崖の上のポニョ [DVD]

監督 : 宮崎駿 
  • ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 (2012年1月19日発売)
3.42
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4959241981264

感想・レビュー・書評

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  • 海中の景色がとても綺麗。
    波なのか魚なのかわからないものも、ポニョ母の存在感もすごい。

    リサのサバサバ感が山口智子で猛烈にアップしてる。
    ポニョと宗介の夕飯、カップラーメンだし、
    それ以前に帰ってきてお茶にしよっか、だし、
    運転荒いし!!
    嵐の中、子供2人置いて行っちゃうあたりは海外からしたら虐待では?!
    ああ、ジブリ映画なのに生活感丸出しで見ずにはいられない...
    でも、リサ、結構好き。

    最後にひまわりえんのおばあちゃん達が車椅子なしで山を登るのにはじーんとした。
    ポニョに足なめてもらいたいって言ってたもんね!

    人面魚が浜に揚がると津波が来るって言ってたけど、昔もポニョみたいに人間と出会った魚がいたのかな?!

  • - 年末になぜか始まったジブリ映画マラソン第二弾。これもすごい久々に見た。
    - リサの声は山口智子なのか。雑な子育て感とか力強さがこれ以上なく合っている。
    - ろうそくの火の熱の力で進む船。あれ大きくするだけで子供も乗れる、みたいな設定ジブリっぽくていいなと思った。
    - 最終的には曇りなきまなこで大好き大好き言い合ってるポニョと宗介に拍手しかない。

  • 2008年上映。25歳当時母と見に行った……と思う。
    そのときは、お、面白かった、ん、か、ねー……、と感想を語り合うこともしづらかったと思う。
    特に事前調査・事後検索しなかったということは、当時は駿すでに終わった感を抱いていたし、それが作品によって裏打ちされた、という感想を持ったわけだ……と思う……それくらい心に残らなかったわけだ。
    今回、古いスラングでいえばパヤオマンセー状態にあって、自分がどう感じるか楽しみだった。
    4歳2か月の娘と一緒に鑑賞。
    103分の結構な長丁場、途切れずに一緒に鑑賞してくれたし、鑑賞途中は「すごいねー」「大きいねー」など感想を交わし合ったが、
    その後再度見たいとはいわずアナ雪ごっこに戻ったという意味では、我が子への訴求力はトトロよりは低かった。

    が、36歳のおじさんにとってはシコリになって残り、上映時間の数倍はネットサーフィンする肴にしてしまったわけだ。
    10年ほど前に感じた気持ち悪さ……特にグランマンマーレの……今回岡田斗司夫解説でチョウチンアンコウの先っぽを美女に仕立てている、そしてチョウチンアンコウのメスはオスを取り込んで生殖すると知り、確かに……しかしこの不気味さはそれだけではない。
    そもそもポニョが「生命の水」の影響で加速度的に進化?し人間になる……下敷きとなる「人魚姫」を、SFファンタジックに飛び越えて、進化爆発やらカンブリア期再来やら月の超接近や巨大津波やら水位向上やらを引き起こす。
    この作品をふまえて思い返せば……駿の諸作は世界の滅亡一歩手前で調停者として行ったり来たりする少年少女、とはいえ、世界の滅亡は極めて局所的なある場所に限定されていた。
    スケールの壮大さを感じさせる、限定的な空間、をどれだけ具体的かつ魅力的に描くか、に注力されていたともいえる。
    「ナウシカ」は最も壮大だが、おそらく数百キロ半径だし、「ラピュタ」はもっと狭いかもしれない、「トトロ」では数キロ圏内だろうし、「もののけ姫」でもいくつかの山を亘る程度だろう。
    翻って本作では、目で見える範囲の出来事の進行と、世界自体が滅ぶかどうかが直接かかわっている……あれ、これセカイ系か……???

    まあ、こういう「半径数メートル世界の変容」に、駿は執着していたんだろう。
    インタビューにいわく「中川李枝子の作品が好きであったために「崖の上のいやいやえん」を」。
    音声インタビューでも聞いたことがある。幼稚園内が海になるのが魅力的、と。
    実際に幼稚園を作ってしまったから願望は半分達成されて、残った半分の願望で作った作品、とも。
    しかし半分なのにこの濃さ!

