
    機会があったらもう一度観たい作品です。

  • アミスタッド号事件が南北戦争の一因となったというエンディングを見て、スピルバーグは「リンカーン」でこの作品の続きを作りたかったんだなぁと深く納得しました。黒人奴隷の問題はアメリカの歴史の暗部であることは確かですが、それを外圧ではなく国民自身の力で克服していったことは、それはそれでアメリカの誇るべき歴史です。

    アダムズ元大統領役のアンソニー・ホプキンスの演技はさすがの貫禄。

  • 『スピルバーグの残酷大陸』...ですか!?(ハトプリのつぼみちゃん風)

    やー、ひとりスピルバーグ祭りも最終局面に差し掛かってまいりました。
    祭りをする前に8割方観たことあったスピルバーグ作品ですが
    この『アミスタッド』は最近までその存在すら知りませんでした。
    これを観たので、あとは最近の観てない2作品と
    観たんだかあやふやな『ジュラシックパーク2(ロストワールド)』以外は
    今後全部再鑑賞になります。

    流れとしては、
    『カラーパープル』→『シンドラーのリスト』→『アミスタッド』→『リンカーン』
    というところに位置付けられる作品だと思います。
    史実の「アミスタッド号事件」というのがある、と・・・ですので歴史ものですが
    映画のジャンルとしては法廷ものです。

    歴史もの、好きなんですよね・・・
    で、歴史ものって、映画に限らずなんですが
    研究で色々明らかになってきたりして、
    必ずしも全て「これが正しい」とは言えない。
    だからなんでもかんでも鵜呑みにするのはおかしいのですけど
    映画ですし娯楽ですので、
    もちろんそういう部分を考えて観なければならない。

    逆にそういう余地、アレンジをできる余白の部分ですね、
    「100%歴史を再現しましたっ!」ってのは無理ですので
    「映画であり娯楽である」ところの余地にこそ、
    なにかしらの監督のメッセージや面白さがある気がします。

    歴史ものとしては南北戦争の20年ちょい前の話。
    南北戦争の前に米墨戦争がありますが、それよりも前。
    ですのでまさに『リンカーンZERO』的な感じ。
    南北戦争・奴隷解放宣言につながる。

    その中での争点は、大きな話ではなくて「アミスタッド号事件」だけど
    ちっぽけに思われた事件に世界が注目し、
    内戦(南北戦争)の引き金になるのではないか・・・?というところがミソで
    実に映画向きの題材だと思います。

    ヒューマンドラマ要素としては、やっぱり黒人奴隷の扱い。
    (劇中では不法に人身売買されてるので厳密には奴隷ではない)
    ここの残酷描写がもの凄い。
    さすが残酷なものを撮らせたら最高なスピルバーグ。
    あと、このシエラレオネのアフリカ人たちと当初意思疎通ができない点は
    『未知との遭遇』や『E.T.』の宇宙人と通ずるものがある。

    でも、法廷ものとしては話がわかりづらくて
    最後の気持ちよさ、カタルシスが足りない感じでした。
    ピンクニー条約や英西間の条約が争点なんですが、ここがわかりづらい。
    『リンカーン』、まだ観てないんですがこちらだと
    「アメリカ合衆国憲法修正第13条」を通すか通さないかだけの話らしく
    争点がはっきりしているし、現代・時代とのリンクもされてるそうですね。

    そういったわかりづらい点はあるものの、
    テーマとしては「アメリカという故国がいかに作られてきたか」という点で、
    白人側としてはアメリカ建国の父たちの遺志、
    黒人側としてはアフリカの先祖たち・・・の部分が描かれていてよかったです。
    ここは『カラーパープル』と共通してます。

    個人的に好きだったのは、カトリックの判事。
    彼が教会に行くシーンと、アフリカ人が聖書を読むシーンが
    オーバーラップしてるところがよかった。
    当時はやっぱりカトリックは要職につけなかったんだろうか?とか
    スペインはカトリック教国ですので、そういうことを考えると
    あの判事のシーンが一番グッときます。

