ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD]

監督 : トーマス・アルフレッドソン 
出演 : カーレ・ヘーデブラント  リーナ・レアンデション 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.78
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感想 : 353
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427647688

感想・レビュー・書評

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  • ヴァンパイア映画もスウェーデン産だと、ひと味もふた味も違う。

    雪と氷に覆われた白い街が、真っ赤な血で染まる……グロテスクと美の狭間を揺れ動く映画だ。

    いじめられっ子の少年とヴァンパイアの少女が出会い、互いの深い孤独が共鳴するように惹かれ合っていく。

    甘く切ない初恋映画と、耽美的ホラーの見事な融合。

    『ポーの一族』を生んだ日本でこそ、このようなヴァンパイア映画が生まれてもよかったはず。
    もっとも、日本を舞台にした途端、ヴァンパイアという存在が遠くなってしまうからなァ。

  • LET THE RIGHT ONE IN
    2008年 スウェーデン
    監督:トーマス・アルフレッドソン
    原作:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト『モールス』
    出演:カーレ・ヘーデブラント/リーナ・レアンデション

    吸血鬼映画や小説が大好物で、そこそこの数のものを見たり読んだりしてきましたが、北欧が舞台というのはもしかして初めてかも。そしてこんなにも透明感溢れるリリカルな吸血鬼は、萩尾望都以来かもしれません。それはきっと主人公たちが12歳の少年少女であることとも切り離せない。単刀直入に感想を言うと、すごく良かった!!無駄に泣けたし(涙)。大好きな映画が増えました。

    ざっくり説明すると、いじめられっ子の孤独な少年オスカーが恋した隣家の少女は実はヴァンパイアでした、という話なのですが、このオスカー少年が、びっくりするほど可愛らしい!ザ・北欧系な感じの淡い金髪に真っ白な肌、赤い唇、中性的な顔立ちで、最初にフライヤー見たときは、この子がヴァンパイアの少女かと思ったくらい(笑)。

    一方ヴァンパイアの少女エリのほうは、どちらかというと東欧系の濃ゆい顔立ちに肌も浅黒く髪も黒でジプシーっぽい。失礼ながら、ヴァンパイアの少女と聞いてイメージする、メリーベル(ポーの一族)や、クラウディア(インタビューウィズヴァンパイア)のような、ゴシックなお人形系の美少女とはちょっと違う。でもそこが逆にリアリティがあるというか、物語が浮世離れしすぎなくて結果的に良かったのかなと、見終わった後は思うのですが。吸血鬼はもともと東欧が発祥の地だしね。

    少女のほうがたまたま吸血鬼だったというだけで、基本的には12歳の少年少女がその孤独な魂ゆえに出逢って惹かれあう、美しい初恋の物語です。残虐な殺人のシーンもあるけれど、ホラーという感じはあまりしません。北欧のしんしんと降りしきる雪景色が、すべてをファンタジーにオブラートしてしまう。

    残虐シーンよりむしろ怖いと思ったのは、少女の「パパ」の存在。エリは「パパ」と呼んでいるけれど、パパのほうは吸血鬼ではなく普通の人間で、40~50代。エリが200年以上生きていることを考えれば、彼が本物のパパであるわけはないのだけれど、そのことについて何の説明もありません。けれどラストシーン、エリと生きていくことをオスカーが選んだときに、ああもしかして、あのパパはオスカーの未来の姿だったのかも、と考えてゾッとしたんですよね。

    この先、オスカーが人間のままエリと生きていったとしたら、当然彼だけが年をとる。30年、40年と過ぎ去ったときに、少女のままのエリと、中年のオスカーの関係は、やはり父と娘だと偽るしかない。オスカーはすでにエリのために殺人に協力してしまっているし、この先もそうやって生きていくしかない。もしかしてあの「パパ」もかつては、エリに恋した孤独な少年だったのかもしれず(そう考えれば彼の献身も納得できる)、そしていつかオスカーもまた年老いて、別の少年にエリを奪われるのかもしれません。

