未来世紀ブラジル [DVD]

監督 : テリー・ギリアム 
出演 : ジョナサン・プライス  ロバート・デ・ニーロ 
  • ジェネオン エンタテインメント
3.80
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本棚登録 : 388
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102687533

感想・レビュー・書評

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  • BRAZIL
    1985年 イギリス 142分
    監督:テリー・ギリアム
    出演:ジョナサン・プライス/ロバート・デ・ニーロ/キム・グライスト

    20世紀のどこかの国。情報省により、国民は厳しく管理されているが、反対派による爆弾テロが絶えない。記録局で働くサム・ラウリー(ジョナサン・プライス)は有能だが出世欲がなく、整形に夢中な母親がコネを使って出世させようとしても断っている。彼の楽しみは夜ごと夢の中に現れる美女。夢の中で彼はイカロスのような翼をつけて空を飛びまわるヒーローで、彼に助けを求めている美女を守るため、巨大な侍と戦ったりしている。

    あるとき情報省のスペルミスで、爆弾テロリスト:タトル(ロバート・デ・ニーロ)と間違われたバトルという男が連行され殺されてしまう。彼の部屋の上階に住むジル(キム・グライスト)は誤認逮捕の現場を目撃し、情報省に抗議していた。その姿を見たサムは、彼女が夢の中の美女にそっくりであることに気づき…。

    30年くらい前にビデオで見たのだけれど、細部はもう覚えていなかったので久しぶりに観賞。一応クリスマスシーズンむき? 昔見たときはもっと面白いと思ったのだけど、今見るとディストピア慣れしてしまったのか、それほどの衝撃は受けなかった。80年代の手作り感あふれるディストピアはレトロフューチャー味があってとても良い。羽根を付けて飛ぶサムの夢の中の情景や、なぜかお母さんが整形のために顔を引っ張られてるシーンなどを妙に覚えていた。

    基本的には映像や細部を楽しむべきものなのだろう。表面的なあらすじはとりたてて面白いわけではないと思う。むしろ、サムの言動の幼稚さには少々辟易。記録局では上司に頼られ有能ぽかったが、ジルに出逢ってからの言動は、およそ冷静さや客観性とは程遠く、行き当たりばったり、彼女を助けるどころか足を引っ張って事態を余計にややこしくしているだけ。終盤捕まってから「俺は無実だ!」と訴えているが、いや全然無実ではないよ(笑)しかも彼は別に反政府的な革命思想や正義感で行動しているわけでもないし。

    そういう面では主人公に共感してあげられないので、ちょっと冷めた目で事態を見守ってしまった。終盤の悪夢感は好きだけど、夢オチを知っていて見ているので、初めてみたときほどの感動はやはり味わえず。基本的に真面目にSFとして見るよりシニカルなブラックコメディだと思って観たほうが良いのだろうな。とはいえ名作だと思います。

  • ~★~テリー・ギリアム流、痛烈風刺作品~★~

    管理社会への風刺か、人の希望さえも管理する。

    めんど臭い現実、訳の分からん現実を生きる為には、
    自分にとって都合のよい妄想夢をでっち上げるのが
    一番手っとり早いだろう。

    例え、それが夢のまた夢であったとしても・・・
    特上のブラックユーモアか・・・

    私も空を飛びたい気分です。

    面白い。

  • 別途

  • 「未来世紀ブラジル」ずっと見たかった作品でした。今回やっと観るタイミングが来たって感じです(笑)
    オープニングで「紅い眼鏡」のケルベロスみたいに重武装した対テロ部隊が無辜の民の普通の家庭にいきなり押し入って来て父親を連行し母親に受け取り状を渡す…とか嗚呼ディトピアって空気ですね(笑)その後の通信情報を紙で処理して多勢が所狭しと動き回っている長大な室内で管理者の目が光っている時は必死に働いてるフリをして、目が離れたらすぐにサボるってのも社会風刺的で面白いですね(笑)
    目覚し時計もシャワーも朝食も全てオートマチックに動いて至れり尽くせりみたいな未来予想図ってなんとも懐かしい気がします。
    上流階級というか金持ちマダムの奇抜なファッションは「ハンガーゲーム」のセレブ連中の様ですね(笑)どうもオシャレっていうのは未来予想すると奇抜で突拍子も無い格好になるんですかね(笑)サラリーマンでもラペルの大きな仕立てのいいスーツに中折れ帽でウールのコート…オシャレですね。1920年代みたいでカッコいい。
    しかし、何にもない扉や壁やあちこちによくまぁこれだけ妙なガジェットを埋め込んだよね。未来のディトピア物だからね。当然なんだけど、その作り込みの良さが面白さになってこの物語を高めてる気がします。
    終盤はドタバタしてて何だかなぁ〜ですけど、ラストはやはり矯正されて夢の中…何だね。
    やっぱりこう言った近未来のディストピアを描いている作品は出来るだけ封切り数年以内に見るべきなんでしょうね。世の中色々変わり過ぎてる今見たら、「頑張ってる感」が些か強く出ていて陳腐に見えてしまう。それでもまぁ見たかった作品なので満足です。