  • ★「人種差別」という言葉が歴史上のものとなるにはまだまだ時間が必要なようだ。だが、次々に持ち上がる社会の問題に押されて、人々の意識からは薄らいでしまっていた「人種差別」という言葉。この映画を観ていた私も、もう「過去の物語」を観ているという姿勢でストーリーを追っていた。想像すればわかるはずのことが、日常の優先的な自分の嗜好によって、あらゆることの意識化の序列が組み換えられていく中で、どの様にして”歴史”を自分の、視点の価値基準に加えていくかは、社会というモノを創造した人間たちの永遠の課題なのだろう。

  • 1800年代、奴隷船アミスタッド号に強制的に奴隷として乗せられたアフリカ人達。彼らはキューバに運ばれた後、船上で氾濫を起こして船を乗っ取ったが、アメリカ合衆国の軍艦に捕獲され、氾濫及び殺人容疑で裁判を受けることになる。

    奴隷貿易が廃止されていたアメリカで、様々な国や人物が奴隷としてその所有権を主張する中、彼らはアフリカ人であり自由人なのか?それとも生まれながらにしての奴隷だったのか?
    再選期のためこの問題に目を向けたがらないビューレン大統領、アフリカ人を自由人と主張する奴隷制廃止論者、アフリカ人の解放を許さないアメリカ南部人達、所有権を主張するアメリカ海軍及び、当時まだ14歳であったスペイン王女イザベラ2世、そして奴隷貿易商人。様々な立場がからみ、この裁判はアメリカ全土が注目することとなった。

    これは実際にあった話である。
    どのように奴隷がアフリカから運ばれたのか、奴隷船の様子などが詳しく描かれている。
    注目すべきシーンは、若き弁護士ボールドウィンと、元大統領で弁護士としてこの問題に立ち向かったアダムスの活躍。アフリカ人のリーダーとして自分達の自由を訴えたシンケの活躍などであろう。

    一つ付け加えると、奴隷は白人がアフリカに入り込んで捕まえてきた訳ではない。白人との契約によって黒人が黒人を捕まえて白人に提供したものである。

  • 2時間半、息もつかせない緊張感が持続した。
    久しぶりに寝落ちせずに観終えられた作品。
    アンソニー・ホプキンスのファーザーから辿って観たので、後でスピルバーグの作品と知って、なるほどー!やっぱり上手いな〜と。
    重厚かつスピード感溢れる作り方。
    アンソニー・ホプキンスが主人公と一緒にアフリカのスミレを見る時の眼差しが、主人公の心情への共感を無言で表していて、良かった。

  • 始まりからなかなかに生々しくて最後まで見れるか不安だったんですが、奴隷制という重いテーマを史実に基づいてリアルに展開していくストーリーに、どんどん引き込まれていきました。

    言葉が通じないながらも徐々に心を通わせていくシンケとボールドウィンの2人には胸打たれるものがありました…そしてボールドウィンが悩みながらも下した決断、最後の裁判所でのシーンは本当に感動ものでした…!
    アンソニー・ホプキンスがほんといい味出してる…。

    実話をもとにしているので見ていてつらい描写とか展開もたくさんあるんですが、それゆえ考えさせられることも多くありました。
    機会があったらもう一度観たい作品です。

  • 「アミスタッド号事件」の史実に基づくストーリー

    ”ドリームガールズ”のレビューで「自分は肌感覚で黒人差別を経験したことがない」と書いた。
    今でも不十分だが、本作はより視覚的に黒人差別を体験させられる。
    なぜこれほどまでの残虐な仕打ちを受けなければならないのか。理解に苦しむ。

    そしてアフリカ人は故郷へ返されました、とストーリーは終わらずにアンハッピーへと続いていく。
    『歴史は個人の物語にかくも無関心なのだ』とは、宮崎哲弥さんの評論である。

