「ウェブアプリケーションエンジニア(プログラマ)」と同じように、「ウェブオペレーションエンジニア」という言葉が指す範囲は非常に広く、そして深い。この本ではあまり触れられていないが、ここ最近ではDockerに代表されるような仮想化技術や分散技術、あるいはコンテナといったフレーズもウェブオペレーションの一角を担うものだろう。
つまり、ウェブオペレーションにおいて求められる知識領域は、今も拡大の一途をたどっているということだろう。
当然、1人ですべてを完結させることは難しい。小さい規模ならクラウドリソースを使って解決することが出来るかもしれないが、ビジネスは時に変化し、スケールする。そしてエンジニアの仕事はビジネスを可能への導くことであり、そこではウェブオペレーションエンジニアも変化やスケールを要求されるだろう。やがて1人ではカバーしきれなくなる。そうして人が増える。ここで重要なのは、コミュニケーションとコラボレーションだと思う。得意な領域を牽引し、得意な領域で助け合い、2人で2人以上の成果を出せるようにする。
ここに書いていることは当たり前のことに過ぎないが、ウェブオペレーションエンジニアに最も求められるスキルは、技術よりも「人との対話・協働」だと思う。本書にはそれが語られている(と私は解釈した)。
本書はウェブオペレーションのすべてを語っていない(成長し続ける分野のため、「すべて」という表現が不適切ともいえる)が、今、あるいは未来に至る重要なトピックが扱われていることは間違いない。
この領域に飛び込んでみたい人、あるいは飛び込んでからしばらく経った人もぜひ読んでもらいたい。