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- / ISBN・EAN: 4988104065032
感想・レビュー・書評
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☆★☆*** 発掘良品:上質なサスペンス ***★☆
本作はお目にかかることの少ないアルゼンチン映画だが同国のアカデミー賞の「作品」「監督」「主演男優賞・女優賞」を始めとする主要13部門を受賞した他に、第82回アカデミー外国語映画賞にも輝いている。
*登場人物は、刑事裁判所を定年退職し老後の孤独な人生を送っているベンハミン。
*そして嘗ての職場の上司で、今は〝女性検事に昇格〟しているイレーネ。
職務上での上下関係が男女逆という設定のもと、
昔、惹かれ合っていたのだ…という、『大人の純愛』が根底に美しく漂っているのが素晴らしい。
孤独な時間を持て余したベンハミンは今も尚、心の中でモヤモヤとしている過去の未解決事件を題材に、「小説」を書こうと思い立つ。
題材にしようとする某事件の情報を収集するために、イレーネのもとを訪れるベンハミン。
■・・・そこで二人は、25年前に起きた事件のことを一緒に思いだしていくことになる ■
ーーその事件とはーー
結婚して間もない銀行員の若妻が、何者かによって自宅で暴行されたうえ殺害されるという何とも忌まわしい事件だった。
その事件を掘りおこしていくうちに次第に様々な断片が見えてくる。
被害者である夫が亡き妻に抱き続けている《不変の愛》が傷ましい。
その一方でベンハミンは、アルコール中毒の同僚に手をやいている。
そんなダメな同僚を思い遣るベンハミンの優しさや、エリート女性検事のイレーネが、ベンハミンに未だ持ち続けている想い、etc...
それらが巧みに絡み合いながら物語は進む。
惨忍な事件の真相が明らかになっていくのと並行し、そうしたナイーブな心の描写が、実に巧く折り重なり合って丁寧に描かれている、といった印象をもてる。
ベンハミンとイレーネが二人して文字を読むシーン、二人が互いにシニアグラス(老眼)を付けたり外したりする。これは今の私がそうであるから言える感想だが、
この年齢に達している男女の日常所作が自然体、等身大、リアルに捉えていて関心した。
派手な宣伝など無かったような作品であるので、期待も何も持ち合わせずWOWOWにて観賞。
が、驚くことに本作は「隠れた逸品」と言える出来映えだ。発掘良品の感激とはまさにこういうことかと思う。
本作はサスペンスファンを唸らせるアルゼンチン発の良質な作品と言えよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アルゼンチンの極上のサスペンス映画。
非の打ち所が無い、という言葉はこの映画のためにある。
好きすぎて観ている間中エンドロフィンが出まくり、幸福に(笑)
最初主人公の俳優さんが好みじゃなくてがっかりしたが、すぐに感情移入できた。
アルコール依存症の相棒との絆や、婚約者のいる女上司との淡い恋など、もういろんなツボを押さえていて、たまらない。
映画ファンだけじゃなく上質な小説が好きな方にもおすすめ。-
こんにちは。
いつも映画愛の伝わる感想で、とても参考にしています。実は、この作品は既に観た気になっていました。でも、5552さんのコメント...こんにちは。
いつも映画愛の伝わる感想で、とても参考にしています。実は、この作品は既に観た気になっていました。でも、5552さんのコメントを拝見して、見逃していたことに気づきました。素晴らしい作品に導いていただきありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね。2017/12/19
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非常に完成度の高いエンタテイメント作品。25年前と現在を行き来しながら、暴行殺人事件の真相を追うサスペンス、ベンジャミンとイレーヌの恋とい2つの大きなテーマを描ききった脚本が見事である。映画的な映像美やカメラワークにも優れた場面が多く、映画を観る醍醐味を味わうことが出来る。特にスタジアムの遠景から犯人追跡のシーンに展開する場面は印象深い。更に、ベンジャミンと相棒の丁々発止のやり取り等、随所にユーモアを散りばめて笑わせるシーンがあり、犯罪に関わる緊張感のある場面と効果的なコントラストを構成している。これだけ様々な要素を盛り込みながら、非常にテンポ良く話を運び、最後に感動的な余韻を残すのは圧巻。アカデミー賞受賞やアルゼンチンでの高評価も頷ける。
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●~*情熱のアルゼンちん!傑作映画はこれだ!●~*
なんでアルゼンチンのチンが”ちん”なのかは、観ればわかる。
でも、そんなことはどうでもいいのだ。
この作品のラストにはビックらしました!
すばらしい復讐です。
一般人にはとてもマネできません。
いつもトンチンカンな邦題が多い中、
この「瞳の奥の秘密」って邦題はホームランだね。
男の深~い愛が伝わる復讐だが切なくて哀しい・・・。
是非、観て下さい。 -
冒頭の粒子の荒い映像から一気に引き込まれました。主人公が書き出す小説が、回想部になり、告白にもなっているんですね。様々な要素を盛り込んでいるのにごたつかない見事な脚本です。字幕と吹替を続けて見てしまいました。25年前の未解決強姦殺人事件と思いを秘めたまま別れてしまった恋。25年目の再会から動き出す再び2つのドラマ。主人公を見ていると、マストロヤンニを彷彿しました。映画を見る喜びがここにあります。
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はじめまして。5552と申します。
遅くなりましたがリフォローありがとうございました。
コンパクトで読みやすいレビュー、毎回楽しく読まさ...はじめまして。5552と申します。
遅くなりましたがリフォローありがとうございました。
コンパクトで読みやすいレビュー、毎回楽しく読まさせてもらっています。
この映画大好きなので誰か観た人に話したくてコメントつけさせてもらいました。
自分のレビューにも書いきましたが、冒頭で「主人公の顔が好みではない」のにちょっとガッカリしてしまった(笑)
でも観ていく内にお話の巧みさにすっかり引き込まれました。
ラストも「絶対...絶対あの映像で締める!来る...来る...キタ━(゚∀゚)━!」と大喜び(笑)
どこかの誰かがレンタル代100円のコスパ良すぎ!と書かれてましたがその通り!
ハリウッド版リメイクの「シークレット・アイズ」も面白そうですがこの作品の満足度にはかなわないかもと思わせる名作でした。
突然のコメント失礼しました。
それではお邪魔しました。2017/12/19
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2015/10/12
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2015/10/14
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大人のサスペンス。全体的に暗いトーン。25年って、重たいですねえ。
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瞳は語る、どれだけ時がたっても形を変えない情熱を。
アルゼンチン映画は初めてでしたが、いや久々に「素晴らしい!」と迷い無く思えた。衝撃がじわじわとせりあがってくる、重厚な作品でした。
中南米の映画、ということで中南米担当のうちの部署に割引券が来てたけど、なんだかんだで映画館には見にいけなかったのが残念。どんぱち的な派手さはないけれど、映画館で見たかったと思わせる作品だから。
リカルド・ダリン、ファンになりそうです。渋いおじ様大好物だ。 -
アルゼンチン映画
リカルド・ダリン主演。彼が出ている映画は数多く観たが、その中でも印象に残る作品。