2001年宇宙の旅 [DVD]

監督 : スタンリー・キューブリック 
出演 : キア・デュリア  ゲイリー・ロックウッド  ウィリアム・シルヴェスター  ダニエル・リクター 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.81
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感想 : 189
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135804860

感想・レビュー・書評

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  • 2001: A Space Odyssey(1968年、米)。
    これを超えるSF映画を、自分が生きている間に観ることができるだろうか?
    謎の物体「モノリス」に導かれて木星へ旅立った宇宙飛行士の運命を、サスペンスフルに描いたSF映画である。監督は鬼才スタンリー・キューブリック、脚本はSFの巨匠アーサー・C・クラーク。SFファンなら必見の作品である。

    何よりもまず映像が驚異的だ。現代でも全く古びていないどころか、近年のSF映画と比べてもはるかに斬新である。理由は少なくとも3つあると考える。

    1)科学的考証の正確さ。
    NASAが全面協力したという。IBMも途中まで協力している(後述)。
    2)卓越したデザイン感覚。
    惑星の配置、宇宙船の曲線美、赤と白の対比などに、絵画的な美しさが感じられる。元カメラマンという監督の経歴が関係しているのかもしれない。
    3)ユニークな撮影技術。
    宇宙空間らしさを表現するため、カメラの露光時間を極端に長くし、1秒の動画の撮影に4時間かけるという、常軌を逸した撮影方法を採用したらしい。

    個々のシーンでは、ヒトザルが投げた骨が宇宙船に切り替わるモンタージュが有名。人類史を一瞬で俯瞰する「映像的比喩のお手本」として名高い。個人的には『美しく青きドナウ』の旋律とともに、優雅に回転する宇宙ステーションが好きで、何度も繰り返して見た。

    登場人物としては、宇宙船に搭載された人工知能HAL9000(通称ハル)が重要だ。木星探査計画を確実に遂行するためにクルーを皆殺しにしようとした、ちょっと危険なコンピュータである。最終的には、生き残ったクルーがハルの高次中枢回路を切断して機能停止させるのだが、そこに至るまでの緊張感が凄い。〈思考〉を唯一の存在価値とする者の思考中枢を破壊するという行為。血は一滴も流れなくとも、これは確かに殺人行為なのだ。ある意味では、フィジカルな殺人より残酷かもしれない。殺さなければ殺される状況での正当防衛なのに、どうしても人間の方が悪役にみえてしまう。映画制作に協力していたIBMは、この筋書きを知って『2001』から手を引いたという。コンピュータ会社としては無理もない話だ。

    終盤の20分はエキセントリックな映像の嵐で、膨大なイメージの奔流にめまいを感じたのを覚えている。一方、言語的情報はゼロである。「説明を聞くな、見て感じろ」ということらしい。たしかに脳の普段使っていない部分を使ったような気がする。ラストの『ツァラトゥストラ』を聴きながら、「もしかしたらこの映画自体が、知的進化を促すモノリスなのかもしれない」とふと思った。

  • 「時計じかけのオレンジ」「シャイニング」やら好きだけど、今まで見るのをためらっていた映画。

    なんだけど、小説の「ANK:amirroring ape」を読んで
    「やっぱり見たい!」と思って見てしまった。

    すごい!の一言。
    キューブリックって天才だわ!
    やっぱり好きだわ。

    CGとかない時代にあの映像!
    そしてあの映像の美しさ!
    そして未来を見通したかのようなストーリー!
    また、インテリアがめちゃくちゃかっこいい!
    オリヴィエ・ムングの椅子
    ミッドセンチュリー感がステキすぎ!

    難解な映画と聞いていたからビビってたけど
    いや、私、すごく好きな映画だわ。
    ストーリーも素晴らしい!!

    キューブリック的進化論
    人口知能VS人間
    そして石板によって進化したのは…

    あ~もう!
    映画「キューブリックに愛された男」やら
    映画「キューブリックに魅せられた男」やら
    見に行く!!

