ミスティック・リバー [Blu-ray]

監督 : クリント・イーストウッド 
出演 : ショーン・ペン  ティム・ロビンス  ケビン・ベーコン  ローレンス・フィッシュバーン 
  • ワーナー・ホーム・ビデオ
3.68
  • (10)
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本棚登録 : 173
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988135807403

感想・レビュー・書評

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  • *§*..イーストウッドのテイストを堪能..*§*





     ジミーの娘:ケイティが殺害され公園内に遺棄されているシーンのカメラ使い、ひじょうに印象に残りました。  

     カメラが頭上遥かに引いていき、壮大な旋律が流れるのですが、父であるジミーの狂わんばかりの悲しみと怒りの混在した絶叫との対比が美しいほど残酷で見事なシーンだと思いました。


     ショーン・ペン、ケヴィン・ベーコン、ティム・ロビンスというカラーの異なる男優3氏が各々の役柄を熱演。  

    その演技の摩擦力は、観ているこちら側にも伝わってくるかのようです。


     伏線でショーン(ベーコン)の抱える苦悩が描かれていますが。この演出で、別居中の妻から時おり掛かる電話のシーンでは彼女の口元だけが“無声でアップになるだけ”という、イーストウッドの拘りの演出も私の琴線にふれます。


    ☆.:*・’・*:.。☆。.:*・’・*:.。☆。.:*・’・*:.。☆。.:*・’・*☆.:*・’・*:.。☆。.:*:.。☆。.:*・’・*:.。☆。.:*・’・*☆



    あの日、
     あの時、
       もしも…
     あの車に乗っていたのがもし自分のほうだったら? 
     すべては起こらなかったのかもしれない。。。  



     //不条理な運命の歯車が心で激しい軋み音を立てながら憤怒の歯止めが外されてしまう時… 
     起こってしまった(起こしてしまった)あとに残された者達の心に去来する“虚しさ”と“確信”//


     何よりも恐ろしいと感じたのはジミーの妻:アナベスの信条。
    首から背にかけ、クロスのタトゥを入れているジミーの背後に添いながら彼女が語った言葉は、一見優しさに満ちているようで、これが本作である意味、
    最も怖かったのは私だけでしょうか。


     手段を選ばぬ防衛でも良しとする。
    そんな意味合いを、“王様に不可能はない”と比喩しながらジミーをベッドに押し倒し語るアナベス。 


     このラスト間際でイーストウッド氏が本作に込めた重いメッセージを受け取れたような気がしました。 
     イーストウッド氏、最高ですね!


    【余談】

     (1) マーシャ・ゲイ・ハーデンさんも流石の演技でした。
    私には「ミスト」で彼女が演じた狂信的な女性:ミセス・カモーディと重なってくる部分もあり…(苦笑)

     (2) ジミーの経営する雑貨店の店員に「CSIマイアミ」でライアン・ウルフ役の、
    ジョナサン・トーゴが出ていたのを今回の再見で知りました。 

  • 幼馴染の3人、デイブ一人だけさらわれて4日間の虐待を受けて人生が変わる。お互いに近所の付き合いはしても、もう昔のような友達ではない・・当のデイブは心に傷を抱えて生きていく。
    出演者はショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコンの豪華版だが、イーストウッド監督のディテールにこだわるストーリー展開が少しもどかしい。

    以下ネタバレあり。
    デイブが殺したようにミスリードしながら、実は・・という展開はミステリー映画のお決まり。
    とはいえ、デイブも相手が変質者だとは言え人を殺していたわけで、この町の住人は死体さえ見つからなければ殺人を隠そうとするのは、ジミーも同じ。
    デイブは最初からすべてを正直に話すべきだった、そうすれば奥さんの勘違い密告もなかった、ジミーはデイブに娘を殺したといえば命は助ける・・ってこれ自体が選択肢の無い強要なわけで、結局デイブの言うことは信じられなかったなど歯車はどんどん悪い方向へと回っていく。

  • 人間は結局子供時代の性格や出来事を一生ひきずるのかな…ってお話。
    人の運命のカードは、なかなかチェンジできないのかも。

    3人で遊んでいたうちの一番素直な男の子が2人の悪い男に車で連れ去られて性的虐待を受けちゃった。
    それが彼の少年時代の不運であり、その後の人生もずっとそれを引き摺ってしまう。

    ちょい悪少年はちょい悪オヤジになり、娘が殺されたことから、結局は一度はダークサイドから更生してもすぐに悪の道に戻っちゃう。
    どうも悪女に操られているっぽい感もあったけれど…。

    真ん中キャラの大人刑事を演じたケビン・ベーコンさんは、素はブ男だと思うんだけど、スタイルと声が良いからなんだかんだでセクスィーでした。

    ケビンさんの奥さんとの関係は、おそらく小説ではよくわかるのかもしれないけれど、映画では蛇足でしかなかった。

    運・不運って、本当に神さまに微笑まれたか否かくらいのちょっとした自分ではどうにもできないモノで決められていくのかな~。
    そんなお話でした。

  • 理不尽。

    貧乏くじ引いた人間はずーっと貧乏なのか。救われないのかよ。


    あの夜、デイヴの中にケイティーへの羨みや妬み憎しみ、醜い感情が生まれたのかもしれない。それがこの事件の引き鉄だったのかな。

    人は結局、自分のことだけしか考えてない。自分が不幸でさえなければいいのだ。それが最後のアナベスの言葉。セレステに向けるアナベスのあの勝ち誇ったような顔。気味が悪い。

    他者から奪って、奪われて、また奪う。
    馬鹿じゃないのかと思う。

    きっと、マイケルはまっすぐ育てないだろう。

    不幸の連鎖は止まらない。

    辛い。

  • 普段見ないサスペンスやけど、おもしろかった。ドキドキして切なくて悲しいけど、悪い後味じゃない。

  • 少年時代に仲がよかった三人組がとある事件から疎遠になり、ずっと歳月が経った頃、またとある事件をきっかけに交流が始まる。あらすじとしては以上だが、見終わった後、ずっと暗い気分だった。映画であるにも関わらずまるで現実そのもので、救いがない。とにかく救いがない。そして現実と同じように見たくないもの、弱者をまるで存在しなかったかのように切り捨て、まるで何事もなかったかのように世界は日常を繰り返す。見入ってしまったし、評価も高いが、正直救いがないので、最後まで見るのはしんどい映画です。

  • 娘を殺した犯人を自分で見つけて、自分で殺すと言って、
    間違って、幼なじみを殺してしまう悲劇。

  • 6月2日

  • 公開当時に観て以来かな、久しぶりの視聴。
    何も言うことないですね。
    役者の素晴らしい演技、
    雰囲気のある映像、
    シックで重厚なストーリー、
    ラストで待ち受ける驚愕の真相。
    文句なしの名作。

    中でもティム・ロビンスが最高ですね。

  • 1つの殺人事件を通して四半世紀振りに再会した、幼馴染の3人の男性の運命を描く重厚なサスペンス映画。人間の悲しみが憎悪に転換されると取り返しのつかない方向まで行ってしまう怖さを感じる作品でした。また、人間が極限状態に陥ると冷静な判断が下せなくなる脆い一面があることも感じ取れました。そういった意味で大変見応えのある映画ですが、鑑賞後にどうもすっきりしない感覚がどうしても残ります。これがイーストウッド監督の手腕ともいえるのではないでしょうか。

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