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- / ISBN・EAN: 4988064297634
感想・レビュー・書評
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昭和30年代の山口県防府市が舞台のお話です。映像はとても優しい感じがしてステキな感じです。この作品はとても面白いかといわれるとそうではありません。また、一回見ただけではこの作品の面白さが分かりにくいと感じました。実は見るのは2回目です。
子供たちが主人公なのですが、すべてに対して一生懸命な子供たち。遊ぶことも想像することも友達と約束することも。大人になると忘れてしまうのかもしれない、子供のときだけ持っているような感情や真剣さが描かれているのだと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
終戦から十数年、山口県防府市に住む、空想好きの元気な少女の新子。そんな彼女の通う学校に、東京から貴伊子という転校生がやってくる。
はじめはぎこちなかった二人も徐々に仲良くなり、貴伊子はほかの地元の子供たちとも打ち解けていく。そんなある日、彼女たちは、水路をせき止め、そこに水を貯めるダム遊びをはじめ、そこに迷い込んできた金魚を「ひづる」と名付ける。しかし、ある日そのひづるが死んでいるのが見つかり…
今回はニコニコ生放送でやっていたものを視聴。結構、視聴者の想像に任せるところもあったので、コメントを見ながらの鑑賞は個人的には結構よかったです。
同じ、片淵監督が手がけた『この世界の片隅に』も見ましたが、それと物語の雰囲気は共通していると思います。子供たちの日常描写がとてもリアル。ダムの遊びもそうなのですが、貴伊子が転校初日に背伸びして、学校に20色以上ある色鉛筆を持ってきて、それがクラスメートの注目を集めたり、新子と貴伊子のはじめのぎこちなさなど、それぞれのシーンの空気感が、どこか自分の子供時代の感覚を思い起こさせます。
そして、そうした平和な空気感が崩れるのも、また共通しています。『この世界の片隅に』の場合は、戦争によって、それまでの日常が徐々に浸食されていったのですが、この映画の場合は、大人の都合。
子供たちのリーダー格だったタツヨシに起こったある事件。なんの前触れもなく起こったその事件は、あっという間に新子たちの日常を破壊します。
その破壊に対し、新子たちは自分たちなりに戦おうとするのですが、やはりそれにも限界があります。
この状況でどうやって物語を落ち着けるのか、ちょっと不安でもあったのですが、その状況でも子供たちは前向きさを失わず、そして子供らしく成長していくことを誓います。新子の想像の世界とも掛け合わされて、訪れる結末は、そうした大人の都合に負けない子供たちの世界を、しっかりと描いてくれていたと思います。
後半からの物語の急展開には、面食らったものの、子供たちの世界を丹念にしっかりと描いた、いい映画だったと思います。
『この世界の片隅に』はファンからのクラウドファンディングも、資金源として完成したそうですが、この映画を見ると、確かに出資したくなるのもわかります。そんな唯一無二の世界観を持った作品だったと思います。 -
昭和30年代の山口県防府の風景。ジブリのような柔らかい絵と心地よい音楽。小さい頃に持っていた私だけのひみつ。空想の世界。忘れていた感覚が戻ってきて懐かしいような、喪失感に寂しくなるような。断片的に蘇る千年前の風景、新子だけの世界は大人になってわかる描写です。大人のための「こどものせかい」の映画だと思います。コトリンゴがぴったり。お祝いに池を木の実や花やビー玉で飾るシーンがキラキラしていてずっと見ていたかったです。
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TVにて
里山の暮らし,過去の幻影,子供の純粋な気持ちや想像力を素直に描いている.新子のつむじがかわいい. -
◎ 子供から見ていい大人に見える人たちが、実際には裏で大人らしく汚いこともやっていて、夢を見ていた子供たちが大人へ成長していく物語、という印象。