  • ★5をつけています。
    映画史に残るすごい作品との触れ込みで観てみましたけど、観てみるとわかりました。
    観てもわからないよという人も多いかもしれませんが、アポロ11号が月面着陸を成したのは1969年7月20日でこの映画の公開が1968年4月6日です。
    月に降り立った歴史がない状態で宇宙における振る舞いを描いている事と、その正確性がすごい。作品としてのストーリーも面白いし映像美がすごい。
    アレクサがある今なら、ハルの存在に違和感を覚えないと思いますが今から50年前にハルの存在を描いていたことと、現在の人工知能にほとんど差異がないように感じるその予見性に驚きです。
    作中、常にクラシックが流れていますがこれがまたとんでもない効果で観ている人間を不安にしてくれます。
    これはなんだ?この後、どうなるんだ?という不安感が人を惹きつけることを完全にわかってやっているのだと思います。
    観終わった後の高揚感がすごいです。

  • 一般的に「難解」と言われているこの作品。
    この映画は3部構成になっているんだけど、
    実際に難解なのは第3部だけなんですよね。

    小学生か中学生の頃、深夜にチャンネルを変えたらやってたので
    たまたま観てしまって。
    それで、観始めたのが第2部の途中~第3部からだったのです。
    あの、ぶわーっとワープするシーン~ラスト。
    わけがわからーん!となりましたが当たり前。

    その後、大人になってDVDで観たんだけど
    なぜかディスクが途中で止まってしまって第1部しか観れず。
    で、何回観てもぐっすり熟睡できてしまう映画。

    そんな感じで断片的にしか観てなかったのだけど、
    BSで放映されるということでワクワクしてたのに・・・
    また冒頭観逃してしまって断片的に・・・
    冒頭は覚えてるから別に良いんだけど。

    第2部はHAL9000の話がメインで、この部分はサスペンス。
    HALはかわいらしくもあるけど超怖いっす。
    キューブリックはクリーンで無機質な画を撮る人だけど、
    これがものすごく良い方向に効いてます。


    話は戻りますが、「難解」と言われてますがそうでもないのです。
    「プロメテウスの火」の話ですよね、これ。

    “プロメーテウスはゼウスの命令に背きながらも、人類が幸せになると信じて火を与えた。人類は火を基盤とした文明や技術など多くの恩恵を受けたが、同時にゼウスの予言通り、その火を使って武器を作り戦争を始めるに至った。現在に至るまで、火は人類の進化や文明の発達に大きな役割を果たしているが、ひとつ間違えれば、すべてを焼き尽くす恐ろしい火になってしまう。
    このことからプロメテウスの火とは、原子力など、人間の力では制御できないほど強大でリスクの大きい科学技術の暗喩としてしばしば用いられる。”(ウィキペディアより引用)

    「プロメテウスの火」+タイトルにもなってる「オデュッセイア」。
    簡単に言うと未来の神話で、人類の進化の話。
    進化の先がHAL9000=AIだったり、スターチャイルドだったりするわけです。

    こういう話は今なら他にいくつもありますが、
    『プロメテウス』なんかはまんまそう。あと『ガイバー』。
    そして第3部は今で言うと『まどか☆マギカ』。

    最近、奇しくもファーストコンタクトものばっかり観てる。
    『スターマン』『マーズ・アタック!』・・・
    ファーストコンタクトものといえば『未知との遭遇』が一番有名だけど、
    異星人って今んとこ確認されてないんで、
    それ出したらファーストコンタクトものにほぼなりますよね。
    これで出来上がったセオリーを崩したのがMIBシリーズで、
    だからあれ面白いんだなあ。「いや、宇宙人とか普通にいますよ?」って。

    今回観て気付いためちゃくちゃ面白い点は、
    猿が放り上げる骨が自由落下して人工衛星に変わるシーン。
    人工衛星も常に自由落下し続けてるから、これすごいなと。
    さらに調べてたら、あれは当初核爆弾だったらしく・・・。
    (衛星軌道に乗っかったミサイルかなんかか?)
    ここはほんと最高でした。

    そんな風に、物理学的にも面白いメタファーを入れてある。
    考証の面でめちゃくちゃリアル。
    空気が無いから空気遠近法がないのでああいう月の見え方。
    特撮は今観てもほんと恐ろしい出来です。
    空気が無いから音も聴こえないところとか。

