八日目の蝉 通常版 [DVD]

監督 : 成島出 
出演 : 井上真央  永作博美  小池栄子  森口瑤子 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.77
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感想 : 552
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427649347

感想・レビュー・書評

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  • 原作を読んだのはとうの昔なんだけど、まざまざとストーリーが蘇った。

    誘拐犯 希和子と幼い薫が親子のように慎ましく和やかに暮らしを紡ぐシーンも、その裏に本当の母親の気の狂わん程の日々があったかと思うとやるせなくなる。

    薫(恵理菜)も実の母親も悪くない。
    じゃ希和子が1番悪い?
    いやいやいや。
    自分の快楽の末に軽く「堕ろして」なんて言える男、実の所たくさんいると思う。許せない。

    それでも、恵理菜はそんな男の子供に救われたんだね。

    逮捕されてなお、謝罪の言葉をする事ができない希和子は結局自分の理想しかなかったのだろう。
    薫にすら謝罪できない想像力の欠如は。やっぱり希和子は壊れている。

    「美しいきれいなものをたくさん見せたい」って。
    小豆島のシーンは泣けたなぁ。

    小池栄子の役作りにも気迫を感じた。

  • 原作を読んでいたので結末がどうなるのかも知っているのに、希和子と薫、でいさせてあげたかった。

    憎むべきは不倫クズ野郎。女癖の悪い嘘つき男の子だけは身籠りたくないな…そもそも男の口車に乗ってはいけない。

  • 形は歪んでいたのかもしれないが、
    愛し、愛されたかった。

    だからこそ、
    世界が美しいのだということを、
    伝えたかった。
    歪んでしまったけれども、
    世界が美しいのだと伝えたかった愛情は、
    確かに伝わっていたんだ。

    誰も、憎みたくなどなかった。
    そうして、愛され、愛したかった。



    何度観ても涙してしまう。

  • ドラマと違って、徹底的に「男」を排除してるように思えた。
    説明っぽいシーンも少ないので、心をとにかく揺さぶられる。
    映像的には、圧倒的にNHKのドラマの映像が美しかったけど。
    映画、独特の映像と、ムダなセリフの少なさと
    井上真央と永作博美の演技が光ってた。


    原作を読んでるときにも、野々宮希和子はアタマの中で
    永作博美をイメージしながら読んでしまったので
    もしかしたら、映画、見たかもしれないと思ったほど
    この小説には、移入してた。

    生後6ヶ月で、父の愛人である野々宮希和子(永作博美)に
    誘拐され、4歳まで育てられるという
    衝撃的な人生。

    でも、ミツゴノ魂百までも。
    というだけあって、
    キワコは、本当の母よりも母親らしく
    愛情たっぷりに、その子、
    薫(井上真央)を育てていたのだ。


    誘拐してから、途方にくれ、
    近くの薬局でおむつを買ったりするときに
    薬局の人から、助言もらったりするシーンが
    原作にはあるんだけど、
    細かいシーンは、一切はぶいた
    キワコと薫。
    二人の心情を中心に描かれた、この映画は
    本当に素晴らしかった。


    学生時代の友人に助けられ、
    宗教ではないとしながら、ボランティア団体を自称する
    「エンジェルホーム」での生活。
    転々としながら、薫と、ただ一緒にいたい。
    それだけを思いながら、生きるキワコの
    許されない母性。


    そのまま、薫は、キワコと一緒にいたほうが
    シアワセだったんじゃないだろうか。とさえ
    思わせてしまうほど、穏やかな小豆島での生活。


    自分が被害者で、世間の目をあび
    他人のような不確かさな思いを実の母に感じながら
    また、実の母親も、夫の不倫と、愛人の堕胎と
    実子の誘拐と、いくつもの大きな傷をおいながら
    どんな気持ちで生きてきたのか。


    冒頭、実母である秋山恵津子(森口遥子)の
    アップが映し出されたとき、
    森口遥子じゃないんじゃないかと思うほどの
    <美しくない女>だったのが印象的。

    薫。本名、恵理菜(井上真央)が
    自分の本当の気持ちに気づくキッカケとなった
    エンジェルホームで一緒に育った千草 ( 小池栄子)の
    再会によって、その「思い出」が明らかになっていくのだけど。
    小池栄子の、猫背な姿。エンジェルホームで受けた心的影響。
    これまた、すごいな。色んな役をこなせる女優になったんだな~と感じた。

