1Q84 1-3巻セット

著者 :
  • 新潮社
3.71
  • (65)
  • (83)
  • (72)
  • (23)
  • (6)
本棚登録 : 829
感想 : 99
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 春樹は僕の本棚の占有面積一位の作家です。
    大学の時から春樹作品読みまくって、鼠シリーズや世界の終わりやねじまき鳥は多分5回以上読んだと思いますが、この「1Q84」はまだ1回しか読んでないので、2回目を読んでみました。

    初めて読んだ時、僕がひねくれているからなのか、主人公達が救われていく感じがなんとも都合よすぎる気がしたのと、世界の成り立ちごと揺るがす話が次第に恋人同士の逃避行に収斂したスケールダウン感とが、なんとも引っかかっていました。
    しかし今読むと、どちらも春樹の狙いだったのかなと思います。自分の力を遥かに超えた力に対抗するには、その力にとって遥かに小さな世界=半径30cmの世界で確かに繋いだ手を見つめることによって、その遥かに大きな力を視界から消し去れば良い。対抗することはできないけれど、消し去ることはできるという逆説的真実。

    読み返したときに前よりも楽しく読める、そういう作家に出会えたのは本当に幸せだと思います。

    そして何よりも、(多くの春樹ファンがそうだと思いますが)BOOK3の冒頭で牛河が主人公になった時は、かつてないほどアガりました!

  • これが絶対的な愛の物語なのかと全3巻を読んで納得した。ボリュームがあり少々長いと思ったところもあったが、文体は透明で読みやすく、村上さん独特の言い回しが散りばめられていて良い。全体としてはとても楽しめた。

  • 発表された当時、すごく評判になった本
    その当時は手に入れるのもたいへんだったので
    スルーしていたもの

    改めてこの長編を読み終わって、
    何がそんなに評判が高かったのか、わからない。

    サイエンスフィクション?
    バイレンスアクション?
    ロマンス?
    不気味な団体はオーム真理教を思い起こさせ・・
    たくさんの要素を入れているのに
    内容は・・あまりない気がする。

    村上春樹の作品は「ノルウェーの森」を読んだだけ。
    あの透明感がとても好きだった。

    1Q84もそれは同じだった。
    でも、すごいバイオレンスが描かれているのに、
    何事もないような現実感のなさと
    風に吹かれているような透明感に満たされている。
    虚無感とすらいえそうな・・。

    私はあまり共感できなかった。

  • どうしてこんなに不思議な世界を描き切る事が出来るのか不思議。そこに感動してしまう。
    春樹さんの頭の中を覗いてみたい。
    ラスト、ハッピーエンドで良かった。

  • ディテールは面白かったから集中して読んだけれど、大筋に共感できず、好意的な読者にはなれなかった。

    1Q84は主人公ふたりが再会するための世界だったわけだけれど、3巻たっぷりカルトやら暗殺組織やらが暗躍して、死んだり殺したり監禁されたり失われたりした。あのふたりが機能不全家庭で育ったのはわかるが、どうしてそんな大仰な舞台を設定し、あれだけの犠牲が払われなければ彼らが愛を得て生きていくことができないのか、実感できなかった。短く言うと「どんだけ特別扱いなの」ということだ。

    程度の差こそあれ、たいていの人はほかのだれかと繋がりを持つことに困難を感じる。けれど彼らは「100%のだれか」を待ち続けて、そうでないだれかに心を閉じ続けているわけではない。そこそこのだれかと向き合って、時間をかけてお互いを100%に近づけようとし続けるのが生きていくことだろう。青豆と天悟はペアでかたくなになっていたからお話になったけれど、片方だけが20年前の手を思って再会を願っていたら、自分に呪いをかけるようなものだったと思う。

    村上春樹の本の主人公たちはたいてい、だれにも迷惑はかけてません、みたいな顔をして自分の眼中にない人を傷つける。それが普段の倍登場してきたわけで、大変おなかいっぱいになった。巻き込まれてひどい死に方をした牛河が本当にかわいそうだ。彼もずっと一人ぼっちの人だった。でもそれが自分だと腹をくくって生きていたのに。

    余談。『1Q84』が狙ったであろう切実感からすると、おしゃれな会話とか比喩とか、ブランド名併記の商品の記述とか、逆にバブル感たっぷりであかぬけなくて興ざめ。完全に好みの問題かもしれないけれど。

  • ノルウェイの森よりはこちらの方が読めた。
    ただやはり活字苦手人間には厳しい。

    こちらも年を取ってから読むとまた違うのだろうか。本棚の奥にしまいました。

  • 最期まで読んでの感想は・・・

    「ケッ」って感じ。

    大体が、水増しされて長いです。
    これ半分でいいんじゃないの。

    散々引き延ばしたくせに収束するまでが早いこと。
    あっさり終わってしまいました。

    なんか思わせぶりな伏線のようなものを匂わせて、特になにも無かったし。あの人はあっさり死んで、殺す方もなんだか無理矢理なかんじだし。面白く読めたのは1巻くらいまでではないでしょうか。後半は薄々です。

  • 野っ原の中の穴の底をとうとう見てしまった感あり。難解だった為、なかなか読み進める事が、出来なかった。今まで感じた事の無い、感覚でいつもなら、こうなると投げ出してしまう筈なのに、最後まで読んでしまった。内容が、ハードな為、ページを開く度に、辛さが増していく。前に一度完読を試みた事があるが、投げたしてしまい。今回が二度目、一度目から二度目を読むまで今までに経験した事のない様な事を多く積み重ねた為、読書力の強化につながったのだと思う。読みづらかったのが、読めない部分は、ページをめくる速さを早くした。読書をよくする人なら、解ると思うのだが、決して結論が欲しいわけではない、ただ作家の意図する事を音楽の様に聞き流し、完読したいという、欲求だけで、読んでいた。今までにない作風に、情報錯乱を感じたのは、私だけだろうか?

  • 完結の仕方が少し私のなかではモヤっとした感じだった。

  • 2巻までは物凄く良いんだけどね。

全99件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

村上春樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×