  • 何であれ、自分の力ではどうしようもない時、人は何かにすがりつく。
    宗教であれ、信念であれ、

    ホプキンスがいい役。名スピーチ。
    マシューマコノヒーもカッコいい。

    「判事諸子!
    私が勇気づけられるのは、同僚のボールドウィン氏が、実に見事な、また完璧な弁護を展開したことです。
    付け加えることがないほどです。しかし、なぜです?
    なぜ単純な所有権争いの事件が、これほどの意味を持ち、最高裁で裁かれることに?
    下級裁判所が誤った裁定を下したから?
    それとも内戦というものに我々が抱く恐怖心が、単純な事件に抽象的な重みを積み上げたのか。
    そのために明白な事実が、見えなくなってしまったのか。
    真実、この事件の真実はそれ自体が奴隷のように引きずり回され、鞭打たれてる。
    しかも、それはすべて、法に長けた検事ではなく、大統領の権力ある長い腕が行っていることなのだ。
    単純に見えても、これは最高裁が裁く最も重要な事件だ。
    本件が問いかけてる本質は、人間とは何か。

    これは書簡の写しです。(書簡を頭上に上げる)
    交わしたのはフォーサイス国務長官とスペインのイザベラ女王。
    今一度、参考のためにご熟読を。(書簡を裁判長に渡す)
    どうも。
    興味深い繰り返しがあるので、その部分だけ取り上げます。
    女王は何度も書いておられる。”アメリカの無能な司法”と。
    女王のお気に召す司法とは?
    アフリカ人に厳しい司法?
    そうではない。率直に言おう。
    女王が望むのは彼女の国のような司法。
    つまり、11歳の娘が魔法の王国で自由にもてあそべる司法です。
    人形のように、彼女のオモチャになる司法。
    我々のヴァン・ビューレン大統領が望んでおられるのも、そういう司法のようです。
    大統領府が出版してる「行政評論」です。ご購読を?大統領はそれを喜ばれる。
    最近の号にこういう文章が載ってます。
    寄稿者の名は”洞察力に富む、ある南部人”
    もしかして私の副大統領だったジョン・カルフーンかな?
    ”地球上の文明社会では、常に労働を提供する立場の人間が存在した。
    歴史を聖書の時代までさかのぼっても、これは事実である。
    人間が2人しか創られていなかったエデンの園でも、従属関係が存在した。
    奴隷はいつの世にもあり、罪悪でも非人道的でもない。
    戦争と敵意が人間の本性から生まれるように、奴隷制度は自然でまた避けられないものである。”
    私は”洞察力に富む南部人”、また大統領と意見を異にします。
    論争を招くかもしれんが、私が思うに人間が自然に求めるものは自由です。
    ・・・自由です。
    それを奪われた人間は取り戻すために闘います。
    身体の自由を奪う鎖を切り、敵を倒し、力尽きても立ち上がり、あらゆる困難や偏見と闘い、家に戻る。
    シンケ、ちょっと立ってくれ。皆に君を見せろ。
    ご覧のとおり黒人です。彼を見てもう1つ分かることが?
    この法廷で彼こそが真の英雄です。
    彼が白人なら生死の裁きなど受けてはいない。
    彼が白人奴隷でイギリスの鎖を断ち切ったのなら、勲章の重みで歩けぬだろう。
    彼の賛歌が歌われ、有名作家が彼のことを書き、彼の物語が学校の教室で教え継がれる。
    子供たちは生涯彼の名を忘れない。パトリック・ヘンリーの名のように。
    南部の主張が正しいなら、あの宣言はどうなる?我々の独立宣言だ。
    何という空言だ。
    ”すべての人間は平等である””生得権””自由”などの言葉。これはどうなる?
    そこでささやかな提案を。
    先日、友人のシンケが訪ねてきて、温室でいろいろ話をしました。
    その時聞いたのですが、彼の部族メンデ族は、絶望的な状況に見舞われると、祖先の魂を呼び起こすそうです。
    伝統なのです。”魂は去っておらず、だから呼び起こせるのだ”と。
    そして祖先の知恵と力が助けてくれると信じているのです。
    ジェームズ・マディソン、アレクサンダー・ハミルトン、ベンジャミン・フランクリン、トーマス・ジェファーソン、ジョージ・ワシントン、ジョン・アダムズ。
    我々は彼らの導きを求めなかった。むしろそれを恐れた。
    今あるこの国を創ったのが彼らであることを認めることになるから、助けを求めるのは弱さの証拠だと考えたから。
    それが間違いであることを我々はやっと悟った。
    この事件を通し、我々は理解し受け入れるのです、先達者のおかげで今の我々があることを。
    恐れと偏見を克服し自分自身に勝つために、我々の上に彼らの知恵と力を、我々に正義を行う勇気を。
    そのための内乱なら起こるがよい、それがアメリカ独立戦争の最後の戦いとなるのです。
    ・・・以上です」

