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- / ISBN・EAN: 4988135803474
感想・レビュー・書評
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続編もいいってなかなかないけど、これも好きだな。
前作は、ウィーンでたまたま出会った若い頃のジェシー(イーサン・ホーク)とセリーヌ(ジュリー・デルピー)が、日が昇り、ジェシーが空港に向かうまでの時間、街を散策する。そして楽しく会話する。そして別れがたくなり、半年後の再会を約束する。
本作ではそれから9年が経っている。そして本作の製作まで実際に9年が経っている。
(そして自分はすっかり2人のファンになっている。)
ジェシーは上の出来事を小説として出版し、パリのシェイクスピア&カンパニー書店(!)でトークしに来ているところ。そこへふらりと姿を現したセリーヌ。
ジェシーはまたもや、イベント後じきに空港に向かわなければならない。それまでの短い時間を、2人はこんどはパリを遊歩しながら過ごす。そして9年の隔たりが嘘みたいに、あの楽しげな会話が戻ってくる。
ただし、こんどは現実の話をするために。
2人は再会できなかったことをそれぞれに悔いている。いまやジェシーは結婚していて4歳になる息子が1人いる。セリーヌは環境問題に関係する仕事をしていて、報道写真家の恋人がいる。
2人は時を惜しむように喋りまくるが、「あの日」を理想化しすぎているあまり、それを茶化し、隠すためでもあるというのが、だんだんと見え隠れしはじめるーー
そのやりとりとか相槌がものすごく自然でリアルで、うっかりすると作品内に飲み込まれそうになる。
あまりに楽しそうだから、会話に加わりたくさえなり、あげくのはてには、あなたたちは今すぐに恋人どうしになるべきだよと、おせっかいな忠告さえしたくなる(笑)
今回は脚本に、主演のイーサン・ホークとジュリー・デルピーも関わっていて、セリフが2人によって入念に準備されたものだと知って、信じられない思いでいる。
なにせ、10分近くワンカットで喋りつづけたりするし。
是枝裕和的に、半ドキュメンタリーっぽく作られたものとばかり思っていた。職人の仕事を目撃した。
なんだか、次の続編を観るのがもったいなく思えてきた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジェシーが出版会見をおこなうのはパリ5区、セーヌ河岸に近い書店「シェイクスピア・アンド・カンパニー」。この店は第二次大戦後にアメリカ人シルビア・ピーチが開いた伝説の書店(ヘミングウェイやフィッツジェラルドがたむろした)の名を、1951年に引き継いだ店です。以降60年代にはビートニク詩人たちの拠点となった場所で、書店は「コミュニストのユートピア」と呼ばれ、求める者はだれでも(ただし作家を目指す者のみ)店に泊めることでも知られています。開店以来4万人以上がこの店に寝泊まり、暮らし、店を手伝い、1日1冊の本を読むことをオーナーのジョージに義務付けられたといいます。アメリカ人のジェシーにとっては特別な場所。そこでかつて愛したセリーヌと再会。ふたりが一緒にいられる時間はわずかでした。ふたりが乗る観光船(バトームーシュ)からノートルダム寺院を眺めるシーンがありますが、この寺院の河をはさんだ対岸に、シェークスピア書店はあります。
「ル・ピュア・カフェ」はシェークスピア書店から約2kmの距離にあります。のんびりパリ散歩を楽しむのもいいですね。 -
再会を約束し、別れた二人の物語。
約束の日より年月を経てから、たまたま出会った二人。
ワルツ、素敵だったな。 -
前作での出会いは現実にはないようなロマンチックなものだったけど、9年後はお互いそれぞれの人生を歩んでた。
けど、あの時もし再会していたら、どうなってたんだろう。
忘れられない人と過ごした自分と、現実を生きている自分。切ないけど、リアル。
続きが気になる。
