ブレードランナー ファイナル・カット [DVD]

監督 : リドリー・スコット 
出演 : ハリソン・フォード  ルトガー・ハウアー  ショーン・ヤング  ダリル・ハンナ  ジョアンナ・キャシディ  ウィリアム・サンダーソン 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.65
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135804358

感想・レビュー・書評

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  • 1982年の作品。
    2019年が舞台、
    レプリカントと呼ばれる人造人間の専門捜査官(ブレードランナー)と、
    人間に反抗したレプリカントとの追走劇を描いたSF映画。

    まずこの映画、
    バージョンが5つもあるらしいけれど、
    ファイナル・カット版でしか観ていない人間の感想ですのであしからず。


    さて、
    冒頭シーンでまず思い浮かべたのは、
    押井守(一度押尾学と入力ミスw)の「攻殻機動隊」と「イノセント」。

    もちろんこちらが元ネタなのは年代的に言うまでもないが、
    「摩天楼が林立する退廃的な近未来」という映像イメージがそっくりである。
    「人間とはなんであるか」というテーマもほぼ同じだ。

    もっというとブレードランナーは、
    メビウスとかエンキ・ビラルの世界観が下敷きとしてある。
    実際メビウスも衣装デザインで参加しているようだし。

    それから、
    世界観を形作る上で重要な役割を占めているのは「雨」だ。
    これはどうやら「酸性雨」らしく、文明社会の否定的な表現だと思われる。

    また、
    「眼」が多く登場するのは、監視・管理の暗喩である。


    そろそろ内容の話(ネタバレあり)。

    人間とレプリカントの関係を行き来しながら、
    「人間とは何か」というテーマを描いているのだけれど、
    こういう手法は上記の攻殻機動隊などでも踏襲されているように、
    今では結構ありふれてしまっている気がする(寄生獣とか典型)。

    まぁ、
    それだけでも俄然面白いし、
    主人公も実はレプリカントかも、
    というオチも秀逸である。

    けれども、
    ぼくが特に面白いなーと思ったのは、
    そこに「神」という問題が絡まってくるところだ。

    アメリカだから、
    もちろんキリスト教的な唯一神である。

    レプリカントにとっての神は、
    タイレル社のタイレル博士なわけだが、
    後半その博士を殺してしまう。

    つまり神殺し。
    神の否定である。

    けれども、
    単純な恨みつらみだけでないのは、
    殺す時のロイ(レプリカントのリーダー)の表情を見れば明らかだ。
    恐怖や悲哀、愛情までもが綯い交ぜになって渦巻いている。

    この場面は非常にグッとくる。

    ちなみに、
    ロイは神の子(キリスト)という扱いになっている。
    手の平に釘を刺すところ(磔の暗喩)で分かる。


    他にも色々思うところがあるけれど、
    また機会があれば書こう。

    こういう作品があることは幸せなことだな。

  • さすがに古色蒼然としている…
    というか、実際この作品がその後のSF界にものすごい影響を与えてるらしいけど。
    リマスターされた映像はすごく美しい。音楽もよい。さすがリドリー・スコット。

    SFというよりは、とても奇麗で不思議なファンタジーだと思った方が正解かも。ファンタジーだと思えば、今見ても新しい。そういう映画です。
    不思議な感じにオリエンタル色を帯びて雑駁な感じのロサンゼルスの街は、幻想的という他はないです。

    短い寿命の中で、必死に生きようと足掻くレプリカント達が悲しい。
    ハリソン・フォードにはあんまり色気を感じないんだけど、レイチェルに"Say 'Kiss me', (Say) 'I want you' " と言うシーンは良かった。私も言いそうになった(…バカか?)

  • 2019年。2年前の出来事。

    近未来の風景が素晴らしい。高層ビル、雑然とした街中、部屋の中は意外と普通。怪しい日本語が何か所も出てきて、勢いのあった当時の日本が偲ばれる。

  • 話はもちろん、世界観やセット全てに魅了された。

    僕の大好きな「12モンキーズ」「攻殻機動隊」「未来世紀ブラジル」もこの世界観に通じているのでこれらが好きな方にはオススメです

    それと自分は懐古主義では無いと思っているのですが、CGで何でも処理しちゃう映画よりも、設定や細かなアイテムや街の表現に魅力を感じました。

  • むちゃくちゃかっこいい。監督リドリー・スコットは新宿歌舞伎町にヒントを受けてフィリップ・K・ディックの原作『アンドロイドは電子羊の夢を見るか?』を大幅アップデート。死の灰によって静寂と荒廃の世界と化した背景を一点、『ニューロマンサー』を先取りして猥雑で混沌とした近未来、サイバーパンクの世界を創り上げた。80年代に想像された2019年の世界は現代の目からすれば近未来さと古臭さが同居しており、さながらレトロ・モダン的と言ってもいいかも。タイレル社で飼われている電子フクロウは自分も欲しい。

  • SF映画史の金字塔的作品。人間とは何か?私はどこからきたのか?どうして死を恐れるのか?鑑賞後も哲学的な問いを突き付ける。演出や映像もストーリーの雰囲気と非常に合っていて、醜さと美しさが同居したようなつくりである。劇場公開版に比べると多様な解釈が許されているので、人によって見方は異なるだろう。傑作である。

  • 2019年11月のLAという物語の舞台が、完璧に表現されている。再編集されているとしても、25年前の作品だとは思えない完成度の高さ。あれだけの情報を2時間に詰め込めるとは。映画っていいものだなあと心底思った。レプリカントたちの最後がほんとうに哀しい。

    余談。このバージョンでは「二個で十分なもの」がなにかわかりません。

  • 常に死を意識して「生きたい、生きたい」と、もがくレプリカントの姿を見るとキュンとなる。
    人間は、レプリカントより少し時間があるから自分なりの答えを見つけてるのか、それとも生き慣れて「生」の感覚が麻痺してるのか、分からないけど、死の直前までは落ち着いてるね。

  • [The BladeRunner 2007アメリカ]
    BSプレミアムにて 10:00-11:59 放送分を11時から観る(ぐはぁ)。
    ファイナルカット版だそうな。

    82年公開版より、92年に観たディレクターズ・カット版に近い編集だなぁ…と思いました。
    何度観ても見入っちゃうなぁ……。。

  • tears in rain

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