- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4527427646537
感想・レビュー・書評
-
食わず嫌いで見てなかったことを後悔。ロードサイド店舗並ぶ幹線道路をラップを響かせて主人公たちが車で走るオープニング、これがすべてを語ってる。この映画は、夢と挫折の物語なんかじゃない。もっと救いようのない日常を極めて巧妙に描き出す。地方都市で生まれ育ち”土地”の呪縛に物理的にも精神的にもがんじがらめにされた日常。そこから外の世界へと接続する媒介こそ、彼らにとってはラップなのだ。彼らに呪縛から自由になれというのは容易い。しかし、それは言葉で表すほどに簡単なことではない。確かに今の時代個人の能力をエンハンスする環境はたくさん整っていて、優秀な人物には成功のチャンスがもたらされるだろう。だが、ここで問題にされているのは優秀な人物でないその他大勢の方なのだ。彼らにチャンスはあるのか見えるのか。そんなチャンスの欠片も見えないからこそ、外の世界との接続を探しつつ、生まれ育った土地に閉塞感と共にとどまり続ける。これは、サイタマだけの話でもラッパーだけの話でもない、普遍的な物語といえると思う。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
深谷シネマにて観賞。
去年も深谷シネマで観ていて、DVDも購入して何度か観ています。
この作品のひとつの特徴として長回しが多いのでカメラと役者の距離が遠く、テレビでは表情の細かいニュアンスが汲み取りきれない箇所があったのですが映画館では良く見えて、映画館で観てなんぼの映画だなーっなんて思いました。
あと音響も映画館の方が良く会話が聞き取りやすかったです。
あとマイティ宅でみひろの裸(以下略 -
すごく、リアルな映画だと思った。
-
ラストシーンでの二人の長いやりとりは映画史に残る名シーンであるとか言ってしまったら言い過ぎだろうか。8mileのエミネムはとってもカッコいいが、どんなにバカにされ白い目で見られボコボコにされても自らの生き方を肯定したこの瞬間の二人の輝きには決して勝てない。
-
若者は夢を持てというが、夢には現実が付きまとう。それから逃げるように武装してみたけど、周りからの冷たいで見られる虚像でしかない、痛い自分。それでも自分には何かやることがあるはず。ラップが好きではなかったけど、ちょっとだけ好きになった作品。
-
埼玉の悲哀をとてもよく表現できている。逃げても逃げても纏わりつく血縁・地縁の呪縛。
エキストラで出ている長澤つぐみ(AV女優)を発見できた自分を褒めたい。みひろに長澤つぐみて、キス我慢選手権じゃないすか。劇団ひとりになりたい。 -
昨年見た『愛のむき出し』に匹敵と言っても過言ではない。
ラストシーンはマジで泣いた。
映画で泣いたなんて『ライフ・イズ・ビューティフル』以来。
俺もラップやってみようかな(笑)
それは冗談としても、間違いなく俺の人生を間違いなく左右させた。
やってやる。
例えそれが、幻想だとしても。 -
クライマックスで、イックが自分の中の本当の思いを見つけて、ぶつけてラップする姿に感動。声をあげて泣きました。
世界平和や外で起こっていることではなく、
自分の中にもぐって本当の思いをライムする。
かっこつけない本当の言葉とは。
市民の会みたいなところでのラップのシーンは初めは爆笑したが、
後半とても切なくなった。
めちゃめちゃいい映画です。
みんなに見てほしい!!