からくりサーカス 全43巻 完結コミックセット (少年サンデーコミックス)

著者 :
  • 小学館
4.44
  • (51)
  • (34)
  • (7)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 226
感想 : 33
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【つべこべ言わずに読んでみなさい!!】

    数ある作品の中で、この作品ほど幾度となく再読し、自身が読んだ漫画の中でもトップ5に入るであろう「からくりサーカス」の書評を書こうと思います。
    絵柄でつまづく人が多くて、敬遠されがちですが、、、決してイロモノではなく、人生で「何度も」読んだほうがイイ漫画であることは保証します!!
    (個人的には、同作者・藤田和日郎の代表作である「うしおととら」よりも素敵です!!)

    大まかなあらすじとしては、「ゾナハ病」という呼吸器系の病気がメインテーマで、その病原体である「自動人形(オートマータ)」と、その自動人形たちを憎み唯一抗う術を持っている「しろがね」達の闘いを描いたストーリーです。

    ただ、単純なバトル漫画では決してないのが「からくりサーカス」。
    そんな「からくりサーカス」の魅力的なポイントについて、(挙げると本当にキリがない気もするのですが、、、)あえて絞るなら下記3つの項目でしょう。

    1.作品そのものの「ストーリー」。
    2.登場人物の「キャラクター」や、発する「台詞」の1つ1つ。
    3.「絵柄」




    1つ目の「ストーリー」について。
    からくりサーカスのストーリーは、ある意味典型的で、勧善懲悪で、「絶望⇒希望」のハッピーエンド形式で、そういった意味でも王道のバトル漫画と言えるでしょう。
    ただ、他の作品と一線を画するのは、「世界観の壮大さ」、「ストーリー自体の複雑さ」、「伏線の回収レベルの高さ」、そして「感動」でしょう。
    言葉にすると些かシンプルですが、この全てをハイレベルで構成できている作品は、中々ないのではないでしょうか?
    また、43巻という対策でありながら、しっかりとまとめられていて蛇足が少ない点も、ストーリー構成力が窺い知れますね。


    2つ目の「キャラクター/台詞」について。
    本ッッッ当にこの漫画は、キャラのクセがスゴイんですよね。
    かなりキザで、だけども粋で、心にグサっと刺さる台詞ばかり。
    それも、メインキャラクター達だけに限らず、脇役やチョイ役や、果てには数コマしか出てこないキャラクターでさえもそういうレベルなんですから、本当に始末に負えません・・・・

    メインキャラ以外で特に大好きなのは、、、
    阿紫花 英良
    ヴィルマ
    ギイ・クリストフ・レッシュ
    ルシール・ベルヌイユ
    ドミートリィ・イワノフ
    シュヴァルツェス・トーア
    ジョージ・ラローシュ・・・・

    自動人形だと、、、、
    パンタローネ
    アルレッキーノ
    コロンビーヌ
    アプ・チャー
    シルベストリ
    ブロム・ブロム・ロー・・・・・

    だいぶ絞ってもこんなにもいるじゃん(笑)
    個人的にはサブキャラでも1巻に出てきたお医者さんとか、勝をいじめていたいじめっ子のボスなど、素敵なキャラで溢れているんよね。
    名言なんて、もっと枚挙に暇がないから割愛。。。


    3つ目の「絵柄」について。
    1番の論点はこの項目ではないでしょうか?
    この絵柄ゆえに敬遠してしまう人は沢山いると思います。
    確かに絵柄のクセが強く、読んでいてしんどくなる気持ちは重々承知します。
    ・・・が、「からくりサーカス」を構成するにあたり、この絵柄以外はあり得ない!!と断言できます。
    (個人的にも確かに初見時は、「暑苦しくて読み辛いな」と敬遠しがちでしたが、今ではもう病み付きになっちゃいました。)
    絶望や希望、迫力、そして感動と共感。これらの演出は、この絵柄抜きには決して不可能だったと思います。


    と、短くまとめるつもりが案の定長文になっちゃいましたが、、、
    「四の五の言わずにまずは読め!!」と言えるレベルの超オススメ漫画です。

    P.S.何より1番スゴイのは、週刊誌でこの作品を書いた藤田先生ですね。恐れ入ります

    • nejidonさん
      きのPさん、こんにちは、はじめまして♪
      お気に入りとフォローをくださり、ありがとうございます!
      どちらのレビューにコメントしようかと悩ん...
      きのPさん、こんにちは、はじめまして♪
      お気に入りとフォローをくださり、ありがとうございます!
      どちらのレビューにコメントしようかと悩んで、こちらにしました。
      ワタクシも全巻持っておりますよ、はい。
      確かに線が多すぎるのと、モチーフそのものが恐怖感をあおる部分もあって、
      苦手なひとはいるかもしれませんね。
      ただストーリーは抜群に良いので、読まないのはもったいないと思います。
      およそ、すべての感情が総動員されて読後は
      ちょっとトリップしてしまいますね・笑
      こちらからもフォローさせていただきますね。
      どうぞよろしくお願いします。
      2019/07/13
    • きのPさん
      nejidonさん
      こちらこそフォロー有難うございます。
      「からくりサーカス」、本当に良い作品ですが、絵柄を受け付けずに断念してしまう人...
      nejidonさん
      こちらこそフォロー有難うございます。
      「からくりサーカス」、本当に良い作品ですが、絵柄を受け付けずに断念してしまう人が多く、悲しい限りです・・・
      何度読んでも泣いてしまうくらい傑作ですよね。