    オスカーにとっての初恋は、エリにとってはそうではなかったのかも、そして彼女だけはずっと同じことを繰り返しながら生きていくのかも、と考えたときに、ただ純粋なラブストーリーであるだけでなく、一抹の皮肉を感じました。一筋縄ではいかない。

    あ、あともうひとつ怖い(?)こと思い出した!1ケ所だけ、ボカシが入るシーンがあるんです。エリの着替えをオスカーが盗み見する場面で、エリの股間の部分に。ボカシ部分は当然見えないので、普通に考えてまあヘアがだめだったのねと思ってしまいますが、実はこれ、無修正の本国版で映っているのは、去勢されたペニスの跡、だそうです(汗)。つまりエリは、女の子じゃなく男の子だったという…。

    確かに何度もセリフで、自分は女の子じゃないというようなことをエリは匂わせているんですが、事情を知らずに見る分には「吸血鬼だから普通の女の子じゃない」くらいの意味にもとれるので、まさかそんな裏事情があるとは思いも寄らず…。そうすると彼らの恋は、吸血鬼と人間という種族の差だけでも本来一筋縄ではいかない恋なのに、事態はさらに複雑だったわけです。

    人間じゃなくても愛せるというのなら、同性だということは大したハードルにはならないだろうけれど、それ(エリの去勢)が何を意味しているのかは謎のまま。それにしてもこれ、そうするとタイトルが詐欺ですね。200才の少女、なんてサブタイトルはつけないほうが良かったんじゃないのか。少女じゃないんだし。

    原題の「Let the Right One In」は、招かれたものだけが入れる、というような意味で、吸血鬼は人の家に「入っていいよ」って言われないと入れないという伝承を元にしているそうです。後半エリがオスカーの家を訪れたときに、オスカーが良いというまで入れないという描写が確かにありました。 映画だけだと明かされない謎の部分も多いので、原作読んだほうがいいかなあ。
    (2011.06.13)

  • 芸術作品がこんな形で歪められ破壊されたことに怒りを通り越して呆れてしまった。映倫と配給会社の担当者はエリちゃんに食い殺されればいいのに!!
    いや、スウェーデン王立工科大学出身のドルフラングレン様に首を折られて死ねばいいのに!!

    私は、芸術作品だけは大事にする国であって欲しいなと思っている。『バス男』だの色々あったけど、日本はひどい映画後進国だわ。50年代は映画先進国だったんですけどね。さらにひどいのは、『バス男』は改題されたけど『ぼくのエリ』のオリジナル版はいまだにDVDが出てないこと…。

    私は別に全ての作品のモザイクやボカシを取れとは言っていない。でもこれはいわゆる「ポルノか芸術か」論争以前の、なーんにも問題ないものが映ってるとこに修正を加えてるから腹が立つんです。しかもその場面は、この作品の核心部分の一番大切なところなのに。

    『200歳の少女』という邦題にも腹立つんですが、スウェーデン映画『ぼくのエリ』。原題は「正しき者を招き入れよ」という意味で、これの元ネタはザ・スミスのモリッシーのソロアルバムの曲名かららしい。
    リメイク版の原題はレットミーインで、これはエリちゃんのセリフにもあった「私を受け入れて」とか、あと「入っていいよ」と言われないと部屋になぜか入れないという設定でタイトル回収されている。

    良く言えば静謐だけど、基本的に退屈なのと、映画自体はあまり私の好みではなかった。ただ吸血鬼もの、ホラーなのでそのシーンの映画的爆発力は半端ない。
    これも良い映画の条件だけど、ジャンルが固定されない方が良いですね。この映画は恋愛&ドラマ&ホラーで、固定されてない。吸血鬼もの自体が性的なメタファーを有してると思うので、恋愛とホラーが元々混ざっているのもあるけど。