  • ★3.5
    靴の帽子良い

  • 管理社会のなかで夢の中に生きているサムの話。他の人の感想を見たらオーウェルとか書いてあったけどワタシにはカフカ『審判』を思い出させた。夢落ちだけど、身も蓋もない終わり方かも。サムは幸せなのかもしれないけど。ロバート・デ・ニーロが若くて格好いい。格好よすぎないところが格好いい。

  • ★★ 2 見ていて「映画の良さ」をどこに見出したらいいのかよくわからない作品だった。あらすじを読んでも話は理解できずじまい。最後のオチは妄想?、夢?。出来は酷いとは思わないが、ともかく自分では話を理解して面白さを説明出来る映画ではない事だけは確か。感想はこんなところです。

  • “情報管理社会に生きる人間社会の狂気と、手段を選ばずそこから逃げ出したいという欲求”を描いた作品。
    挿入曲「Aquarela do Brasilブラジルの水彩画」は1939年の有名なサンバ。
    絶望的な末来社会に無理やり流れる能天気なラテンは、人間が人間らしく生きてやる!いう作者の意地を感じる。

    ブラックジョーク満載のコメディ。なんせ「モンティパイソン」のテリー・ギリアム監督作品。
    政府が体制維持のため、マッチポンプ式にテロリストをでっちあげたり、
    誤認逮捕で善人を処刑しちゃったのに、出世のために誤魔化す役人達、
    “今”困っている人がいるのに、規則で翌日まで対応しない企業、役所。手続きと書類。
    医者に騙され 金をむしり取られた挙句 溶けちゃったおばあちゃん、
    老いた母が整形手術で手に入れた理想の若い顔が、息子の理想の女性と瓜二つ。
    キツイ キツイ ブラックジョークでしょ?
    好きか嫌いかで言えば、その ぶっとび方が“好き”だが、少々悪趣味かな。
    “鬼才”とはこういう監督のために使うべきなのだろう。

    朝 目覚まし時計が鳴ったら、パン焼きからスーツまで機械が全自動で全部やってくれる、
    という近未来の描き方は星新一を彷彿とさせる。
    また、銃撃戦の中 床磨きマシンが階段を落ちて行くシーンは、
    「戦艦ポショムキン」の乳母車が階段を落ちるシーンをオマージュした
    「アンタッチャブル」のオマージュかと思ったが、アンタッチャブルの方が後年の作品でした。

  • 居心地が悪い。どこにいても何をしていても。
    悪夢のような映画だ。
    のんきな主人公だが、またそこが怖い。
    個人的には苦手な作品だが、これがたまらないという人が多いのもよくわかる。
    デニーロに救われた。

  • 元々スチームパンクが好きなので。無駄なギミックだらけの機械、グネグネと長いダクト、金属の翼、巨大な鎧武者や能面のようなものを被った怪しい動きの人、拘束服、一人乗りの車…ときめくものがいっぱい出てきて観てるだけでニヤニヤします。古臭いと思う人もいるようですが、古臭くて野暮ったいのがいいんです。

    ストーリーも風刺の効いたディストピアもの。主人公の空想と現実が交錯しているのでとっつきにくいと感じる人もいるかもしれないけれど、好きな人は好きということで、カルト映画と呼ばれるのも致し方ない。最初の公開の時はラストが編集されてしまっていたそうですが私は今のラストの方がスッキリしていて好きです。その前で切られてたらテレビの前で「工ーー(´д`)ーーッ」って言ってたと思います。

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