マイマイ新子と千年の魔法 [DVD]

監督 : 片渕須直 
出演 : 福田麻由子  水沢奈子  森迫永依  本上まなみ 
制作 : 村井秀清  マッドハウス 
  • エイベックス・ピクチャーズ
3.59
  • (33)
  • (65)
  • (64)
  • (14)
  • (5)
本棚登録 : 399
感想 : 83
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988064297634

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 昭和30年代の山口県防府市が舞台のお話です。映像はとても優しい感じがしてステキな感じです。この作品はとても面白いかといわれるとそうではありません。また、一回見ただけではこの作品の面白さが分かりにくいと感じました。実は見るのは2回目です。

    子供たちが主人公なのですが、すべてに対して一生懸命な子供たち。遊ぶことも想像することも友達と約束することも。大人になると忘れてしまうのかもしれない、子供のときだけ持っているような感情や真剣さが描かれているのだと思いました。

  •  終戦から十数年、山口県防府市に住む、空想好きの元気な少女の新子。そんな彼女の通う学校に、東京から貴伊子という転校生がやってくる。

    はじめはぎこちなかった二人も徐々に仲良くなり、貴伊子はほかの地元の子供たちとも打ち解けていく。そんなある日、彼女たちは、水路をせき止め、そこに水を貯めるダム遊びをはじめ、そこに迷い込んできた金魚を「ひづる」と名付ける。しかし、ある日そのひづるが死んでいるのが見つかり…

     今回はニコニコ生放送でやっていたものを視聴。結構、視聴者の想像に任せるところもあったので、コメントを見ながらの鑑賞は個人的には結構よかったです。

     同じ、片淵監督が手がけた『この世界の片隅に』も見ましたが、それと物語の雰囲気は共通していると思います。子供たちの日常描写がとてもリアル。ダムの遊びもそうなのですが、貴伊子が転校初日に背伸びして、学校に20色以上ある色鉛筆を持ってきて、それがクラスメートの注目を集めたり、新子と貴伊子のはじめのぎこちなさなど、それぞれのシーンの空気感が、どこか自分の子供時代の感覚を思い起こさせます。

     そして、そうした平和な空気感が崩れるのも、また共通しています。『この世界の片隅に』の場合は、戦争によって、それまでの日常が徐々に浸食されていったのですが、この映画の場合は、大人の都合。

     子供たちのリーダー格だったタツヨシに起こったある事件。なんの前触れもなく起こったその事件は、あっという間に新子たちの日常を破壊します。

     その破壊に対し、新子たちは自分たちなりに戦おうとするのですが、やはりそれにも限界があります。

     この状況でどうやって物語を落ち着けるのか、ちょっと不安でもあったのですが、その状況でも子供たちは前向きさを失わず、そして子供らしく成長していくことを誓います。新子の想像の世界とも掛け合わされて、訪れる結末は、そうした大人の都合に負けない子供たちの世界を、しっかりと描いてくれていたと思います。

     後半からの物語の急展開には、面食らったものの、子供たちの世界を丹念にしっかりと描いた、いい映画だったと思います。

     『この世界の片隅に』はファンからのクラウドファンディングも、資金源として完成したそうですが、この映画を見ると、確かに出資したくなるのもわかります。そんな唯一無二の世界観を持った作品だったと思います。

  • 昭和30年代の山口県防府の風景。ジブリのような柔らかい絵と心地よい音楽。小さい頃に持っていた私だけのひみつ。空想の世界。忘れていた感覚が戻ってきて懐かしいような、喪失感に寂しくなるような。断片的に蘇る千年前の風景、新子だけの世界は大人になってわかる描写です。大人のための「こどものせかい」の映画だと思います。コトリンゴがぴったり。お祝いに池を木の実や花やビー玉で飾るシーンがキラキラしていてずっと見ていたかったです。

  • なるほどトトロ+マーニーっぽい
    さらに清少納言の話し(不要では?)をトッピング
    都会から美人転校生(埋立地にある工場勤務の医師の娘)
    妹は一時行方不明
    ちらりとイマジナリーフレンド
    ラストにかけて大人のドロドロした部分が
    入ってきて、子供時代はおしまい
    原作は高樹のぶ子、ちょっと読んでみたい

  • 気になっていたの、ようやく見た。
    ストーリー知らずに見たから、どんな話だろーと思っていたけど、子供たちが仲良くなって今を賢明に生きて遊ぶの、とっても良かった。