    後世に与えた影響はほんとに大きいです。
    オタク的にはカトキ版ボールの腕が4本になってるのは
    スペースポッドのオマージュをさらに先祖帰りさせたんだな、とか。
    『まどか☆マギカ』の件は先に書いたけど、
    エヴァでゼーレがモノリスになってる件も同様、
    『2001年』本編だけを観るよりも、エヴァとか『まどか☆マギカ』も観ると
    きちんと解釈されててものすごくわかりやすくなってる(笑)

    SFというのは本来「SF小説」のことだったんだけど、
    「小説以外の映像化作品で、狭義での本当のSFというのは『2001年』以外にない」
    というのは、ほんとに名言だと思いまっす。

  • あの猿の中は人じゃないの!?大丈夫?チーターみたいのに襲われてたけど
    最後はよくわからないけど、猿の淘汰とかかなり迫真に迫るものがあった
    あとはサウンドの演出がすごい
    アート寄りな映画な印象
    セットとかはゼログラヴィティ観たあとだとコントにしか見えないw

  • コンピュータの造反が衝撃的な壮大な宇宙スペクタクル。内容はともかく映像美と音楽だけでも傑作です。しかし、メッセージは難解です。
    例えば、ラストシーンの解釈:
    ボーマン船長の旅のストーリーの結末をどうするのか、ラストシーンは脚本草稿の段階で、アーサー・C・クラークによって複数のパターンがキューブリック監督に提案されたが、いずれも監督の納得のいくものではなく、いくつものアイデアが却下された(『ボーマンが異星の宇宙船の傍らに立っている』や『信じられないほど優美なヒューマノイドと出会い旅立っていく』など)。
    『何回書き直し、何回行き詰まったか、数えることもできない。かなり落ち込んでいる』と当時の状況を著書『失われた宇宙の旅 2001』の中でクラークは書いている。最終的には『ボーマンが子供へ逆行し、結末では赤んぼうとなって軌道上に浮かぶ』というアイデアが採用されることに帰着した(『失われた宇宙の旅 2001』より)。
    クラークの小説『2001年 宇宙の旅』では結末は『モノリスから、人間を含む多くの種族が誕生したのだ』となっている。これはつまり、「究極に進化した地球外生命体の“遺物”であるモノリスにより、人間は太古の昔より進化をしてきたが、今度は人間が(ボーマン船長が)肉体を離れて精神のみの生命体へとさらなる進化をする。宇宙にいる多くの種族がそうして進化をしてきたように、人類もようやくその仲間入りをし、宇宙の一部になったのだ。それが地球外生命体の目的だった。」という結末であり、それを「宇宙空間に胎児の姿で浮遊する」というビジュアルで表現したものであった。
    (その後のボーマンの“エネルギー生命体”としてのストーリーは、続編の小説『2010年 宇宙の旅』、『2061年 宇宙の旅』、『3001年 終局への旅』へと続く。ちなみに、モノリスの主人である地球外生命体「魁種族」は、『3001年 終局への旅』では、数百光年彼方に存在するとしている。)
    当初クラークは、難解なストーリーの内容の観客への理解を促すために、映画全編にわたって説明用のナレーションを多数書き上げていたが(脚本にはナレーションが記載されている)、映画ではそれらは全く使われることはなかった。「言葉で説明をしてしまうと、せっかくの未知の世界との遭遇が、陳腐なものになってしまうから」とキューブリックは判断したのだ。しかし、ラストシーンを含め、それでも、映像だけでこの本来のストーリーを解釈するには、説明不足の感は否めない。映画以外の資料を参照して、初めて本来の脚本の起承転結を理解できる。(ウィキペディア)