    この映画は原作者本人が脚本用にリライトしたそうで、そこが良い点だと思う。原作ではエリちゃんが吸血鬼になった理由などがはっきり書かれているそうだけど、映画では色々と省かれていてわかりづらい。だから解釈が様々に広がる。
    ただはっきりしているのは(これはもう言っていいと思うけど)この映画もLGBTやマイノリティものであるということ。
    『シェイプオブウォーター』や、あと『デッドプール2』なんかにも近い。デップーはパンセクシャルで不死身だしね。『小さな恋のメロディ』的でもあるけど、ラストシーンと雪はスコリモフスキの『早春』に似てる。

    時代設定は70年代末から82年の間ぐらい。劇中でブレジネフ書記長とテレビで言っているのと、クラッシュのポスターが貼ってあるので1980年前後。ちなみにトーマスアルフレッドソン監督の次作『裏切りのサーカス』も1973年でブレジネフ時代の話。
    エリちゃんはいったいどこから来たのか…私はソ連の衛星国から来たのかなと思う(ブレジネフドクトリン)。ドラキュラのモデルとなったヴラド3世はルーマニア人で、共産圏であった東欧、吸血鬼伝承のあるスラブ系地域と重なる。あるいは、エリちゃんを演じてる子はイラン系でもあるから中東、アフガニスタンあたりからかな…と、色々な妄想が膨らむ。

    先日観た『エスター』と『ぼくのエリ』は同時期ぐらいの映画。あとスウェーデンと言えば『ミレニアム ドラゴンタトゥーの女』とも時期が近く、監督のお兄さんはミレニアム2と3の監督なので、この頃スウェーデンホラーブームみたいな感じだったのかな。それと吸血鬼ものといえばトワイライトサーガも同時期なので、こちらもブームだったのかもしれないですね。

  • バンパイア。
    映画の歴史で何度と無く出てきたモチーフ。
    ここでも人は殺され、血は吸われる。
    しかしこの作品は決してホラーではなく
    北欧の厳しい冬にそっと聞こえる
    『小さな恋のメロディ』でした。

    トーマス・アルフレッドソン監督はこの後に撮る
    絶品「裏切りのサーカス」のときにも思ったが
    この作品でも必要十分なセリフと研ぎ澄まされた映像のピースで
    申し分の無い組み立てをするのだなぁと
    この監督、映像で語る術をわかってらっしゃる方なのだなぁ・・・と。
    深く深く感服しながらみていました。

    確かに、「ん?」というところもあるけど
    それを全部わかるように説明していては
    冗長な作品になってしまうのではとも思います。
    見る側の想像力や補完力も計算に入れて作った・・・とは
    少々穿った見方といえましょうか。

    ラスト・シーンもいいんじゃないかな。

    最後の水中カットのみのプール・シーン・・・
    列車でのツー・トン・トン・・・

    言葉にしない、見えない部分が物語る・・・

    拍手。

  • 寒々しく冷たい
    映像の質感。


    詩情さえ溢れる
    北欧の音のない
    白い雪景色。


    映画全体に流れる
    哀しみと寂寥感。


    久々にガツンとやられた映画です(>_<)



    二人だけの秘密の合図、
    『モールス信号』で
    心を通い合わせる二人。


    少年は少女に恋をし、
    そして次第に明らかになる
    少女の秘密。



    孤独な魂を共有するふたりが
    惹かれ合ったのも
    決して偶然ではなかったんだろうな。
    (恋や愛よりも、
    もっと深いところで繋がっているように思います)



    エリとの出会いが
    いじめっ子に立ち向かう勇気と
    恋心を彼に与え、
    オスカーの人生を変えていく。



    エリを演じた
    カールした黒髪と
    大きな瞳の
    リーナ・レアンデションの
    ふと見せる大人びた表情には
    本当にドキッとさせられました。


    透き通るような白い肌と
    金髪が印象的な
    オスカー少年には、
    カーレ・ヘンデブラント。


    思春期特有の繊細さ、
    不安定さを
    ナチュラルに
    うまく演じています。

    しかし二人とも
    無名の子役というから
    なんとも驚きです。



    エリの正体は?

