硫黄島からの手紙 [DVD]

監督 : クリント・イーストウッド 
出演 : 渡辺謙  二宮和也  伊原剛志  加瀬亮  中村獅童  裕木奈江 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135803894

感想・レビュー・書評

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  • なんで今頃「硫黄島からの手紙」なのかとは思います。まもなく終戦記念日が近く太平洋戦争を考えてみたくなったからなのでしょう。若い頃は遥か昔の戦争という認識でしたが、私が生まれたのは終戦後からたった14年後。今の年齢から考えれば少しだけ昔のことです。観賞後に感じたことは、当たり前だけど戦争はあってはいけないこと。本当に当たり前ですが。戦後75年、ドンドンと昔々の出来事になります。作品からは戦争の悲惨さが伝わってきます。蛇足ですが、私の父方のおじさんは神風特攻隊の一員として昭和20年1月9日に戦死しています。当時20歳。なんと鹿屋航空基地資料館に遺書が残っていました。文中で私の父のことにも触れていました。そういう身内から感じる戦争実感は、のちの世代からは消えていくのでしょうね。戦争は悲惨です。それを実感。

  • いつの時代も、
    早くから世界を知り、
    俯瞰できる能力が高い人間は、
    正しく人間を守ることができる。

    しかし、盲目的に闘った軍人たちが、
    愚かだったわけでもなく、
    信じるもののために突進したり、
    おかしいと思ってもどうしようもなかったり、
    翻弄されていただけだ。



    独特の枯れた色合いに、
    時々色が刺す。
    エモーショナルなものが動く時に、
    ちらりと人間らしさが差し込むように。
    この画面の作り方は新鮮だった。

  • フランス人のひとと一緒に観ました。
    対になっている「父親たちの星条旗」よりは、こちらの方が「人間」が描かれている、とはそのフランス人さんの感想。
    クリント・イーストウッド監督なので、厳密にはハリウッド映画なのだろうけれど、作りとしては邦画だと思います。
    何度か、ヨーロッパ圏のひとたちに、「なぜ、(戦場において)日本人は大事な命をすぐに粗末にするのか」と聞かれたことがあって、上手く説明できないでいたのだけれど、この映画は、そういった日本人にしか分からない日本人独特の価値観を、出来るだけ日本人らしく、でも欧米人にも理解できるように作ったものなのかな、と思いました。
    真っ暗な洞窟の中で「万歳!」と叫んで死んで行く兵士たちの映像は、夢でみるくらいに凄惨で救いようがなかった。
    どこかで、二宮和也の役はあまりにも現代人すぎる、と読みましたが、逆にそれが狙いだったんじゃないかと思います。日本人ではないひとたちは、二宮くんの役を通して、あの場を疑似体験出来たんじゃないかと。
    加瀬亮が。たまらなく切ない役でした。怯えた顔も、一縷の望みにすがりつく顔も、最期の顔までも、他のどの役者をおいても記憶に残る演技でした。

    • みっこさんさん
      二宮くんの演技にはどうかと思いましたが、狙いに関しては大変共感です!現代と過去はつながっているから良しです。
      外国の方と見れるなんて幸せです...
      二宮くんの演技にはどうかと思いましたが、狙いに関しては大変共感です!現代と過去はつながっているから良しです。
      外国の方と見れるなんて幸せですね。その二作品を見たのも人間が描かれているのも、とても理解できます。
      2020/08/25
  • 当時の日本の異常な「お国の為に精神」をまざまざと感じられた。
    渡辺謙が、アメリカに住んでいたこともあり合理的な指令を出す中将の役にしっくりはまっていた。これは渡辺謙流石、と言ったところ。中村獅童もあの憎まれ役を体当たりで演じていて素晴らしかった。途中で自戒した伊原さんも。残念だったのは二宮が童顔すぎて、妻子持ちの兵士ぽくなかったのと、どうも彼は現代っ子ぽさがあって時代に馴染んでなかった。
    今では考えられないような上司からの体罰が当たり前に行われており、人か毎日次々と死んで行くのには心が痛んだ。現代に作られた戦争ものらしく、アメリカ軍を良くも悪くも両面で描いている。
    クリントイーストウッド監督でよく宣伝していたから、期待しすぎたのもあったかもしれないけど、最後が何となくメッセージ性が分からないままでしっくりこなかった。

