ラースと、その彼女 (特別編) [DVD]

監督 : クレイグ・ギレスピー 
出演 : ライアン・ゴズリング  エミリー・モーティマー  ポール・シュナイダー  パトリシア・クラークソン 
  • 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
3.87
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  • (16)
  • (2)
本棚登録 : 937
感想 : 200
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988142749024

感想・レビュー・書評

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  • 2010/05/17
    想像してたのと全然違った。ほっこりあったかくなる映画。
    ラースの一途さが切なくて、ちょっと胸が苦しくなる。
    でも、ラースがこんなにもたくさんの人に愛されているのはなぜか、というところを最初にもうちょっと描いてほしかったかなぁ。

    見終わってこんなに爽やかな気分になる映画は久しぶりだ。

  • なんとも不思議な話。自分の世界にこもりがちな青年ラース。ある日彼女だといって連れてきたリアルドールにびっくりする兄夫婦。だが精神科医、街の人、職場の人皆がその人形を人間として扱うのだ。それでラースの心と、さらに街の人も何か不思議な温かいものに包まれてゆく。

    精神科医役のパトリシア・クラークソンがとても素敵。

    ライアン・ゴスリングはラース役。自分が生まれた時に母は死に、それが原因のようで、人にちょっとでも触られると痛がるという設定。人はいいがどこか一人前には扱われていない気のいい青年役。こんな雰囲気にもなるんだねえ。

    2007アメリカ
    2020.3.20レンタル

  • なんかオシャレぶった話かと思って敬遠していたのだけど、そういうわけでもなく、とても不思議で優しい話で面白かった。

  • 主人公ラースは内気で女性嫌い。
    今でいうと、いわゆる、コミュ障のくくりに入ってくるタイプの男性。

    ラースがなぜそのような問題を抱えているのか。

    その問題を乗り越えていくために、
    人形のビアンカを本当の人間と信じこみ、妄想し、それに周りの家族や社会を巻きこんでいくコメディなのか、人間ドラマなのか。

    ともかく、演技がすばらしい。

    全然リアルじゃないのに、引き込まれた。


    ーーーーー
    ここからネタバレ
    ーーーーー




    ラースが女性嫌いの原因は、
    おそらくドクターとの診察での「母の死」であると思う。

    その大きな喪失体験は、ラースの出産のとき。
    自分を産んで、母は死んだ。

    そのことが彼にとって大きなトラウマとなっていて、兄夫婦が妊娠したときもあまり喜べないでいる。
    ドクターとの診察の中で、誰かに触れられたりすることがどうしても難しいことや、妊娠や出産の話になるとパニックを起こす。

    今まで社会とのコミュニケーションを極力絶っていたのは、そんな自分が出てくるのが怖かったし、その自分をどう対処したら良いかわからなかったからだろう。

    そんなラースが人形ビアンカの存在を通して、すこしずつ社会(あれだけ嫌がっていた兄夫婦、会社関係のパーティー、教会、地域)と関わりはじめる。

    ここでカギとなってくるのが「まわりの行動」だ。

    まずドクターは「ラースの妄想に付き合え」と家族に指示する。つまり、人形ビアンカを本当の女の子として関わるということだ。

    最初は反発したり、疑ったり、奇妙がったりするまわりも少しずつビアンカを受け入れていく。
    いや、ビアンカを必要とする「ラース」を受けれていくのだ。

    おもしろいのは、まわりの愛情によって仕事を得たり、ボランティア活動をしたりするのだ。ビアンカは人形にも関わらず!!!

    最後は、ビアンカは病気になり、天国へ召される。
    (これもラースの妄想)

    その時のまわりの行動は脱帽。
    愛するってすごいな。

    ビアンカを見送った後、ずっとラースに想いを寄せていた会社の同僚(リアルガール)と前に進んでいく。


    ーーーーー

    とんでもないエピソードだけど、もっと身近なことで言えば、「ちょっと違う」「ちょっとおかしい」「ちょっと変わってる」という人は私たちのまわりにたくさんいる。

    不潔だとか、ダサいとか、面白くないとか、場が読めないとか、体が弱いとか、心が弱いとか、、、

    わかりやすい病気だったらどうだろう?
    わかりやすい怪我だったらどうだろう?
    それでも今の日本は簡単に突き放すかもしれない。

    だとしたら、わかりにくい(理解しにくい)ちょっとした違いはどうだろう?

    わたしはそれを受け入れるだろうか?
    わたしはそれに寄り添うだろうか?
    そう続けられるだろうか?

    そんなことを問われた一作でした。

  • とてもおかしくて穏やかで切ない話。

  • 思いのほかめちゃくちゃいい話!