    フジモトってのは陸上の醜さに辟易し、海の美しさ=グランマンマーレのに魅せられ、ジェノサイドを企む駿自身。人類への絶望ゆえに。
    それがラスト、かなりスッコーンと割り切って、新世代の宗介に「ポニョを頼む」と握手の手を差し伸べるのだから、丸くなったというのか、子供向けだからと言うのか。
    「パンダコパンダ 雨ふりサーカス」と同工異曲というか発展形だが、明るさが怖いというか、明るさがそもそも不気味な夢のような感触というか。
    ところで本作を見て、ジェノサイド嗜好と、子供のためという大義名分、という駿の作家に、思いを馳せざるを得なかった。
    「ナウシカ」「もののけ姫」ではハイティーン向けとすることでなんとかバランスをとれていたが、そもそもこのふたつは組み合わさることで作家性を強化しているとはいえ、そもそも食い合わせが悪いんじゃないか……と気づいた。気づいてしまった。
    あるいは、前期では組み合わせの悪さそのものが作家性になっていたが、「千と千尋」以後は齟齬を来している、とも。
    動員数=売上の巨大さが、ブランドにもなり枷にもなっている……子供にも大人にもリーチする作品でなければならない、という考え方。
    これは駿忌避するディズニーやピクサーと同じく、経済性が作品の内容に影響しているということ。

    しかし、都市伝説を何時間もサーフィンしてみて(船の墓場。トキは宗介父耕一の祖母。駿母親がモデル。ポニョと接吻すると死→だからトキさんと口が合わさる場面をどうするか迷っていた。確かに口を通じて、モノを食べてそちら側の世界へ移行したり、言葉を発して相手に影響したり。ラストでは宗介くんがポニョにキスすれば、というお伽話的解決を、ひっくり返して、水膜に包まれたポニョが跳び上がって落ちてくるときに自らポニョにキスをすることで試練を達成させる、という。アシタカも同様だが、結ばれたあと大変だぞーという駿のインタビューは、年を取るごとに切実。だいたい眠たげなポニョが「りさ……さがしに……いく……」というときの「流し目」のエロチックさ! これは明らかに狙っているものだろう。)、
    その上で思うが。

    わざと都市伝説を作り出すような作り方は不健康ではないか???
    象徴やメタファーをあまりに無責任に援用しすぎてはいないか???

    従来の駿は、話を作り上げる画板の上のマークとして、民話や神話や人類の原型を、活用していた。
    本作では、描きたい絵を描くための方便として、話を作っているから、結果的にそれら原型的な想像力に、話を任せてしまっている、のではないか???
    このへん村上春樹の「無責任さ」と同質だと思うが……なかなかはっきりと関連付けづらい。

    ところで駿は福山鞆の浦に数か月住み込んでイメージを作ったのだとか。
    これ作家としてはイマジネーションを膨らませる手段だとか芸術家ならではの行動と言えるが、家庭人社会人としてはけっこうワガママ。
    だって「もののけ姫」「千と千尋」で巨万の富を得たんだもん、それくらいさせてくれよ。
    という、ジブリ・ブランドあってこその作品だと感じた。
    黒澤明「夢」と同じく。
    こんな作品に付き合う義理が、果たしてあるのか?

    とはいえ、CGに頼らない作画という実験、
    あえて以前なら過剰表現主義と批判していたスローモーション、ストップモーション、黒丸ワイプといった、小手先を採用していたり、
    キャラデザも、「千と千尋」でもそうだったが、駿らしくないレベルまでズラしていたり、
    などなどなど、単なる老害化と断罪できない魅力がバッチリ詰まっていて、
    全然嫌いになれない、いや好き、いや好きというと言いすぎだけれど、どうしても気になってしまうことが多くて、片付けられない。

    あとは興行的に言えば、主題歌による売り方の問題。
    ああいうキャッチーな歌を作って、ジブリ・ブランドでブットい興行をかけるのに、この内容って果たしてどう? マッチしているの?
    そもそも対象とする年齢層ってナニ?
    など引っかかりは多い。
    うーん、「ポニョはこうして生まれた」見るかー? ひどく長いけれど。

    番外編・駿と諸星大二郎。ポニョは「栞と紙魚子」のクトルーちゃん。「テケリ・リ!」

  • 正直よく内容は分からないが、ポニョが子どもに人気なのかは分かった気がする…。

    ポニョ、かわいい(笑)