  • 戦況が悪化の一途をたどる1944年6月、日本軍の
    最重要拠点である硫黄島に新たな指揮官、栗林忠道中将が
    降り立った。
    硫黄の臭気が立ち込め、食べ物も飲み水も満足にない
    過酷な灼熱の島で掘り進められる地下要塞。
    このトンネルこそが、圧倒的なアメリカの兵力を迎え撃つ
    栗林の秘策だった。
    最後の最後まで生き延びて、本土にいる家族のために
    一日でも長く島を守り抜け―。
    「死ぬな」と命じる栗林の指揮のもと、5日で終わると
    思われた硫黄島の戦いは36日間にも及ぶ歴史的な激戦となる。
    61年ぶりに届く彼らからの手紙。
    そのひとりひとりの素顔から、硫黄島の心が明かされて行く…。



    戦争映画は今まで何作か見てきましたが、この作品の
    栗林忠道中将は少し変わった人物でした。
    戦争が始まる前はアメリカに渡っており、アメリカ人の友達も
    多数いるからです。
    友達に銃口をむけなければならない彼の心中を思うと涙が
    でます。
    穏やかだけれど芯の強い栗林忠道中将役をしていた
    渡辺謙さんの演技は素晴らしかったです。

    また、 二宮和也さんの演技も非常に良かったです。
    最後に栗林忠道中将が撃たれた時、声をあげずに前を向いたまま
    涙を流すシーンがあるのですが、悲しみや絶望がひしひしと
    伝わってきました。


    今でもまだ硫黄島にはたくさんの兵士たちの骨が埋まっています。
    魂になってからしか本土に帰れなかった彼らに
    今の日本は、世界は、どう映っているのでしょうか。

  • 序盤、ところどころ演技が不自然に感じました。台詞が聞き取りづらく、画も見づらいです。

  • 出てくるのも日本俳優メインだし、てっきり邦画かと思った。監督・イーストウッドを見て『えっ⁉』って感じ。そう言われてみれば、日本人が撮ったらもう少し違った風になるかな、みたいなシーンもちらほらあった気が。史実に基づくフィクションとはいえ、何ともやりきれない。

  • いや~、良かった。このシナリオをクリント・イーストウッドはどうやって書いたのだろうか?それくらい、ハリウッド映画ではなく邦画然としていたし、台詞周りもおかしなところをまったく感じませんでした。
    そして、何よりも「人間」への視線、描き方がとても丁寧に練られていて、「アメリカ人が日本軍人の生き様を描いた映画」という所は微塵も感じられず、ただただ驚嘆させられました。ともすれば、「愛国心とは?」という問いの臭いを強く感じさせられるイーストウッド映画ですが、これは日本人が観ても素直に観賞できるものだと思います。
    玉砕した、という痛ましい物語としてしか知らなかった自分が残念になりました。補給も断たれ全滅しかない道の上で、あそこまで真に理知的に戦い、最後まで生きることを諦めさせなかった指揮官がいたことを知ることができました。それだけにラストシーンの無念さに胸が苦しくなりました。この役にして渡辺謙の全てを使い切ろうとするイーストウッドの執念すら感じました。

  • ウクライナ危機が起きて、世界の秩序が揺らいでいる現在だからこそ重みが増している。日米が過去に対戦した事実、戦争を経た心理描写、敵味方ない親の愛、エゴ。戦争体験者が減る現在、丁寧な心理描写を含む本映画は大切に残るべき。

  • これはアメリカ映画だったのだな。その割に日本を貶めるようなところがない。日本人的な感情もうまく描写できている。ただ、戦場のシーンが多くて観ていてつらくなってくる。

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