      こちらこそ、これからも宜しくお願い致します。
      2019/07/16
  • コロナ自粛中にkindleにて購入していたものを再読。おもしろい。
    絵柄で判断して避けるのはもったいない。
    練られたストーリーが本当に好きです。

  • 藤田さんはきっと、漫画を描いていて楽しくて(産むのが)苦しくて、でも辞められなくて、そして何より、自分のキャラクターたちをこれでもかと愛しているのだなあと感じます。
    どの巻でも、どのコマでも、どのキャラクターにも、ほとばしる愛を感じます。そして、どこかで完全な悪人なんていない、と思っているのかも、と。
    前半あんなに恐ろしかった「最古の四人」に、後半あんなに心動かされるなんて。コロンビーヌの最後の行動にも泣かされ、(「最古の四人」ではないけれど)フランシーヌの井戸での笑顔にも泣かされ、(しろがねーOだけど)ジョージの戦いにも泣かされ、散々涙を流したけれども、アレルッキーノとパンタローネの最期が。ああもう。これ以上はネタバレになってしまうし、どのみち、彼らの最期を話しても意味がない。43巻という長い道のりを共にすることで、様々なものを背負っているキャラクターたちと歴史を一緒に紡いでいく。その中での彼らの最期に心動かされるのであって、それは決して、そのエッセンスだけを抜き取って「泣ける」ものを創ったわけではないのだから。
    最期を迎えたキャラクターたちは、幸せだったのかな、幸せだったといいな。と心の底から思わせてくれるのは、やっぱり、藤田さんの大きな愛に作品全体が包まれているからでしょう。ルシールも、ギイも、きっとあれで良いのでしょう。
    読み終わったときに、今自分がいる場所が幸福だと思える、この瞬間を大事にしようと思える、そんな力を持った作品だと思います。

  • からくりサーカスは藤田和日郎が描く傑作。
    アニメ版はかなりがっかりな出来栄えなので見る価値はない。


    漫画では最初の3巻までがプロローグでそこからサーカス編とからくり編に分かれる。


    主人公である、斎賀勝、加藤ナルミ、しろがねなど個性豊かなキャラクターたちと謎と陰謀が複雑怪奇に絡み合っており、非常に面白い。

  • 母に勧めたら特徴的な絵に最初は難色をしめしましたが、読み終わったらとてもおもしろかったと大好評。団塊の世代も楽しめるって訳です

  • 中学生のころ地道に単行本を買っていた

    しろがねと鳴海が幸せになるまで長かったなぁ

    思い出補正も大きいけれど大好きな作品の一つ

    ただ、マサルは最初から最後まで好きになれなかった

  • 面白い。設定、キャラクター、全て面白い。ただ、最後のタイムリミットは「うしおととら」と同じパターンなので、緊迫感が出なかった。
    最後の敵との対比はよかった。こういう主人公のかっこよさもあるんだなっと。

  • ふとしたことで、捻くれてしまった弟が兄の気持ちを理解して更生する話

  • 2018年10月からTVアニメが始まったのを機に、原作を再読。本当に名作だと思う。
    物語の積み重なった時間の長さ、地理的な広さ、因縁の深さに加え、様々に絡み合う伏線、少しずつ繋がり解けていく謎など、壮大かつ深いストーリー。
    成長する主人公達や登場人物の生き様を見て、喜び、怒り、悲しみ、楽しみ、そして勇気など、様々な感情がこみ上げてくる。
    TVアニメでは、43巻分の内容を表現し尽くせないと思うので、ぜひ原作もあわせて読むとよいと思う。

  • 死ぬまでに読むべき

全33件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

北海道旭川市出身。1964年生まれ。88年、『連絡船奇譚』(少年サンデー増刊号)でデビュー。少年サンデーに連載された『うしおととら』で91年に第37回小学館漫画賞、77年に第28回星雲賞コミック部門賞受賞。ダイナミックかつスピーディー、個性的ながらエンターテインメントに徹したその作風で、幅広い読者を魅了し続けている。他の代表作に『からくりサーカス』(少年サンデー)がある。

「2007年 『黒博物館 スプリンガルド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藤田和日郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×