    エリと
    パパとの秘密とは?

    そして
    オスカーとエリの関係は
    どういう結末を迎えるのか?


    美しい映像に
    いくつもの謎。

    アメリカの娯楽作品のように
    多くを語らず、
    余白を残した作りが
    観るものの興味を誘うし
    ホント上手いなぁ〜って思います♪



    早くもハリウッドで
    リメイクされたという話やけど
    観たいような
    観たくないような…(^_^;)


    この暗く美しい質感は
    ハリウッドでは
    絶対無理やろうし、
    まったく別物と思った方がよさそう(^_^;)



    流血シーンや
    ショッキングなシーンも当然あるけど、
    とにかくホラーや
    バンパイヤものというジャンル分けで
    避けるには
    あまりにも惜しい
    上質な作品だし、

    衝撃的なラストシーンも
    悲しくも
    エモーショナルに胸を打つ、

    本当に美しく官能的な、
    近年稀にみる傑作です♪
    (しかーし!話の主旨をねじ曲げかねない
    映倫によるボカシや、
    日本語のタイトルは
    ホンマにどうにかして欲しいです(`o´))

  • タイトルとあらすじに惹かれてずっと観てみたいと思っていた。ぼくのエリって部分に惹かれたのであって200歳の少女というのは正直どうでもよかった。
    映画を観る前にネットで色々見てたら「観た後にネットで検索をしないと分からない作品」と多々書いてあったのでその通りにしてみたら…
    なんてこった…
    「女の子じゃない」というのがヴァンパイアだから「ヒトではない」つまり「性別など関係ない生き物」という意味なのだと思っていたら、おい邦題!!そういうのやめろよ!!完全なミスリードだよ!!
    観た後には「ぼくのエリ」より「正しき者を招き入れよ」の方が絶対いいのに…とさえ思える。
    そういう恨みを込めて星を一つ減らした。他は本当に素晴らしかった。

    そこまでグロくないし雪に埋もれた閉鎖的な町に血と赤が映えて綺麗だった。
    オスカーは綺麗な子だな~と思うけどちょっと怖いのは彼の唇が真っ赤なこと。だから最初は彼がヴァンパイアなのかと思ってた。
    毎晩木に向かっていじめっ子を頭の中で殺すところは根暗だな~と思っていたけど、これこそエリの言う「貴方も私と同じ」なんだよね。誰かを殺したいと思っているところが最初の二人の共通点だったのかも。
    エリのオリエンタルな雰囲気は観ていくうちにヒトっぽさがないなと気づかされていく。
    自分の趣味がアレなのは自覚してますが、血まみれのエリがオスカーにキスをするシーンがものすごく好きです。

    エリの残した手紙はまるでオスカーもヴァンパイアになれば永遠に一緒にいられるけど、人間のままでいるなら一瞬しかいられない、というような響きを持っていた気がする。うろ覚えで手紙の内容がはっきりしない…

    ヴァンパイアと言えばにんにく、十字架、太陽…あと鏡に映らないとか?そういう程度の知識しかないので「家人に受け入れられなければ家に入ることができない」という掟?というか伝承?があるのは初耳だった。
    普通は捕食のためにヴァンパイアはそうするのだろうけど、エリがオスカーに「私を受け入れてくれる?」と訊ねるのはなんだか寂しくもあり素敵だなぁとも思った。
    エリを受け入れることによって何もかも共有したことになる、というのはオスカーにとっては幸せだったのかもしれない。メリバだね…

