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- / ISBN・EAN: 4547462074478
感想・レビュー・書評
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有名な映画、有名な歌、クワイ河マーチ。口笛の音も軽快だが、やはり始めは日本軍の描き方がどうにも見ていて見心地が悪くつらかった。
1943年、タイとビルマ国境、まだ日本軍が後退していない時期、イギリス人捕虜を使い泰緬鉄道でクワイ河に橋を架ける話。勝ってる側、捕虜になった側、戦時下の軍人としての、人間としてのプライドが描かれる。もちろん捕虜を国際法規通りに扱わない日本軍も描かれる。物語の最後、どすんとくる結末。
原作がピエール・ブール(1912-1994)「戦場に架ける橋」とあり、調べると、なんと!! 「猿の惑星」の作者でもあった。どうりで結末の「あっっ!」という腹にくる感じが同じだ。映画というか本はブールの体験をもとにしているともあるが、フランス人であり仏領インドシナでフランス軍に徴兵されたとあるが実際に橋建設をしたわけではないようだ。イギリス人捕虜「も」使って橋を架けた、橋は何度か爆破された、という事跡をもとに創作されたブールの小説だ。
日本軍の責任者斎藤大佐は早川雪舟。
1957英米合作
2022.5.14BS12
検索するとこのこの橋を題材にした映画は何作かあった。
「クワイ河に虹をかけた男 」2011日本- 永瀬隆(通訳だった)を取材したドキュメンタリー映画。
「エンド・オブ・オール・ウォーズ」2001アメリカ - アーネスト・ゴードンの自伝『クワイ河収容所』を映画化。
「レイルウェイ 運命の旅路」2013オーストラリア・イギリス - エリック・ローマクスの自伝『泰緬鉄道 癒される時を求めて』を映画化。
小説
リチャード・フラナガン『奥のほそ道』 - 2014年度、ブッカー賞を受賞詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今更ながら鑑賞しました。文句のない良作。結末とかも複雑な気分になる。けど、これが戦争の現実なんだろうな、とも。日本の描かれ方もきっとリアルなんだろうし、いろいろ考えさせられました。
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さすがの名作。カメレオンのように舌が巻き上がる。
日本軍のクレイジーぶりは「戦場のメリークリスマス」の方に軍配が上がるかな。
こちらの日本軍将校斎藤さんは、ロンドンのエコールテクニックに三年おられたとかで。部屋に床の間みたいなのがあって、よくわからないけど絵がかけてあって、壺には南天みたいな枝が生けてある。随分風流なことで、イギリス軍将校を懐柔する際も、コンビーフとかスコッチとか、葉巻だとかがどんどん出てくる。
橋はとてもきれいに出来上がっていたけど、全部木造なので、鉄道に耐えられるのかなという心配は多少あった。
軍医と言うのは国際法的にどのような立場なのだろう? 斎藤さんに命令されたりしていたけど。 -
ニコルソン大佐の将校としてのプライド、交渉力が斎藤を動かす。でも、いつの間にか、橋の建設が大佐の目的になり、結局、志願ということで将校の労役を認めてしまう。
一方、シアーズ中佐は脱走に成功。その後、決死隊に参加するくだりは、結構コミカル。
ラストは悲劇的な結末。そこに流れる軽快なクワイ河マーチが、いっそう哀しい。 -
TVにて
戦争映画なのに、ハッとするほど美しい風景が広がって、その落差に胸が締め付けられます。
日本人がやっぱり変で気になって仕方がない。違和感が拭えない。 -
先日、午前十時の映画祭で上映していた『戦場にかける橋(原題:THE BRIDGE ON THE RIVER KWAI)/1957』を観ました。
『大脱走』に続く、155分の長篇戦争映画でしたが、全く長く感じませんでしたね。
-----story-------------
巨匠「デヴィッド・リーン」が、第二次大戦を背景に戦争の愚かさと人間の尊厳を描き出した不朽の名作。
タイとビルマの国境近くにある日本軍の捕虜収容所では、連合軍捕虜を使って、国境に流れるクワイ河に橋を架ける準備が進められていた。
だが、英軍大佐「ニコルスン(ギネス)」はジュネーヴ協定に反するとして、所長の「斎藤大佐(早川雪洲)」と対立。