  • 家出して海岸にやって来た魚の女の子ポニョは
    頭を空き瓶に突っ込んで困っているところを、
    5歳の少年 宗介に助けてもらいます。
    宗介に出逢ったことをきっかけに
    人間になりたいと願うポニョですが、
    その強い思いが、世界を巻き込んでいくことに
    なります。

    ナウシカ、ラピュタ始め、宮崎駿作品は
    大空を自由に滑空してきましたが
    本作は大海原と大海底のスペクタルで魅せます。

    せめて映画のなかだけでも
    素晴らしいものを見せたい。
    それが俺の仕事だ。

    と宮崎駿が言ったとか。
    躍動感、爽快感、ワクワク感。
    冒険ファンタジーの世界観。
    素直で明るく前向きなかわいい子供たち。
    職人気質でカッコいい大人たち。
    これこそ宮崎駿作品の魅力です。

    本作品は物語の説明がほとんどありません。
    なんでみんなポニョをすんなり受け入れてるの?
    なんでリサは津波の中、宗介連れて帰宅したの?
    なんで5歳の宗助が1人でボート漕いでるのに
    大人達はそのまま行かせるの?
    なんで町は水没したの?
    なんで古代生物がいるの?
    なんで月が落ちてくるの?
    グランマンマーレとリサは何を話してたの?
    世界の綻びって?世界に穴を開けたってなに?

    「僕いま忙しいから後でね。」
    物語からいちいち説明が取っ払われたことで
    作品はノンストップで勢いがうまれています。
    説明のされないこれらのシーンは
    何のためにあったのか?
    それは躍動感、爽快感、ワクワク感のある
    動画を見せるためだったのかも知れません。

    まるで背中に乗せられて世界を翔んで廻り、
    次から次へと流れる景色を眺めている様でした。

    物語に引き込まれるのは、やはり、
    この宮崎駿の世界観と画力なのでしょう。

    加えて、5歳児のポニョと宗介の無垢な声。
    私が歳を重ねるほどに可愛さが増します。
    「火垂るの墓」の節子レベルです。

    因みに、数々の不思議な現象は、
    「生命の水」を浴びたポニョが
    取り込んだ魔法をどんなものか分からないまま
    無意識に見境なく使用したせいのようです。

    グランマンマーレがリサに了承をとり、
    宗介にポニョへの思いを確認して、
    ポニョと宗介が結婚する事で
    ポニョは人間になり魔力を失い解決されました。

    世界は救われ、宗介とポニョの願いも叶い、
    耕一は無事にリサの元に戻り、
    おばあちゃん達は健脚に戻り、
    フジモトはいい人になりました。
    すべて望み通りに収まって、みんなハッピー。
    幸福感に包まれて物語は幕を閉じました。

    想い人 逢いたさに魚から人間になって、
    相手にされなくなったら泡になってしまう悲しい
    設定は「人魚姫の伝説」そのものですね。

    老人ホームの車椅子のおばあちゃん達が、
    蛍光色に輝く大クラゲの傘下で走り回るシーンは
    「アビス」を思い出した。

    フジモトが載る潜水艦は「海底二万マイル」。

    ポニョの本名は北欧神話の「ワルキューレ」。

    グランマンマーレ。海の女神。大いなる母性。

    時空を越えて宮崎駿の好きな
    世界観がふんだんに盛り込まれ、
    宮崎駿作品の魅力がたっぷりつまった
    ファンタジー作品でした。

  • 宮崎駿の贈るハッピーエンドな人魚姫の物語。
    グランマンマーレが印象的。ポニョが人間界に住むことはできない(だから海水面上昇や人工衛星墜落などが起きてる)ので父であるフジモトはポニョを元に戻そうとするが、グランマンマーレは人間にしてしまえばいいと言う。受け入れられなければ泡になってしまう、と言うフジモトに、「私達は元々泡だった」と答えるマンマーレにとって、ポニョは夫を他にもいくらでも持つ彼女の更に数多いる子供の中の一つでしかないのだろう。一つの命が泡になろうとそれは元に戻るだけ、と言う認識。観音様にも例えられる神の視点。それに引き比べ、フジモトはあくまで父親の視点でポニョを心配しているのだが、悪役チックな立場になるのが興味深い。エゴ、ということだろうが、フジモトのほうが共感できる。それをポニョにも「閉じ込める悪い魔法使い」なんて言われちゃうのはかわいそうだなあ。超自然派で極端な懐古主義(?)はよくないけれど。