    本作の反響について:
    公開当時、台詞や説明を極力省き、視覚表現で観客の意識に訴えるという作風は極めて斬新であった。映像のクオリティーや「人類の進化と地球外生命の関係」という哲学的なテーマを賞賛する声の一方、抽象的な内容や非常に難解な結末を批判する意見もあり、賛否の渦が巻き起こった。それでも、公開当時の1968年における年間世界興行収入で1位を記録。現代では映画史におけるSF映画の古典として認識されており、日本の文部科学省が「特選」に指定している、唯一のSF映画としても知られている。作家 レイ・ブラッドベリは本作試写を観た後、映像美を褒めながらも「クラークはクーブリックにレイプされたんだ」と評した。このブラッドベリによる評を人づてに聞いたクラークは「それは違う、レイプされたのはお互い様だったんだよ」とシニカルなコメントを残している。
    初公開の年の暮れ、1968年12月、アポロ8号が史上初めて有人で月の裏側を廻って帰還したが、その時撮影された月面入れ込みの地球の写真が本作のそれにそっくりで、改めて本作の特撮のクオリティが示された。また、そのアポロ8号の船長の名がフランク・ボーマンで、本作の登場人物のふたり、フランク・プールとデヴィッド・ボーマンを合成したような名前であることが、偶然とはいえ話題になった。
    公開時からオールタイムで本作品は高く評価され続けている。1991年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。
    映画史上のベスト・ランキング、オールタイム・ベストなどでは、必ずと言っていいほどランクインしている。

    「映画史上最高の作品ベストテン」(英国映画協会『Sight&Sound』誌発表)
    1972年:「映画批評家が選ぶベストテン」第18位
    1982年:「映画批評家が選ぶベストテン」第12位
    1992年:「映画批評家が選ぶベストテン」第10位
    1992年:「映画監督が選ぶベストテン」第13位
    2002年:「映画批評家が選ぶベストテン」第6位
    2002年:「映画監督が選ぶベストテン」第12位
    2012年:「映画批評家が選ぶベストテン」第6位
    2012年:「映画監督が選ぶベストテン」第2位
    「AFIアメリカ映画100年シリーズ」
    1998年:「アメリカ映画ベスト100」第22位
    2001年:「スリルを感じる映画ベスト100」第40位
    2003年:「ヒーローと悪役ベスト100・悪役部門」第13位(HAL 9000)
    2005年:「アメリカ映画の名セリフベスト100」第78位
    2006年:「感動の映画ベスト100」第47位
    2007年:「アメリカ映画ベスト100(10周年エディション)」第15位
    2008年:「10ジャンルのトップ10・SF映画部門」第1位
    2000年:「20世紀の映画リスト」(米『ヴィレッジ・ヴォイス』紙発表)第11位
    2008年:「歴代最高の映画ランキング500」(英『エンパイア』誌発表)第16位
    2008年:「史上最高の映画100本」(仏『カイエ・デュ・シネマ』誌発表)第43位
    2010年:「エッセンシャル100」(トロント国際映画祭発表)第26位
    2013年:「オールタイムベスト100」(米『エンターテイメント・ウィークリー』誌発表)第25位

    以下は日本でのランキング
    1980年:「外国映画史上ベストテン(キネマ旬報戦後復刊800号記念)」(キネマ旬報12月下旬号発表)第2位
    1988年:「大アンケートによる洋画ベスト150」(文藝春秋発表)第7位
    1989年:「外国映画史上ベストテン(キネ旬戦後復刊1000号記念)」(キネ旬発表)第1位
    1995年:「オールタイムベストテン・世界映画編」(キネ旬発表)
    プロフェッショナル選出 第3位(1位は『七人の侍』なので洋画では第2位)
    読者選出 第1位
    1999年:「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊80周年記念)」(キネ旬発表)第2位
    2009年:「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊90周年記念)」(キネ旬発表)第7位