    物語を語れ

  • 合衆国と黒人。
    テッサモーリスの「過去は死なない」もあわせてどうぞ。

  • これは、まごうことなき傑作である。滂沱、とまではいかないが、久々に鼻の奥がツーンとなってしまった。

    まず、冒頭が素晴らしい。暗い。とにかく暗い。影が濃い。これは黒いスピルバーグだ。前作までの白いスピルバーグとは対照的である。そして、雨や流血とともに、物語が展開されていく。

    奴隷砦が、イギリス海軍の砲撃を受ける前、奴隷が解放され砦の外に出て行く様子を映した1カットだけ、グリフィスの『国民の創世』が紛れ込んでいる。素晴らしい。

    炎をバックに、上訴審が開かれるためすぐに自由になれないことを知ったシンケが、嘆くシーン。これは完全なショットになっている。

    ラストでごく少なく独立戦争について触れている。20世紀の歴史を描くという壮大なテーマを持っているスピルバーグは、『リンカーン』への布石をうっていた。

    【ストーリー】
    19世紀半ば。屈強な男シンケ(ジャイモン・ハンスウ)は、ライオンを倒したその時から村では英雄となった。しかし彼は間もなく拉致され、奴隷船テコラ号でハバナに運ばれる。スペイン人のルイズ(ジェノ・シルバ)とモンテス(ジョン・オーティス)に買われ、53人の仲間と共に鎖に繋がれ、プエルト・プリンシペ行きのアミスタッド号に乗せられた。長い航海で彼らは飢え、白人たちに殴打され、食糧が不足しそうだとわかって虐殺される者まであった。

    港を出て3日目、キューバ沖で荒れ狂う嵐に翻弄される船の底で、シンケはついに鉄の首枷を外すことに成功する。鎖から放たれ、武器を手にした彼らは、自分たちを苦しめてきた乗務員を次々に惨殺した。だが船を乗っ取って2ヶ月後、着いたところは故郷ではなくアメリカだった。舵取り役として生かしておいたルイズとモンテスに騙されたのだ。

    シンケと生き残った仲間39人は、コネティカット州ニューヘヴンで投獄され、海賊行為と謀殺の容疑で裁判にかけられた。しかし、スペイン船籍であるアミスタッド号の「積み荷」の返還を求めるスペイン女王(アンナ・パキン)、自分たちが買った奴隷に対する所有権を主張するルイズとモンテス、船を拿捕したことに対する謝礼としての所有権を主張するアメリカ人将校など、さまざまな横槍が入り、裁判は中断してしまった。

    一方、シンケたちの苦境を救おうとする者も現れた。奴隷解放論者の富豪・タパン(ステラン・スカルスゲールド)と、タパンの資本で新聞を発行する黒人・ジョッドソン(モーガン・フリーマン)である。ふたりは元大統領のジョン・クインシー・アダムズ(アンソニー・ホプキンス)に助力を求めるが拒否され、仕方なく法廷で会った若い弁護士ボールドウィン(マシュー・マコナヘイ)を雇った。

    裁判が再開され、検事ホラバート(ピート・ポスルスウェイト)は船から押収した武器を証拠として突きつけた。ボールドウィンの論点はただひとつ、シンケたちがどこで生まれたのかという点だけだった。法律では、奴隷の子として生まれた者のみ売買が許可される。もし彼らがアフリカで生まれたことが証明できれば、彼らは非合法に拉致されたことになり、船での殺戮行為は不問になる。ボールドウィンはルイズたちが船に隠しておいた積み荷記録を見つけ出し、法廷に提出した。それはテコラ号が、奴隷所有の禁止されている英国領・西アフリカでシンケたちを不法に売買した動かぬ証拠だった。