小さなことに感動してしまって、いちいち思い出して、懐かしくなったり悲しくなったり、
皆みたいにすぐに忘れられなくて、気持ちを切り替えることもできなくて。
特別な人は特別なまま。 -
DVD
あれから9年が経ち、落ち着いてしまった2人の再開。
もしかするとサンライズよりも好きかも。思わせぶりなラストが良い。そして相変わらずエンドクレジットの音楽が良い。
平日の夕食後に観たい映画。 -
“思い出の幻想ではない 両方の瞬間を同時に生きているんだ
一瞬にして人生は重なり 時はまやかしだと知る
どの瞬間もまた別の瞬間を含んでいて 同時に存在する” -
いやー・・・これはやばい・・・
リンクレイターはん・・・あんた・・・なんちゅうもんを作ってくれたんや・・・
なんちゅうもんを・・・
前作のエンディングもよかったけど・・・
まさかラストでニーナ・シモンを持ってくるとは・・・
これがこの映画のキモやで・・・
ニーナ・シモンこそ真のパンクとする考え方があって
これは音楽好きの人だとわかってもらえると思うんだけど
かのイアン・マッケイ氏も星野源ちゃんもニーナ好きだったりします。
この映画は彼女が亡くなった次の年の公開でして
晩年はフランスに移住しています。
そんな彼女の歌う"Just in Time"
『ようやく、あなたが私を見つけてくれた
今やっと
あなたが来るまで、私の人生は終わりかけてた
自分を見失って、何をやっても裏目に出て
架け橋はどれも通れず、どこへも行けず
でもあなたが来て、私の行く場所がたった今わかったの
恐れも疑いもなく、私の生きる道が見つかった
なぜなら恋がやっと訪れたから
ようやく、あなたが私を見つけてくれた
そして孤独な夜を変えてくれた
幸せな日々へと、たった今』
他のニーナ・シモンの曲として、ジム・ジャームッシュのにも使われてた
I put a spell on youのカバー
http://www.youtube.com/watch?v=cgzbayMqCrw
そしてAin't Got No/I Got Life(ミュージカル『ヘアー』の曲のカバー)
http://www.youtube.com/watch?v=apdmD-5rFjQ
涙が出ます。
(この曲は飯島愛さんが亡くなった時に町山さんも紹介されてましたね)
映画の内容について。
前作は105分のちゃんとした恋愛映画ですが
今作は80分と短い時間で、日没までがリアルタイムで流れて行きます。
20代だったふたりが30代になって
特にセリーヌがおばさん化していくところが素晴らしい。
若い時は『ビフォア・サンライズ』を観ると良いし、
30過ぎてからこの『ビフォア・サンセット』を観ると本当に面白い。
若いうちはわからなくても、きっとわかる日が来ると思う。
元カレ元カノと再会したり、遠距離恋愛したことある人は特に。
この作品は、ただしゃべるだけの映画なので
セリフ/脚本が面白くないと全く成立しないのだけど
主演のふたりが脚本も考えたそうで。
作品とともに歳をとっていっているので
ふたりの実生活や考え方の変化も投影されてると思います。
来年公開の『ビフォア・ミッドナイト』も楽しみ。 -
ウィーンでの出会いから9年後、二人がパリで再会。二人でパリの街を歩きながらこれまでのこと、あの時のこと、いろんな話をする…。
ビフォアサンライズと同じ、あまりにも自然な描写で作品として撮っているんじゃなくて、ドキュメンタリーなのでは?と思ってしまうほど。ジェシーとセリーヌの会話はいろんな方向にとんで、物語であることを忘れてしまう。
9年という月日は人をこんなにも大人にするんだと、ちょっと切なくなってしまった…。リアリティは前作よりもぐんと増して、人生の深みを描いているのはこちらなんだろうなぁと思うけど、私は前作のほうが好きかな。
リアルすぎてちょっと痛かった…(>_<)
二人の会話のやりとり、とっても好き。
もう少し年齢を重ねてから観たら、また印象が変わるかもしれないなと思う作品。
パリの街並みがとてもきれい。散歩好きな方にもおすすめな作品。