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- / ISBN・EAN: 4523215036405
感想・レビュー・書評
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すごく〇〇、といったことはないのですが、定期的に観たくなる作品。
ただでさえ人の心は薄い層がたくさんの感情が折り重なっているのに、そこに立場や環境等が加わってさらにややこしくなるし、一筋縄ではいかなくなる。それを暑苦しくなく静かにわからせてくれる映画。
北野作品に似た独特の余韻が残るラストの空気感が好きです。今回も終わった瞬間涙がポロッと出てきました。
本の行間を読む、の映画版だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
MERRY CHRISTMAS, MR. LAWRENCE
1983年 日本他 123分
監督:大島渚
原作;ローレンス・ヴァン・デル・ポスト「影さす牢格子」「種子と蒔く者」(『影の獄にて』収録)
音楽:坂本龍一
出演:デヴィッド・ボウイ/トム・コンティ/坂本龍一/ビートたけし
https://oshima2021.com/
1942年、日本統治下にあるジャワ島の日本軍俘虜収容所。ストイックで厳格なヨノイ大尉(坂本龍一)、暴虐ながら人間味のあるハラ軍曹(ビートたけし)らは俘虜たちの統率に苦心していた。俘虜ながら日本文化に通じており日本語堪能なロレンス中佐(トム・コンティ)は通訳を務めていたが、ある日彼と旧知のジャック・セリアズ少佐(デヴィッド・ボウイ)が収容所に連行されてくる。美しいセリアズの存在がヨノイ大佐の心を乱し…。
クリスマスなので数十年ぶりに名作映画を観なおしてみる。いつ見ても坂本龍一の音楽がとにかく良い。役者としての演技力はもちろんイマイチだけど、アーティスト独特の異質な存在感があり、中途半端に演技の上手い俳優よりもこのキャスティングで正解だよなあと思わされる。今や世界のキタノにまでなった北野たけしが芸人ビートたけし当時に出演しているのも同様。上手い下手では語れない存在感がある。
そしてなんといってもデヴィッド・ボウイ!!!とにかく美しい!!ヨノイ大尉が一目で心奪われるのも納得。花をむしゃむしゃ食うボウイ、ヨノイのうなじにキスして失神させちゃうボウイ、弟との回想シーンでの寄宿学校のボウイ、どのボウイも美しくてボウイ堪能映画としては最高峰でしょう。
戦争映画だけれど、テーマは戦争ではなくもっぱら男たちの愛憎と友情。しかしそこから戦時という非常時の人間性がにじみ出てくる。セリアズとヨノイのカップルはもちろん美しいけれど、ハラとロレンスの交流もとてもいい。タイトルになっている台詞をラストシーンでいうのはハラ軍曹だもんね。なんだかわからないままその場面で涙が止まらなくなる。やはり名作。 -
中学生ではじめて見て、衝撃のあまり口も利けなかった。・・・純情だったあの頃(笑)。戦争映画なんか大嫌いですが、これだけは特別です。本作でデビッド・ボウイに惚れてしまったとか、音楽が素晴らしいとか、ビートたけしの真の才能にびっくりしたとか。・・・個人的に大好きすぎる映画。
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「本作でデビッド・ボウイに」
私の知り合いに、そのような方が一杯居るコトを考えても、そうなるのが自然だと思います。
しかしボウイが不運なのは...「本作でデビッド・ボウイに」
私の知り合いに、そのような方が一杯居るコトを考えても、そうなるのが自然だと思います。
しかしボウイが不運なのは、本作と「地球に落ちて来た男 」くらいしか素晴しい作品が無いに等しいコトかなぁ、、、でも格好イイです!2013/03/01
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1942年、日本統治下にあるジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所で、朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)がオランダの男性兵デ・ヨンを犯す。日本語を解する俘虜(捕虜)の英国陸軍中佐ジョン・ロレンス(トム・コンティ)は、ともに事件処理にあたった粗暴な軍曹ハラ(ビートたけし)と奇妙な友情で結ばれていく。
一方、ハラの上司で所長の陸軍大尉ヨノイ(坂本龍一)は、日本軍の背後に空挺降下し、輸送隊を襲撃した末に俘虜となった陸軍少佐ジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)を預かることになり、その反抗的な態度に悩まされながらも彼に魅せられてゆく。
同時にカネモトとデ・ヨンの事件処理と俘虜たちの情報を巡り、プライドに拘る空軍大佐の俘虜長ヒックスリー(ジャック・トンプソン)と衝突する。東洋と西洋の宗教観、道徳観、組織論が違う中、各人に運命から届けられたクリスマスの贈りものが待っていた。
捕虜から敵の情報を得るために厳しい待遇をするヨノイ大尉と障害者である兄に酷いことをした罪悪感を持ちながら誇り高いセリアズ、ハラ軍曹とローレンスの信念も民族も違う者同士の対立と友情そして贖罪のドラマを丁寧に描いた傑作戦争映画。
中盤とラストに彼らに訪れたクリスマスの贈り物が、切な過ぎます。
「メリークリスマス、Mr.ローレンス」
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デヴィッド・ボウイがイケメン。
一般人を囚人役と看守役に分けて生活させると…っていう実験を扱った映画があったけども、この映画の日本兵と捕虜たちも同じような関係だわ。みんなちょっとずつおかしくなっている。 -
昭和映画、そして大島渚監督の凄さを感じられる作品でした。
大島作品らしい、ほんのりとした同性愛の香り、上手すぎない演技で「本当の人間」を演出する手法が、この作品を有名にしている要素なのは確かだと思います。
北野武も坂本龍一も演技がイマイチと評されますが、大島作品には演技している人間はいらないのです。「映画」として観るから彼らに違和感を感じるだけで、人間が一生懸命その場で生きているのであれば、それが正しいのが監督の世界観なのでしょう。なんだかんだで、あのラストシーンが観た人の心に種を撒いているのだから、してやったりでしょう。
戦闘シーンがまったくなく、俘虜というテーマで日本の戦争と終戦を描いたのも、戦時を生きた監督なりの視点なのではないかと思いました。 -
何回も冒頭だけ観てやめてしまっていたけど、ブラックレイン観てる途中で思い出して観たくなって勢いの二本立て。
こんなに有名な作品なのにちゃんと観たのは初めて。初めてのことが多い。セブンアップも昨日初めて飲んだ。
これが坂本龍一?!美しい…
観ながらなぜか二重整形のことを考えていて、ラストシーンを観て片目だけ一重な不完全さも美しくて愛せるなと思った。
誰も誰のことも恨んでなくてファンタジーだとしても美しい話だった。愛についての話だと感じた。