    『2001年宇宙の旅』(原題:2001: A Space Odyssey)は、スタンリー・キューブリックが製作・監督した、1968年の叙事詩的SF映画である。脚本はキューブリックとアーサー・C・クラークによって書かれ、クラークが1951年に発表した短編小説「The Sentinel」やその他のクラークの短編小説に触発されたものである。映画公開後に発表された小説は、脚本と同時進行で書かれた部分もある。実存主義、人類の進化、科学技術、人工知能、地球外生命体の可能性などをテーマに、異星人のモノリスを発見した後、感覚を持つコンピューターHALと共に木星に向かう航海を描いた作品。
    この映画は、科学的に正確な宇宙飛行の描写、先駆的な特殊効果、曖昧なイメージで注目されている。キューブリックは、従来の映画や物語の手法を避け、台詞はほとんど使わず、音楽だけの長いシークエンスがある。サウンドトラックには、リヒャルト・シュトラウス、ヨハン・シュトラウス2世、アラム・ハチャトゥリアン、リゲティ・ジェルジュなどのクラシック音楽が多数使用されている。
    この映画は、暗い終末論的なものから、人類の希望を再評価する楽観的なものまで、様々な評価を受けた。アカデミー賞では4部門にノミネートされ、キューブリックは視覚効果の演出で受賞した。この作品は、これまでに作られた映画の中で最も偉大で、最も影響力のある作品の一つとして広く知られている。1991年には、米国議会図書館によって「文化的、歴史的、美学的に重要」とみなされ、アメリカ国立フィルム登録簿に保存されることになった。
    あらすじ:
    人類の夜明け(THE DAWN OF MAN)
    人類が文明を築く400万年前(小説版では300万年前)、ホモサピエンスの祖先であるヒトザルが、荒野で飢えに苦しみながら生存競争を闘っていた頃。ある日、ヒトザルたちの前に黒い石板のような謎の物体「モノリス」が出現し、サルたちは驚きながらも恐る恐るそれに触れる。やがて一体のヒトザル(月を見るもの)がモノリスの知能教育により、動物の骨を道具・武器として使うことに目覚め、獣を倒して多くの肉を食べられるようになる。ヒトザルたちは、水場をめぐって対立する別のヒトザルの群れにも骨を武器として対戦し、敵のボスを殺害する。水場争いに勝利した「月を見るもの」が、歓びのあまり骨を空に放り上げると、これがカットつなぎで一瞬にして最新の軍事衛星に変わる(人類史を俯瞰するモンタージュとされる)。
    月に人類が居住可能になった時代。アメリカ合衆国宇宙評議会のヘイウッド・フロイド博士は、月のティコクレーターで発掘された謎の物体「TMA・1」(Tycho Magnetic Anomaly, ティコ磁気異常1号)、通称「モノリス」(一枚岩)を極秘に調査するため、月面クラビウス基地に向かう。途中、宇宙ステーション5(小説版では「宇宙ステーション1号」)でソ連の科学者たちに会い懇談するが、「クラビウス基地が閉鎖されているが、いったい何が起きているのか」と質問され、フロイド博士は回答を拒む。
    月面基地に着いたフロイド博士は、会議室で今回の事態の重要性について訓示し、TMA-1の発掘現場へ向かう。調査中、400万年ぶりに太陽光を浴びたモノリスは、強力な信号を木星(小説版では土星)に向けて発した。TMA-1は、あのヒトザルたちが月に到達するまでに進化したことを告げるセンサーだったのだ。

    木星使節(JUPITER MISSION)
    18か月後、宇宙船ディスカバリー号は木星探査の途上にあった。乗組員は船長のデヴィッド・ボーマンとフランク・プール隊員、出発前から人工冬眠中の3人の科学者と、史上最高の人工知能HAL(ハル)9000型コンピュータであった。
    順調に進んでいた飛行の途上、HALはボーマン船長に、この探査計画に疑問を抱いている事を打ち明ける。その直後、HALは船のアンテナ部品=AE35ユニットの故障を告げるが、ボーマンがユニットを回収して点検すると、問題は見つからなかった。HALの異常を疑ったボーマンとプールは、その思考部を停止させることを決める。しかし、ふたりの密談を読唇して察知したHALが、それを阻止しようと乗組員の殺害を決行する。プールは船外活動中にポッドに衝突されて宇宙服を壊され、人工冬眠中の3人は生命維持装置を切られてしまう。別のポッドに飛び乗ってプールの救助に向かったボーマンは、遺体を回収して戻るが、HALに入船を拒絶され、止む無くプールの遺体を放し、ポッドのハッチを爆破してエアロックに突入する。
    唯一生き残った乗員となったボーマン船長は、HALの思考部を停止させるべく、ユニットを取り外していく。HALは助命嘆願を繰り返すが、次第に知能を失い、遂には「デイジー」の歌を歌い始め、録音テープが失速するようにして止まる。すると、木星到着後に搭乗員全員に開示される動画が再生され、探査の真の目的であるモノリスの件をフロイド博士が語る。