    エリの僕のおっさん…ホーカンは原作ではアレな部類の人間みたいですが、この映画ではどういう経緯があってエリに食事提供をしていたのだろう。
    オスカーとエリを見ていると、あまりエリとホーカンの間にはああいう絆がないように見えるんだよなあ。
    オスカーが最後にエリを連れて遠くへ行くというのは、まるでエリが次のホーカン、つまり次の僕として利用したというようにも見える。
    そしてエリが何故「原子力発電所が買える」ほどの宝を持っていたのか、オスカーが言うように盗品なのかもしれないけど、ホーカンのようなエリの僕が貢いだものでは…?とも思ってしまう。
    そうは考えたくないと思ってしまうのは、やっぱりオスカーとエリの二人が種族や性別を超えた絆を持っていると信じたいからなんだよね…でも本当にそうなのか…?と色んな考え方をしてしまう…そういう映画は大好き。
    お互いにまだ子どもの容姿をしているけれど、この先オスカーだけが成長していく中でお互いどういう風に生きていくんだろう。それこそホーカンと同じ末路になる気がしてならない。

    トワイライトみたいな感じだったら嫌だなと思ってたので(トワイライトが嫌いなわけではないけど)多くを語らず、視聴者に判断を委ねるような描写を作るのはとてもいいと思った。
    そういうモヤモヤっとした余韻を残して結末を迎える作品、すごく美しかった。また観たい。

  • 【コメント】
    少年と少女。血生臭くて残酷で切ない物語り。

    *** ボカシとミスリード
    エリが着替えるところをオスカーがのぞき見するシーンで、
    エリの局部がアップになるが、ボカシが入っていて肝心な
    ところがまるで見えない。日本では普通なことなので
    サラッと見てしまったけれども、実は作品として重要な意味を
    持っていた。

    このことが、エリの言葉にあらわれる。
    オスカーの「ガールフレンドになってくれ」という言葉に、
    エリは「いまのままの関係がいい、ガールフレンドになれない」
    とこたえる。

    *** モールスに思いのせて
    オスカーとエリは、アパートの隣り合った部屋に住んでいる。
    一枚の壁を隔て、ふたりは壁をたたいて言葉を交わし合う。
    近くて遠い微妙な思い。
    ※ちなみにモールスは映画の元となった小説のタイトル。

    *** タイトルとミスリード
    Let the Right One In.
    これはこの作品の英語版のタイトル。

    この作品を鑑賞後、余韻に浸りながら、この後に続いていく
    物語りを想うとき、邦題と英題で印象がかなり変わってくる。
    「邦題」からは「これからはじまる、一途なふたりの放浪の旅」
    というロマンチシズムを真っ先に思い浮かべるが、英題からは
    「この後に続く血なまぐさいみちのり」を心配させる。

    そして、オスカーの末路を想うとき
    「エリの父親としてかしずいていた男」が頭をよぎり
    ゾッとするのである。

    淡々と流れるエンドロールの背景は、
    いつしか黒から意味ありげに赤く染まっていく。。。

    【内容】
    少年オスカーとバンパイアの少女エリの物語り。

    いじめられっ子のオスカーは、ある夜ひと気のない公園で、
    樹の幹にナイフを突き立てているところを、エリーに見咎められる。
    それが出会いの切欠。エリは、オスカーが口を開くよりも先に
    見透かしたように云う。「悪いけど友だちにはなれないよ」と。
    それでも重ねる夜はふたりを近づける。

    。。。けれども、ある日気づいてしまう。
    エリがバンパイアであることを。。。

  • すごい映画です。作中ですべてを語らず、見るものに想像をゆだねるが、その未来像はおそらく間違っていないと確信させる脚本の妙。映画の魅力と可能性を堪能できる作品です。血を吸った後のエリが哀しくも美しい。