一方、米軍捕虜の海軍少佐「シアーズ(ホールデン)」は脱走を試み、辛くも収容所を後にした。
英軍大佐の気骨に共感した所長は、捕虜の恩赦を条件に再度協力を要請。
捕虜たちに生きがいを与えようと考えていた大佐はこれを承諾し、こうして建設工事が始まった。
だが同時に、生き延びた米海軍少佐の手引きによって、連合軍による架橋爆破作戦も開始されようとしていた……。
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極限状態における人間の尊厳と名誉、それらを戦場で守ろうとしたときの矛盾… 戦争の惨さや愚かさを改めて感じさせる作品でしたね。
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英軍大佐「ニコルスン」が兵を働かせるとき、
○目標を明確にする
○仕事に誇りを持たせる
○競争原理を取り入れる
の三点を実行して、規律の乱れた捕虜達を律して、計画的かつ確実に橋の設計・施工を進めるところは、仕事のマネジメントに通じるものがありましたね。
判断力、指示の仕方等も含めて、軍隊の統率力というのは、日常業務にも通じるモノがありますね。
ちょっと話は脱線してしまいましたが… 誇りを持ち、与えられた任務を全うするところは、英軍捕虜、日本軍、英軍挺身隊のそれぞれに共通するところで、目的達成のために犠牲を厭わないところに、戦争の惨さや愚かさを痛感しました。
何が正しくて、何が誤っているのか、、、
それぞれの立場や考え方があり、判断がつかないですね。
そして強烈に印象に残ったラストシーン、、、
自分達が汗水たらして作った橋を皮肉にも自らの手で破壊することになった「ニコルスン」大佐… このラストシーンは全身に鳥肌がたちました。
主義や信念を貫き通そうとした「ニコルスン」大佐も、仲間の英軍兵士を死に至らしめたことで矛盾を感じながら、死んでいったのかなと思います。
あぁ… 戦争って虚しいです。
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監督: デヴィッド・リーン
製作: サム・スピーゲル
原作: ピエール・ブール
脚本: カール・フォアマン
マイケル・ウィルソン
撮影: ジャック・ヒルデヤード
音楽: マルコム・アーノルド
出演:
アレック・ギネス ニコルスン隊長(大佐)
ウィリアム・ホールデン シアーズ
早川雪洲 斎藤大佐
ジャック・ホーキンス ウォーデン少佐
ジェフリー・ホーン ジョイス
ジェームズ・ドナルド 軍医クリプトン
アンドレ・モレル グリーン大佐
アン・シアーズ
ピーター・ウィリアムズ
ヘンリー大川 -
”いかにも”な斎藤が協調性があって驚きました。
立ち位置の違う3人の視点から物語が進んでいきましたが、ラストで脱力。ああ、これが戦争、と思う。 -
♪サル♪ゴリラ♪チンパンジー♪の映画。たけしや坂本龍一のは「戦場のメリークリスマス」なので注意。
第二次大戦当時、日本軍の捕虜になったイギリス軍中佐は日本軍の所長を相手に一歩も譲らず、捕虜としての尊厳を訴える。所長との根競べを経て、中佐達は自分達の生きる目標、軍人の誇りとして日本軍の橋の建設に全力を注ぐ。日本軍と対等な関係で橋を築きあげるが、そこに脱走兵に案内されたコマンドー部隊が橋の爆破に来て。。。
この映画は何とも不思議だ。誰の考えにも不思議に共感できる。人間のしての尊厳を持って、敵軍の橋を精一杯作り上げるイギリス軍中佐、その橋を爆破しようとする米軍兵士。日本軍の所長も嫌いになれない。
でもラストに、ここが戦場だという現実が全てを混乱に陥れる。この結末が示すのは戦争の愚かさか、それとも。。。
♪サル♪ゴリラ♪チンパンジー♪ 人間は本当に愚かな生き物だ。。。 -
そうはならないだろうと思う方に倒れた、ありえない結末。日本兵と英国兵の話だと、自然と日本兵の側として見てしまうけど、日本兵のよくないところをわかりやすく描いていたこと、また戦時中という点や他国の人間と何かを成し遂げることへの慣れ、同じ国の人間が軍人と捕虜の立場で対立する構図、橋をかける意味とかけ方のアプローチとか、基本的に比較しやすい2例がいつも出てくるのでケーススタディのしやすい映画だと思いました。日本ではきっと見られない規模の大自然を空を舞う鳥のシーンで感じたり。スケールの大きな、いい映画だと思いました。