    だが、彼らを有罪にできなければ目前に迫った大統領選挙で奴隷解放論者と見なされ、大票田である南部の支持を得られなくなると恐れた現役大統領ヴァン・ビューレン(ナイジェル・ホーソーン)は、自分の息のかかった新しい裁判官を送り込んだ。ジョッドソンとボールドウィンはアフリカの言葉を話せる人間を探し歩き、ついにアフリカ生まれの英国軍人コヴィ(キウェテル・イジョフォー)を探し当てる。通訳を得て、ふたりは彼らがここに至るまでの悲惨な航海の日々を知り、またシンケの知性と望郷の念に心打たれる。

    その後も長い長い審理が続いた。Give us free!(俺たちに自由を!)。その悲痛な叫びは、シンケが初めて覚えた英語だった。だが判事はついに彼らに無罪を言い渡した。シンケたちは篝火を焚き、歌を歌って勝ち取った自由を祝ったが、喜びの時は短かった。大統領が最高裁判所に上告したのだ。そんな中、ついにアダムズが重い腰を上げる。アダムズは幾度もシンケと対話を繰り返し、ふたりの間の理解は深まっていった。法廷でのアダムズの論点は「過去からの声に耳を傾けよ」ということだけだった。自由の国・アメリカを築いた先人たち、この法廷にもその胸像が並んでいる建国の始祖たちの、自由を求めた闘いを決して忘れてはならないと。結果、裁判はシンケたちの無罪に終わり、彼らは故郷へ送り返されることになった。

    シンケが新たに得た自由、そしてアダムズらとの深い心の交流。だがシンケが長い船旅を経てたどり着いた故郷にはすでに彼の村はなく、彼の家族も消えていたのだった。

    19世紀半ばに実際に起こった事件をもとに、アメリカの奴隷制度にあらがった勇気ある人々の闘いを、重厚な映像で描き出した歴史ドラマ。監督は「ロスト・ワールド ジュラシック・パーク」のスティーヴン・スピルバーグで、彼が設立したスタジオドリームワークスでの自身の第1回監督作品。製作総指揮は同社の社長でもある「メン・イン・ブラック」のウォルター・パークスとローリー・マクドナルド。「ファミリー・タイズ」などのTVシリーズを手がける製作のデビー・アレンが、10年以上も温めていた企画をスピルバーグのもとに持ち込んで実現した。脚本は『虚偽 シチズン・コーン』(V)のデイヴィッド・フランゾーニ。製作のコリン・ウィルソン、撮影のヤヌス・カミンスキー、音楽のジョン・ウィリアムス、美術のリック・カーターは、「ロスト・ワールド」に続いての参加。衣裳は「マルコムX」のルース・E・カーター。出演は「サバイビング ピカソ」のアンソニー・ホプキンス、「コンタクト」のマシュー・マコナヘイ、「セブン」のモーガン・フリーマン、「英国万歳!」のナイジェル・ホーソーン、「スターゲイト」のジャイモン・ハンスウ、「ブラス!」のピート・ポスルスウェイト、「ゲット・ショーティ」のデイヴィッド・ペイマー、「グッド・ウィル・ハンティング」のステラン・スカルスゲールド、「ピアノ・レッスン」のアンナ・パキンほか。

  • 授業にて。
    映像のリアルさがすごい。

  • 実話に基づく話。

    映画の出来に比べて観てない人が多すぎる。

    必須映画の1本。

  • スティーヴン・スピルバーグの大傑作。アメリカの南北戦争のきっかけになる、黒人奴隷の所有権に関する裁判を描いた映画。中盤にある奴隷船のシーンは、今まで観たスピルバーグ映画の中でも飛び抜けて彼の『一歩引いた残酷さ』が全快になっており、『映像の力』を感じざるをえない。

  • シンケは拉致されアミスタッド号に乗船されてしまうが、遭難。その中でシンケ達は乗組員を次々と惨殺する。自分たちの勝手なルールで人を利用し、捨てる事はなんて恐ろしいことだろう。自由とは何か、人と人が互いに理解するためにはどうすれば良いかを説いた作品

  • 19世紀におきた実話「奴隷船アミスタッド号事件」。三度目だけど、いい映画はよい。自由を求めた裁判。マシュー素敵。

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