    『ぼくのエリ 200歳の少女』(Let the Right One In)は、2008年のスウェーデン映画。ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストによる2004年の小説『MORSE -モールス-』を原作者自らが脚色した吸血鬼映画である。原題は「正しき者を招き入れよ」という意味。
    核心部分の描写について本国では無修正で放映されたが、日本ではポルノ映画ではないにもかかわらず上映時にボカシ修正が入れられており、アミューズソフトエンタテインメントから販売されたセル盤も修正が入れられている。
    ストーリー:
    ストックホルム郊外に住む12歳の少年オスカーは母子家庭でどこにも居場所がない。オカルトや猟奇事件に興味津々で犯罪関係の本ばかり読み漁っている。学校ではクラスメイトから執拗なイジメを受けており、仕返しする勇気も持てないままポケットにナイフを忍ばせ、妄想の中で復讐にふけるばかりだった。アルコール依存症の父親は家を出てしまい、一人きりになりたいときは雪の積もるマンションの中庭で過ごしていた。
    ある日、隣の部屋に親子連れが引っ越してくる。そして、オスカーは夜の中庭でミステリアスな雰囲気を持つ「エリ」と知り合う。エリは学校にも行かず、孤独がちだった。二人は自然に惹かれ合っていく。
    その頃から、オスカーの家の周囲で殺人事件が相次ぐ。被害者は逆さ吊りにされ血を抜かれていた。また、ある男性は深夜に友人が女の子に襲われ、その後行方不明になるのを窓から目撃していた。
    オスカーへのイジメは次第にエスカレートしていた。エリはやり返すようにオスカーを後押しする。オスカーは自分を鍛えるためトレーニングに通うようになる。また、二人はいつでも連絡が取り合えるようモールス信号を勉強するのだった。
    ある晩、エリの父親は若者の襲撃に失敗する。彼はエリの本当の親ではなく、殺人を犯してエリのために血液を集めていたのだ。彼は身元を分からなくするため用意した硫酸を自ら浴びる。逮捕され病院に収容された彼はエリの前で命を絶つ。それはエリにとって破滅へのカウントダウンが始まったことを意味していた。
    一方、スケートの課外授業で凍る湖に入るよう命令されたオスカーはイジメっ子にやりかえす。親には怒られたがオスカーはそのことに自信を深め、エリに告白する。自分が普通ではないと言うエリに対しオスカーは「今まで通りならいい」と告げる。二人は同じベッドで一夜を過ごすが、朝になるとエリは謎の置き手紙を残して消えていた。
    その後、オスカーはエリの知られざる秘密を知ってしまう。(ウィキペディア)

  • んんー、いい。「いい」しか言えない。見終わった後、鳥肌が立ってしかも色んなことを考えてしまった。切ない余韻が残る映画。映像では描かれない部分を、自分の想像で埋める作業がはかどる映画だった。(本で例えるなら行間を読む的な)。
    オスカーとエリ。見てよかった。ハヤカワ本のタイトルは『MORSE -モールス-』。素敵だぁ…。

    ☞『MORSE -モールス-』

  • 気になっていたのをようやく見れた。
    まず主人公の男の子、抜けるような肌の白さに驚く…とっても綺麗。
    いじめられっ子の主人公が吸血鬼のエリと出会い、強くなろうと変わっていく。
    ただ、ラストは再び仕返しされる中、エリが助けてくれるのだが、プツリと終わってしまって物足りない。

    邦題の副題に200歳の少女とあるが、劇中では触れられず…エリが200歳なら、父親だと思っていた男性はもしや違う?
    主人公と同じように、少女に恋をして自分だけ成長し、エリを守っていたのかも…とすると、主人公の運命も想像が出来てゾゾっと背筋の凍るものがある。
    良く出来た設定…

    エリに吸血されるも、助かった女性が日の光に弱くなり、猫に襲われたりと、普通と違っていく様も淡々と描かれる。
    でも吸血鬼が猫に襲われるのは初耳で、そんな設定あるのかな?調べても分からず。
    招かれないと家に入れない吸血鬼、という設定はあったねそういえば、と思ったものの、死んでしまうのか…と驚いた。
    原作も気になる。

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