カッコーの巣の上で [DVD]

監督 : ミロス・フォアマン 
出演 : ジャック・ニコルソン  ルイーズ・フレッチャー  ディーン・R・ブルックス 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
4.05
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本棚登録 : 1590
感想 : 241
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135804884

感想・レビュー・書評

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  • パッケージには、予想外の結末が・・・と書いてあった。
    一回電気浴びせられてフラフラになっておかしくなったふりをしたときからフラグ立ててて、クライマックスのシーンはやっぱなって感じだった。でも予想外とはこういうことか言う感じで、チーフが一緒に連れて行ってやるからと言って彼を殺したのはかなり意表を突かれた。

    ~~13.11.1 追記~~
    午前10時の映画祭@錦糸町。スクリーンで見なおした感想を書いておく。
    アメリカン・ニューシネマに分類される、町山智浩さん曰く「成長のない」映画。(詳しくはwikiで)

    ・親父との比較。チーフの親父が大きな男から酒浸りで、殺されたじゃなくて自然に始末された。マクマーフィも同じ流れってことに気づいた。

    ・ビリーが自殺に追いやられてマクマーフィがキレるまでが、改めて見るとこんなにもあっさりしてたのかとビックリ。もっと長かった気がしたけど、十分にマクマーフィの心情が描かれてるなーと思った。

    ・よく考えたらカッコーて托卵する鳥。その巣の上でってどういう意味だろ?と思って原題を見たら「One Flew Over the Cuckoo's Nest」だった。上じゃない。「カッコーの巣を飛び越えて」って感じかな?
    「カッコウはマクマーフィー、巣立ったのはチーフ、カッコウの巣は精神病棟あるいは院長ラチェッドと言う構図」というレビューを読んだ。なるほど。まぁカッコーの巣=他の鳥の巣て考えるとこの説明がしっくりくるな。

    ・恐らく頭の傷跡はロボトミー手術の跡。チーフと抱き合ったときにマクマーフィ頭が見えるショットがあった。

    ・夜パーティをして、ビリーと女を部屋に閉じ込めたときにマクマーフィ1人のショットが随分長かった。恐らく、これから外に出られることへの期待と、ビリーのことを考えてたんだろうな。この後寝過ごすけど。

  •  ほんと、shiningに続き、ジャック・ニコルソンってちょっとイっちゃってる人演じさせたら最高です。


     狂ってると、そうじゃない、の境界って、ほんと曖昧なんだなと思う。


     自分の正当性を無慈悲に突きつける看護婦然り、

     友をかばいその看護婦に向かう主人公然り、
     (その時の演技、とてつもない。)

     
     「そんな姿で残してはいけない」と友を思いやり行動に出るチーフ然り。


     それぞれが、狂おしいほど一途な気持ちをまっすぐにぶつけていく。


     でも勝つのは社会であるというむごたらしい現実が、痛い。

     自分が「教員」として「社会」を押し付ける立場にいるから余計に。

     何が正しくて、何が正しくないかを流動的に判断できるよう、
    自分の軸をぶらさずにいきたいものだけれど、


     そこに必要な「共感」という立場に対する弱者たちの生きづらさ。

     見ていてとても苦しかった。

     苦しいという言葉でしかまとめられない自分が苦しい。


     本物の患者を採用して望んだ映画。

     後にも先にも、こんな傑作生まれるんだろうかと思ってしまった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ちょっとイっちゃってる人」
      俳優さんって観察力が凄いから出来るんだと思うけど、ホント怖いくらいですよね。「12モンキーズ」のブラッド・ピッ...
      「ちょっとイっちゃってる人」
      俳優さんって観察力が凄いから出来るんだと思うけど、ホント怖いくらいですよね。「12モンキーズ」のブラッド・ピットや「レオン」のゲイリー・オールドマンもゾクゾクしました。
      この話を映画化する際にフォアマンが、演出意図をどんな風に話したのかが気になります。。。
      2012/10/23
    • noireさん
      nyancomaruさん>こちらもコメント有難うございます。「レオン」のゲイリー・オールドマンさんについてはとても同意しますw「12モンキー...
      nyancomaruさん>こちらもコメント有難うございます。「レオン」のゲイリー・オールドマンさんについてはとても同意しますw「12モンキーズ」は中学か小学校の時に映画館で観たきりで、当時は全然分かってなかったw今度DVDでチェックしてみます★ありがとうございます。
      2012/10/23
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      追記
      それから「ダークナイト」のヒース・レジャー(奇しくもジャック・ニコルソンと同じジョーカー役)。鬼気迫るものがありました!
      追記
      それから「ダークナイト」のヒース・レジャー(奇しくもジャック・ニコルソンと同じジョーカー役)。鬼気迫るものがありました!
      2012/10/31
  • 名作として名高い1本ですので
    前々から見ようと思いつつ、今頃になってしまいましたが
    内容は殆ど知らぬまま・・ただ「精神病院から脱走をしようとするも」程度のことしか把握せずに見始めました。

    最初はジャックニコルソン演じる主人公の人間性に感情移入できず、
    どの視点で見て良いのか戸惑いました。
    次第に、はちゃめちゃながらも「いいヤツ」な主人公を応援する気持ちになるのですが
    精神病患者への接し方は果たして何が正解なのか分かりませんから
    冷酷で不条理に見える婦長も、「実はいいヤツ」なのかなあと思いつつ・・
    結局は、「やっぱり酷い人」ってことで良かったんでしょうか。
    ラスト、やけに愛想良くニコニコしていたのは
    主人公に、溜飲が下がる処置が下されたから、なのでしょうか。
    ラストまで見て、「ああそう言えばロボトミー手術と言えばこの映画が話題になる」と思い出しました。
    精神病とは診断がつかない、と言われている患者に対して
    刑罰の様に行われる電気ショック治療、そしてロボトミー手術。
    「当時の恐ろしさ」を表すための映画だとしたら、本当に効果絶大です。
    それまでの愉快だったり痛快だったりするシーンとの対比がスゴイ。