    昭和30年代、田舎に引っ越してきた女の子と主人公が仲良くなる話。
    まいまいはつむじの事で、千年の魔法はおじいちゃんに聞く平安時代の都の話を聞き、お姫様を創造していく。

    東京から引っ越してきた貴伊子と仲良くなり、同じクラスの男の子とダム作りをして、6年生の子が増えたと思えば、中学生の子も巻き込む主人公。
    年上にたじろいだ男の子を気にも留めず引き込む主人公がとっても良い…。
    タツトシもそのままグループに入って面倒みてあげるのが可愛すぎる。

    そうしていいな可愛いなーと思っていたら、その子の父親が自殺と急に話が変わって驚く。
    悪女に騙されたんだ!とバーに乗り込む2人なんだけど、生米を一升瓶に入れて担ぎでいく主人公が可愛い…。

  • 新子の真っ直ぐさにやられる。きいこの為に、みんなに約束を、自分からしたタツヨシが、約束を反故することになってしまう。警官である父の自死の為に。タツヨシに敵討ち行かせるために家出する新子がほんとにな…
    タツヨシが不良だった理由が明かされて納得すること。普段は息子をおそらくネグレクトし、だが酒が入れば構おうとするも、それも身勝手な酒癖でだ。こばめば殴るという、外では尊敬されるお巡りさんである父のことを、タツヨシは無邪気に憧れることができない。それでも、剣道四段である父の木刀を持ち歩くタツヨシの屈折した気持ちを思う。
    その父が…
    タツヨシが、新子と2人でスナックに乗り込んだあと、明日大阪の親戚の所へ行くが、「子供に遊び教えるまともな大人に親になる」って宣言したあと、
    「その前にたくさん遊ぼうや!子供に教えられるように」って言う新子の真っ直ぐさ。他人からは怖いと思われている昔教師であった祖父が教えてくれたこと、なのだなあと思う。
    子供には、真っ直ぐ向かう大人が必要で、それを子供は真似をするから。子供に向かうなら、その背を見せられる大人になりたいものだ。方言や戦後10年の周防、といっても千年前都であった土地で生きる人々の朗らかさ、練り上げられた2つの世界観がとてもよかった。方言指導された方、どすごい。朴訥な演技が本当によかった。泣いた。

  • TVにて
    里山の暮らし,過去の幻影,子供の純粋な気持ちや想像力を素直に描いている.新子のつむじがかわいい.

  • コトリンゴの「こどものせかい」が好きで、曲きっかけで視聴。こども視点での描写がとにかく丁寧で、どのエピソードも覚えがないのに不思議と懐かしさを感じる。「良いおまわりさん」、「良い大人」だと思っていた人がそうではなかった主人公たちの葛藤が良かった。新子の空想や平安時代を行ったり来たりする描写はアニメーションならでは。しかしストーリー的に清少納言の存在は必要だったのか疑問が残る。最後は話が急展開に感じた。エンドロールの美しい自然と共に聴くコトリンゴの曲は格別。

  • 山口県が舞台。その田園風景の映像が癒やされた。


    監督 : 片渕須直
    原作:高樹のぶ子
    音楽:コトリンゴ こどものせかい
    出演 : 福田麻由子 水沢奈子 森迫永依 本上まなみ

  • ◎ 子供から見ていい大人に見える人たちが、実際には裏で大人らしく汚いこともやっていて、夢を見ていた子供たちが大人へ成長していく物語、という印象。

全83件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九六〇年大阪府枚方市生れ。日本大学芸術学部映画学科卒。アニメーション映画監督。在学中に、のちに『風の谷のナウシカ』の併映作品として公開されることになる『名探偵ホームズ/青い紅玉の巻』『同/海底の財宝の巻』の脚本を書く。大学三年の冬休みから演出助手・脚本としてテレコム・アニメーションフィルムに通うことに。『魔女の宅急便』の監督予定だったが、最終的に宮崎駿が監督となり、演出補となる。監督デビュー作は『名犬ラッシー』(「世界名作劇場」)。その他の主な監督作品に『BLACK LAGOON』、劇場公開作品に『アリーテ姫』『マイマイ新子と千年の魔法』『この世界の片隅に』。『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が二〇一九年十二月公開予定。

「2019年 『終らない物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×