    ドラマも映画も、どちらも良かった。
    個人的には、やっぱりキャスティングも演出も
    映画のほうが良かったかな。
    何より、原作が良すぎて、夢中になって読んだものだったので
    どちらも裏切らない映像表現で
    素晴らしかった。

  • 長い映画は嫌いなんだけど、これは長さを忘れて見入ってしまったのを覚えています。
    日本映画で長さを忘れさせてくれるなんて、とてもレア。

    -------------
    2016/4/16 鑑賞

    最初っから最後まで引き込まれて見ました。

    失礼ながら、永作博美さんがやたらに人気がある理由が分からない…とずっと思っていたけれど、この映画ですっかり納得。すごく良かった。

    物語は前半と後半でテーマが違っていて、前半は女の中にある狂気の数々(←1つではないところがミソ)を描いていますが、後半はまるで交響曲が楽章ごとに曲調を変えるみたいにガラリとトーンを変えて、誰かに全身全霊をかけて愛されるということが一体どういうことなのか、が描かれています。
    その2つの印象があまりに違うせいか、見終った時、どっち寄りの感想を持てばいいのか少しとまどってしまい、若干モヤモヤします。
    でも、文句なくおもしろかったです。

    前半は、出てくる女、出てくる女、みんなが何かしら問題を抱えていて、少し狂っている、という設定。
    どう考えてもみんな普通じゃないのだけれど、なぜか彼女たちの「狂気」の部分は自分の中にもあるかもしれないな、と思わされる。
    私は登場人物の誰とも似ていないのに、彼らの狂気にそんな風に普遍性を感じてしまうなんてすごいなと思った。

    後半は、ただただ美しくてはかなくて切ないです。
    小さい頃に、親から愛されて育つということがどんなにすごいことか、それは物質的豊かさを凌駕し、恐怖やトラウマや何もかもに打ち勝つくらいの力を持つんだということが描かれています。
    心から人を愛するということは、人を根底から揺るがすくらいにすごいのだということ、ただ愛するだけでいいんだ、ということを思い出させられました。

    ということで、映画はとてもおもしろかったのだけど、でも内容が内容だけに、原作まで読みたいとは思わなかった。大前提の設定があまりにも理不尽で。

  • 子育て中の私。大事な子供を誘拐される側の母だったら、愛した人の子を誘拐して育てる母だったら…両方の母の気持ちが解る気がする。

  • 胸が苦しい。。
    愛情を注いでくれた人が、子供にとっては、いつだって味方でお母さんなんじゃいか?。。

    実の子じゃなくても、あんだけ愛情注げるもんなのか?とも思ったけど、
    お母さん
    と慕ってくれる子供をかわいくないと思える人なんているもんかと思って合点した。

    幼少の薫役の子、可愛いなぁ。。

  • 愛人の妻が産んだ赤ちゃんを誘拐し、育てると言う物語。道徳的には許される事ではないが、子供にかける
    愛情に感動する。誘拐された妻は精神状態が不安に。育った香川の島で自分を取り戻していく主人公。2012年度NO.1映画

  • 俳優さんの演技が素晴らしい。
    客観的に見るとなんでこんな男がいいんだろう?って思ってしまうけど、優しいだけの男に惹かれる気持ちも分からなくもないというか、弱ってるときとか絆されそう。強く生きたい。

  • 何も期待しないで観ましたがかなり良かったです。

    感動させる気満々の作品が私は大嫌いなのですが
    そういったいやらしい感じがなくて
    役者に演出に引き込まれ、不覚にも涙してしまった。

    キャストが最高だったと思います。
    永作、井上、森口各氏が良いのはもちろんですが
    小池栄子がかなり良かったなー。
    説明なくてもわかるキャラクターでした。
    井上さんも、ああいう役だと若い女優さんってどうもやりすぎてしまう感がありますが
    崩れそうで強い、とてもいい力加減だったと思います。すばらしい。

    最後はヘタに会いに行かなくてよかった。
    希望が持てて良かったと思います。

    しっかしあの薄っぺらいエンディング曲はなんとかならなかったんですかね。
    実にもったいない。

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