  • 『her』はOSが彼女だったけれど、2007年の脚本賞ノミネートのこの映画はリアルな人形が彼女。でも、切り口は全然違う。前半は笑わせてくれて、後半は主人公の問題を真面目に見せてくれる。
    人形を本当の彼女と信じている主人公に対して、ちゃんと批判的な声を浴びせる人を描き、でも基本田舎街は一生懸命に生きる彼に温かく、特に年配者の声は励まし、見守りがすごくよくて泣きそうになった。
    兄、義理の姉、女医者、同僚の彼女と演技もよく、とてもいい映画だった。

  • コメディかと思っていたけど、違っていた。
     主人公ラースは、優しくて純粋な青年。町の人気者だが、ずっと彼女もいなく、会社から帰ると家に閉じこもっている。
     兄のガス、義姉カリンらは心配していて、特にカリンは、食事に招待するなど、なんとかしようとしている。
     そんなある日、ラースが「彼女を紹介する」と兄夫婦のもとにやってくるのだが、ラースが連れてきたのは、ビアンカと名づけられた等身大のリアルドールだった。
     兄夫婦をはじめ、街の人たちは驚きながらも、町医者の言葉もあって、ラースを傷つけないようにビアンカを受け入れようとする。

     ラースは自分の出産時に母親を亡くしていて、そのことを大きな不安としてずっとかかえてきた。そのため、女性に触られると痛みを感じ、女性と付き合えないでいる。
     そして、カリンが妊娠し、お腹が大きくなってくるにつれて、不安は増加し、ビアンカという存在が登場したのだと思う。
     それは「妄想」と診断されたが、ラースが愛することが出来、触ることも出来、カリンに自分のことを心配をかけさせなくてもよい、という存在として必要だったのだ。

     しかし、ビアンカは彼尾変えていくためのきっかけではあるが、それを発展させたのは、周りの人たちで、ラースとビアンカを町中の人が応援していくシーンは、ファンタジーではあるが、この映画の一番のテーマとするところではないかと思った。

     最後の変化の前に、ラースがガスに聞く。
     「いつ大人になったと思った?」と。

     彼は不安と戦い、大人になるために葛藤し、そして、物語はハッピーエンドを迎える。
     

  • LARS AND THE REAL GIRL
    2007年 アメリカ
    監督:クレイグ・ギレスピー
    出演:ライアン・ゴズリング/エミリー・モーティマー/ポール・シュナイダー

    アメリカ映画ですが、まるで北欧映画のような印象です。寒そうで、色彩がちょっと淡い。町の人達の、素朴な優しさが、アメリカぽくないからかも。すごく優しい映画でした。

    主人公は、内気で無口だけど優しくて純真な青年ラース。彼がある日突然、ガールフレンドと称して連れてきたのがビアンカというラブドール。日本風に古風な呼び方をするなら、要するにダッチワイフです。

    このビアンカを、人間の女性として扱い、会話するラースは、つまりちょっと精神的にキちゃってるわけですが、彼を診た女医さんは治療の方法として、彼の妄想(幻想)に全面的につきあうことを提案します。ここで町中の人たちが、これに協力してあげちゃうところが素晴らしい!バカにするどころか、ビアンカを本物の女性として扱い、話しかけ、パーティーに招待し、仕事を頼んだりしてあげます。

    そういう光景を見てると、なんだかこちらも、ビアンカが本当に心のある生きた女性のような気がしてきます。ラブドールゆえ、口はつねに半開き、両脚も常に開き気味、という形態にも関わらず(笑)。

    で、だんだん、どうしてラースがそんな妄想を抱くようになったのか、彼がいったいその人形に何を投影しているのかが、だんだんわかってくるんですよね。このへんのラースの心の動きとかは、上手い脚本だなあと思いました。ラストのネタバレは避けますが、予想を裏切らない終わり方、そして非常に後味のよい映画でした。世界中がこの町の人々ような優しさに満ちていたら、どんなに幸福だろうと思います。
    (2009.04.29)

  • おもしろかった!!

    人と関わるのが苦手な、でもすごく優しい好青年・ラースが、ある日、
    「彼女が出来た」と言って自分の兄と兄嫁に紹介したのは、
    なんとラブドールだった・・・!


    という話で、
    もうそのラブドールを紹介したときの
    お兄ちゃんとお兄ちゃんのお嫁さんの反応がおっもしろいの!笑
    もう二人とも言葉も出ないってくらいびっくりしてて。笑
    すごいシュールなんですね。笑

    そんな感じだから、ギャグ映画なのかなぁ~と思ってたら、
    案外そんなことはなく。

    お兄ちゃんとお兄ちゃんのお嫁さんが、
    そのラースをお医者さんに診せたら、
    お医者さんは
    「ラースは妄想癖があるから、
     治すためには、この人形が生きているように周りのみんなも振舞って下さい。」
    って言うんです。

    それで、お兄ちゃん、お兄ちゃんのお嫁さん、含め、
    町中の人が、それに協力する。

    だんだん本当に”彼女”が生きてるんじゃないかと思えてくるくらい、
    みんな優しく、ラースとその”彼女”に接してくれる。

    町がひとつになる。

    なんだか、切なく、そしてほっこりする映画でした*

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