    この映画における、ネイティブアメリカンのチーフ的存在に、とても弱いです。
    例えば、「ゆりかごを揺らす手」の、ソロモンみたいな。
    チーフに幸あれと願わずにいられませんでした。

  • ★★★★★ずーっと見たつもりでいた映画。
    簡潔に振り返るために、私が捉えたキーになる視点を3つ掲げます。
    ①あの精神病院は、鍵がないから本来自由に外にでらる(婦長は、「患者の多くが自ら望んでそこに留まることを望んでいる」と言っていたが、そうさせられた痕跡も見られる。)

    ②主人公のジャック・ニコルソンの振る舞いは、あの一見穏やかに見える婦長にコントロールされた人々の閉じ込められた世界観が、窮屈でならなかったことに起因している。

    ③ラストシーン、重たい水道設備を持ち上げて病院からの脱走を試みた大柄な、(インディアンの末裔の男)が、映画の中程で.主人公のジャック・ニコルソンがお前は大きいなぁといったのに対して言った「あんたこそ本当に内側に大きなものをもった男だ」と言うシーン。

    おそらく、監督は”我々の社会もこの病院と同じようになにかコントロールされている”がそれに気がついている人は少なく、鍵もないし、囲いもない、それどころか、食べるものも、稼ぐことも自由な社会に生きていると思っている(思わされている)
    でも、人生という自分の生き甲斐なるものを、追求することを放棄させられた不自由な社会を自分たちが、作り上げ、それに奔走している姿を”病院の中の穏やかな日常'として描いている。

    ・婦長は =(自分の都合の良い世界を造ることに取り憑かれた)為政者 ・病院の患者たち=(危うい)価値観に陥る宿命を持つ人類 ・ジャック・ニコルソン=(歴史上)時々、所々で現れるリーダー
    こんなことを、この精神病院を舞台にして描いていたのではないだろうか?

  • 私ずっとインディアンは嘘つかないと思ってた。やばい。

  • 精神病棟(英語でカッコーの巣、と表現するらしい)を舞台にした映画。

    売春罪で刑に服すことを避けるために精神疾患があると偽って、主人公マクマーフィは入院してくる。
    カッコーの巣には完全異質な存在として入ってきた主人公だが、
    そこにはもう一人精神疾患を偽る大男、チーフがいた。

    病気を偽り、大酒飲みだし、女遊びはする。
    とても聖人から程遠い生き様を見せるマクマーフィだが、
    何よりも面倒見がよく、自由への貪欲な渇望心が誰よりも強い。
    精神病棟という閉じた世界の仲間達は、当然彼に影響され、
    現状に疑問を持ち、自らを省み、問うことを始める。

    思考の機会を奪ったのは、治療者だったのかもしれない。
    それはこの映画のラストシーンを見て確信に変わった。

  • ヒューマン系は薄暗くて観るのをためらってしまうんですけど、一度観ると続きが気になってしまうほど面白いかったです。
    アメリカは今でも”看護婦長ラチェット”のままなんでしょうか?

  • 非情に素晴らしい映画だと思う。

    マクマーフィーの明るさと人間思いな部分には多くの人が好感を持つと思うが、なぜかそれが行き過ぎてしまい、やっかいものになってしまう。
    自分の気持ちのコントロールを少しでも彼にできれば、一般社会でもやっていけたのに。

    精神病棟という暗いイメージの場所に、彼の明るさが入って、明るい気分でみれる映画だった。釣りにも行く、バスケットもする、酒飲みだってする。
    無茶がたくさんあるが、そのたびに患者の顔が明るくなるのがいい。
    チーフの笑顔も良い。

    最後のシーンは、心が痛い。
    ただ、精神病棟を飛び出すチーフの姿が、解放感を残してくれた。

  • 悲しかったけど、なんなんだろう。。。。
    正常者なのに、病院の都合の良い手術でおとなしくさせる電気けいれん療法が使われていた。
    やりきれないぐらい印象に残る映画である。

  • 痛快なヒーロー作と思わせておいて、そうは問屋が卸さないとばかりの終幕を迎えます。パーマンみたいなものでしょうか。

    それはアレとして、1975~6年当時、英米を席巻したこの映画は名だたる賞も総なめとのことで、出演者全員の演技すべてが白眉。監督の「第一にリアル、そして次にユーモアを」という言葉を再現した力作だと思います。

    原作は50年代のビート族、ひいてはヒッピー族にも多大な影響を与えた作品ですが、時代が進むに連れて顕在化する管理社会、人間の尊厳、自主性をテーマに添えての映画化のように思いました。この中での主人公演じるジャック・ニコルソンは反社会性に満ちたヒーローですが、残酷な現実に打ちひしがれていく様は、まさに原作の時代に謳歌していたビートやヒッピーが迎えた終焉と近いものがあります。ただの痛快劇で終わらないところに、思索の予知あり、という感じがしました。

    ちょい役で出る黒人の方、どこかで見たことがあると思ったら、80年「シャイニング」に出演するスキャットマン・クローザーズでした。ここでもジャック・ニコルソンと共演しているんですね。

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