    木星 そして無限の宇宙の彼方へ(JUPITER AND BEYOND THE INFINITE)
    ディスカヴァリー号が木星の衛星軌道付近に到達すると、ボーマンは近くに浮かぶ巨大モノリスを発見する。ポッドに乗って接近して行くと、巨大モノリスは漆黒の闇に消え、そのあたりの空間から発した光の奔流がポッドを呑み込み、めくるめく異次元の光景が次から次へと押し寄せて来る。
    やがて、閉鎖された王朝風の白い部屋にポッドごと到着すると、そこでボーマンは、年老いて行く自分自身を順々に発見する。遂には老衰してベッドに横たわるボーマンの前に、あのモノリスが現れ、彼がそれに向かって手を差し伸べると、光に包まれた胎児に変貌する。ボーマンは、人類を超越した存在=スター・チャイルドへと進化を遂げたのだ。
    そして胎児は太陽系へと戻り、地球を見下ろしながら、これから自分が成すべきことについて思いを巡らせるのだった。(ウィキペディア)

  • 映像が美しい上に技術が凄い。1968年の映画ということに驚き。
    後半のHALとのやりとり、緊迫感が凄まじい。

  • ものすごく美しく、哀しく、狂おしい、本気の映画だった。by 高山なおみさん

  • ラジオであまりに勧められていたので50周年IMAX上映で鑑賞。半世紀前に作られたとは思えないデザインや宇宙空間の表現にたまげた。一方で、クラークの原作を読んでいたから辛うじてついていけたものの、そうでない人にはちんぷんかんぷんであろうとも思った。以下、思いつくままに。
    ・モノリスがiPhoneぽい。ほんとは逆なんだろうけど。
    ・ディスカバリー号は精子を象徴?
    ・HAL"My mind is going"
    ・美しく青きドナウをSFに使ってる映画があったきがするが、オマージュだったのか
    ・反り返って回転する地面もインセプション、インターステラなどでおなじみ。元ネタを見れて嬉しい。
    ・船外作業はグラビティでオマージュされてる
    ・科学的に正しいことを追求したらしいけども、さすがに爆破の衝撃で真空から宇宙船に無事に移れるのかは疑問
    ・なぜか地上からの衛星テレビで柔道をやってる
    ・スターゲートの場面は長すぎて白けた。さすがにここはアナログ感から時代を感じてしまった。
    ・最高級の部屋でおもてなしされても、独りぼっちで年を取ってまで新人類に生まれ変わりたくない。

  • 兎に角、凄い。

    今から50年前に作られたというのに、全く古臭さがない。いや…さすがに若干はあるけど…さすがキューブリック先生、アメリカの月面着陸をフィルムした人だわ。

    技術的なことや費やした時間のことよりも、最終的にはやはりセンスが良いかどうかが全てなんだと、この映画から学ぶ人は多いはず。

    チンパンジーが道具として使えるようになった骨を空に放り投げ、それが宇宙を飛ぶスペースシャトルに変化したところ!!

    ハッ!となるはず。見てる全員。

    そして人工知能のキーの形とモノリスの形!!

    ハッ!となるはず。見てる全員。

    最後にスターチャイルドだけど、ここが一番難解というか其々の見解に任せるしかないと思うんだけど、僕は進化する過程で必ず先駆者が存在していて、それ以外は全員模倣している存在に分けられる。初めて道具を使ったチンパンジー。その子孫は二足歩行の人間となり月へ飛び、木星まで辿り着いた人間。その次の進化の第一歩としてのスターチャイルドかなと思った。

    難しいから退屈とか怖いじゃない、頭を使って考えないと人工知能にヤラれるぜ!

    キューブリック先生、ありがとうございました。

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