天才数学者の思考の仕組みが分かるような描写(ネクタイの模様、窓にひたすら数式を書いたり…など)は事実かどうかは置いておいて、とても興味深かったです。あと、奥さんの理知に富んだ行動(授業中の騒音の件、愛は信じるもの?というセリフなど)も観ていてわくわくしました。
しかし、この映画は時間軸の飛び方が雑に感じます。自分の欲しい場面を一通り撮ったけど、長くなりすぎたから、適当に必要なところだけ切り取って繋げたようなかんじです。私はその度にそこで思考がストップしてしまいました。映画はオムニバス形式でもない限り、場面が流れるように進めることが大切なのだと、改めて感じました。
途中まで本当にスパイがいるのか、病気なのか分からない所は、サスペンス映画のようで面白かったです。しかし、あまりにもしっかりサスペンス的に描きすぎたため、後半の感動シーンが半減してしまったように思います。ひとつの映画にしっかりした要素(この場合は、半ノンフィクション?としての事実への忠実性、ヒューマンドラマ的な感動、サスペンス)を何個もいれると煮え切らない後味になることも発見しました。
中途半端に設定をもってくる映画(風立ちぬなど)は悪ではありませんが、個人的には受け付けないので、私の好みも関係しているのだと思います。
ジョン・ナッシュさんの半生についてはネットでざっと読んだ程度なので、自伝なども読みこんでこの映画への理解をもっと深めていければと思います。