    ハウルの動く城からそうだが、おばあちゃん達が子供のようにはしゃいでいるのが面白い。また使われる美術や技巧があの作品からかな?ってのが各場面から散見できてそれも面白かった。
    宗介がポニョの全てを受け入れる台詞には泣きそうになりました。「魚のポニョも、半魚人のポニョも、人間のポニョも、大好き」まっすぐで素晴らしい。

  • 岩を這うフナムシ。
    足を海に浸し、異界の濃度に馴染んでいく確信、プラスチックバケツが台風の風に転がってゆく坂道、水圧の高いゼリーのように硬くて柔らかい水、内海に浮かぶ船、波、島の向こうに感じる音の反響と拡散の気配。
    そして、沈んだ街を見下ろしながら、足のすぐ側を古生代の生物がかすめていくリアリティ。そのリアリティは現実よりリアルで、心地よさに身を任せたくなる。

    様々な記憶と夢の断片が散りばめられて、それが洪水に浸され、繋がっている。

    10代、20代と、生きているという事実の現前性が掴みたくて、ずっと焦燥にかられていた。
    「今」が奪われたまま、他人の目や、やむない事情に振り回されて生きていると、食べるとか、死ぬといった因果から離れて、例えば海が様々なものを様々なまま内在させて巨大にそこに現前していることを感じるような、危機を察知するセンス、言ってしまえばそれは畏れなんだけど、そういう直感がカサカサになるまでスポイルされてしまう。

    季節が大きなうねりのようにうつろう中で、ゆっくりと花が入れ替わり、咲きながら散ってゆく狂気を、庭の陰から眺めていたい。いくつものハレとケが交錯して日常がある。ポニョを見ながらそれを確かめて、明日が少し、楽しみになった。

    そうやって暮らしながら、大好きな人に触れたい気持ちが夜の海にほどけてゆくのは、美しいことのように思う。逢いたい気持ちで全力で駆けること、抱きしめること、笑ったり、食べたり、眠ったり、すごく大切なことのように思う。

    これを子どもが観る映画なのだというのなら、近くにいる誰かに、抱きしめられたくなればいいと思う。

  • 私はあの魚の波好き。
    その上をかけ飛ぶ、ポニョが好き。
    そこを見るたびに心が揺すぶられる。
    なぜなんだろ、ね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「なぜなんだろ、ね。」
      私遣ります!って宣言して走っているような、イキイキしてる感じが出ているからかな?
      「なぜなんだろ、ね。」
      私遣ります!って宣言して走っているような、イキイキしてる感じが出ているからかな?
      2014/04/23
  • 娘とジブリを観よう!企画  の第3段。

    定番の「トトロ」でほんわか楽しみ・・・

    (自分が一番好きな)「ラピュタ」は、5歳の娘にはまだちょっと難しかったみたい(楽しんではいましたが)・・・

    今回の「ポニョ」が、今のところ一番、反応が良かったみたい。

    大人の鑑賞にも、耐えられることは耐えられるが・・・・、自分はいまいち。

    ★3つ、7ポイント半。
    2013.06.16.了。


    ・・・・東北出身者として、「3.11」を想起させる描写に少々どきりとさせられた・・・・。

    震災直後だったなら、最後まで正視できなかったかも。

  • 「好き」で許容する世界の現代版人魚姫。

    海と津波が怖い。ていうか、結構な大災害になっているが大丈夫か。海に沈む道路や道、草のかかった放置されている母親の車、危険、死の予感が怖い。なのにほのぼのとした童話のような、この取り合わせは一体なんなんだ。

    そうすけがいい子だ、可愛い。リサを探して声を呼び続ける姿は胸が痛んだ。嫌われたくないポニョを全許容で好きって言うの、可愛い。

    ポニョは最初「何この子、めっちゃ迷惑やん」て思って見始めたたのに、りさや大人達が彼女をちゃんと許容しているのを見ているうちに、応援したくなった。

    リサは無鉄砲でガサツで、でも明るくて、子供達を個人としてちゃんと見ている素敵な母親だと思った。ポニョ父も、なかなか愛らしい父親だ。

    見終わった後「あれはなんだった?」ってなるのも含めて、いい余韻の映画だった気がする。

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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