ゼロの焦点(2枚組) [DVD]

監督 : 犬童一心 
出演 : 広末涼子  中谷美紀  木村多江  西島秀俊  鹿賀丈史 
  • 東宝
3.13
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感想 : 177
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104060358

感想・レビュー・書評

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  • 有名な社会派ミステリー。観始めたら止まりませんでした。ある地方で起きた殺人事件が実は、戦後という社会混乱の結果生まれた悲劇だったとしたら…。
    * *
    タイトルは果たしてどういう意味だったんでしょうか?原作を読んでないのでわかりませんが映画版を観た限り、戦後から立ち上がろうとする日本と地位が低かった女性がマイナスからようやくゼロになるところに焦点を当てた物語、と感じました。焦点には虫眼鏡で太陽光を集めると燃え広がる発散という意味もあるそうです。
      ↘️          ↗️
      ➡️・焦点ゼロから発散へ➡️
      ↗️          ↘️
    もしかしたら全然違うかも知れませんが…。

    * *
    社会混乱から起きた悲劇…
    我々が気付かないだけで同じようなことは現代でも起きているのかも知れません。
    それにしても中谷さんの狂気、怖かった…

    2009年制作

  • 時を経て幾度も映像化が繰り返されている松本清張さんの著名な作品『ゼロの焦点』の2009年版広末涼子主演の映画作品。

    戦後の混乱のなかで人々が生きながらえる為に選んだ選択に関して、その後忘れ去っていいものか、それともないことにして先に進むか。『砂の器』しかり松本清張さんの作品では過去とどう向き合うのかについて、私たちは一瞬時を止めて思いを馳せるきっかけを受け取る気がする。

    中谷美紀さんの鬼気迫る演技が印象的。対して、2009年当時薄幸を演じ多用されてきた木村多江さんの脆さや弱さを体現した演技も際立っていたと思う。

    有吉佐和子さんの『非色』でも読んだが、敗戦後の貧困と混乱のなかで、泥水を啜るように米軍兵士に春をひさぎ、生き延びた女性たち。彼女らは「パンパン」と言われ侮蔑の対象だった。女性が技能や知識経験を持たず、自分の心と身体を切り売りすることでしか生きていけない時代。

    そうであった自分を辱めの対象として、自分の過去や記憶から消し去り誇り高く生きる自分でいたかった中谷美紀さん演じる室田佐知子。
    とにかく自分に優しくしてくれる誰かの人肌や存在が欲しかった木村多江演じる田沼久子。この対比がお互いを引き立たせると思う。
    強さと弱さ。しかし双方脆さを抱えている。

    とにもかくにも残念だったのが主演の広末涼子さんとナレーション。稚拙な印象で甘ったるく、役ではなく「広末涼子」を超えていないように受け止めた。職業婦人で当時英語を操れる知的な職業婦人であれば彼女ではなくもっと他にも適任がいたように思えた。

    以前は街角でよく見かけた「救世軍」が途中シーンに入っていて気になり調べてみると、日本では「廃娼運動」で一役をになったとのこと。なるほど。

    残念ながら松本清張さんの作品は未読のままなので、機会があればぜひ読んでみたいところ。松本清張狂の夫曰く、限られた時間で映像化するのはそもそも難しいとのこと笑。

  • 原作もこの映画もずいぶん前に読んだしみたなぁと途中くらいで思った。
    戦争は不幸にならなくてもいい人たちが不幸になる。
    世界はそんなに簡単には変わらない。

  • 『ゼロの焦点』は、幼少から「土曜ワイド劇場」で育ったわたしとしては(どんな子供よ?!苦笑)、なんともいえない懐かしいテイストつつも、時代に翻弄させられた女性の生き方なんかもしっかり背景として描かれていて、どらさんじゃないけど、中谷美紀がとにかく圧倒的な存在感で参りました。ここだけの話、とても同い年とは思えない。木村多恵が、あんなにかすむなんて・・・。

  •  『ゼロの焦点』は,金沢や能登半島が舞台になっているので知っていたのだが,実は,読んだことも見たこともなかったのである。今回,NHKプレミアムシネマで放映してくれたので,じっくり観た。面白いじゃないの。
     見るまでは,むかーし昔の映画だろうと思っていたら,なんと残された妻のヒロイン役は広末涼子だよ。あらま,新しいなあ。
     昔の作品もみてみたいなあ,もっともっと暗く描かれているんだろうなあ。
     戦争の傷跡が人生を左右しているという設定は,そろそろ古くなるんだろうな。それに反比例して,防衛費は増額か…。

    《NHKプレミアムシネマの解説を転載》
     社会派ミステリーの巨匠松本清張の名作を広末涼子・中谷美紀・西島秀俊はじめ豪華キャストで映画化したサスペンス。昭和32年、禎子はお見合いで鵜原憲一と結婚するが、式のあとまもなく、憲一は仕事の引き継ぎで,金沢に向かい行方不明となって
    しまう。夫を捜して旅立った禎子は、憲一のかつての得意先で、社長夫人の室田佐知子と受付の田沼久子という2人の女性に出会う。 時を同じくして不可解な連続殺人事件が発生する…。

  • 原作の雰囲気をうまく現わせている。

  • TVにて
    戦後の混乱期、悲しい事件だ.

  • Amazonプライム視聴

    松本清張原作を読んでみたくなる。

    戦後の混沌とした時代背景が生んだ事件。それがとても悲しい。

  • 戦後から7年目。傷跡を残す男女が、時を経て邂逅する。その結末は…。

    高度成長前の戦後の暗闇がそのまま残っていた時代模様を、再現困難な中で、懸命に画面に出そうとしていた点は良かったと思う。また、中谷美紀の心象風景にマッチする冬の北陸の寒々とした情景も同様だ。
    ただ、禎子の古風な女性像が、広末涼子では…。頑張って演技していたとは思うが、物足りない。夢を奪ったという台詞も違和感が残る。2人で生きる安心を叩き壊したのではないのか?。西島秀俊も爽やかすぎて…。
     それに比して、パンパン上がりの中谷・木村のお芝居は流石にいいなぁと。

  • 映像がよかった。広末、中谷美紀、木村多江の演技もよかったね。西島秀俊は、まさに油がのったかんじ。サスペンスとしてのストーリもよかった。

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著者プロフィール

1960年、東京生まれ。映画監督、CMディレクター、脚本家。監督作品に「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「黄色い涙」「眉山」「のぼうの城」など。脚本作品に「大阪物語」「黄泉がえり」など。

「2016年 『我が名は、カモン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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