大鹿村騒動記【DVD】

監督 : 阪本順治 
出演 : 原田芳雄 
  • TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
3.41
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988101160907

感想・レビュー・書評

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  • 長野県大鹿村で
    シカ料理店「ディア・イーター」を営む
    風祭 善(原田芳雄)は
    300年続く村歌舞伎の花形役者。


    公演を5日後に控えたある日、
    18年前駆け落ちした
    善の妻・貴子(大楠道代)と
    幼なじみの治(岸部一徳)が
    ひょっこり帰郷。

    静かな村に動揺が走る…。




    いやぁ〜噂には聞いてたけど
    百戦錬磨のベテラン役者たちによる
    オヤジ(オバサン)パワー炸裂の
    大人の喜劇であり文句ナシの傑作!



    口は悪いが義理人情に熱い
    村歌舞伎の花形役者を
    封切り直後に亡くなった
    名優・原田芳雄が
    最後の輝きを出し尽くすような
    最高の演技を魅せてくれる。


    気が弱くて無責任な男を
    相変わらずの怪演で
    観る者に笑いを届ける岸部一徳。


    そして老化による
    記憶障害の妻という難しい役を
    チャーミングにこなした大楠道代。


    大きな身体をした
    子供みたいな三人が
    無性に可愛いく見えて仕方がなかった(笑)




    酔っ払った善が
    「木綿のハンカチーフ」を歌う場面や

    トンカツに醤油かソースかで夫婦仲が分かる話とか

    台所で貴子がご飯をよそい
    善がカレーをかける共同作業のシーン、

    郵便配達員役の瑛太が
    カマドウマに驚き
    バイクで転ける場面や

    橋の上で村役場総務課の女性職員(松たか子)が
    貴子に強烈ビンタを喰らうシーン、

    貴子が万引きしたのは
    善が大好物のイカの塩辛の瓶詰めだったエピソード

    などなど
    笑えるシーンや
    胸に残る印象的なシーンが目白押し。



    他にディア・イーターで働く
    性同一性障害の若者、
    大地雷音を演じた冨浦智嗣、

    貴子の父役の三國連太郎、
    (佐藤浩市との親子共演!)

    原田の大親友でもあった石橋蓮司、
    でんでん、小野武彦、小倉一郎など
    サポート陣がみな
    素晴らしい好演。



    生前、原田芳雄本人が熱望していた企画だけに
    役の台詞が原田本人と同化し
    後半は泣けて泣けて仕方なかったなぁ〜(>_<)



    しかし実在する大鹿村の村歌舞伎
    いい伝統ですよね。

    観客も役者も一体となって
    一つのものを作り上げる「芸能の原点」に
    原田さん同様に
    自分も心奪われました。
    (主題歌がまた忌野清志郎というのも粋な演出!)

  • 南アルプスのふもとにある長野県大鹿村でシカ料理店を営む風祭善(原田芳雄)は、300年以上の歴史を持つ村歌舞伎の花形役者。公演を間近に控えたある日、18年前に駆け落ちした妻・貴子(大楠道代)と幼なじみの治(岸部一徳)が現れる。脳に疾患を抱え記憶を失いつつある貴子をいきなり返され戸惑う善だったが……。
    「シネマトゥディ」より

    けっこう村歌舞伎の場面が長い.伝統ある歌舞伎は村の人が主役になって上演されるところが最大の魅力.
    悲喜交々がなんとまぁ、あるあるな感じなのか?18年前に駆け落ちして村を出て行った妻と幼馴染を受け入れるしかない状況に同情するも、滑稽なドタバタ劇に、なぜか「生きる」ということについて教えられる気がする.人生、何があるかわからないんだよねぇ.いろいろあっても受け入れるしかないんだよねぇ.そんな感じ.

  • 原田芳雄、三國連太郎、佐藤浩市、エンディング忌野清志郎というキャスティングに魅かれ鑑賞。コミカルで温かくて見てよかったなぁと思える映画でした。舞台は長野県大鹿村。主人公善は村に300年以上も伝わる「大鹿歌舞伎」の花形役者。歌舞伎公開まであとわずか。そんなある日、18年前に妻を奪って駆け落ちした善の幼馴染・治が村へ帰ってくる。脳に疾患を抱え、記憶障害となっている妻・貴子を連れて…。痴呆のような症状が出ている妻と暮らすのはかなりヘビーなはずなのに、映画を見ているとどこか可笑しみがあって、ほっこりした気持ちで見られました。歌舞伎のシーンがたっぷりで歌舞伎の物語が本筋のストーリーと重なるのも良かったです。村の歌舞伎、親しみやすくて見てみたいと思いました。「好きなものを見れるなら嫌 なものでも見る。」という雷音くんの台詞が心に残りました。原田さんの遺作となってしまった本作。思い出に残る映画でした。

  • 悲しいことに原田芳雄の遺作となってしまいましたが、原田はじめ、岸部一徳、大楠道代、三國連太郎、石橋蓮司、佐藤浩一、松たか子など、日本映画の最高の俳優たちによる、味わい深くて文句なしに愉しめる、大好きな映画です。
    舞台は300年続く歌舞伎を誇りとする長野の農村。男手ひとりで鹿肉食堂を経営する「善ちゃん」(原田芳雄)のところへ、痴呆症が出て手に負えなくなったから「返す」と、妻のタカコ(大楠道代)を連れて逃げた「オサムちゃん」(岸部一徳)が帰ってくる。この2人のすっとぼけた掛け合いが、もう最高。いろいろと確執を抱えつつも臨む村歌舞伎のクライマックスシーンには、大きな拍手と歓声を送りたくなります。シベリア抑留の体験を抱える歌舞伎保存会会長役の三国連太郎も、実にいい味わい。地味ながら日本映画の最良の質を味あわせてくれる大人の映画ですね。

  • 原田芳雄の遺作。声をはりあげ、いきいきと歌舞伎を演じる姿が嬉しいとともに、そんなに頑張らないでくれ、身体張らないでいいからもう1本でてくれよ、、、とも思ってしまうのも正直なところで。
    ストーリーはご都合主義感も否めないが、晩年の三國連太郎をはじめ、芸達者ぞろいで、表情やら舞台のセリフでいろんなことを表現してしまう、押しつけがましくない小気味よい作品。

  • 2014/03/09
    じいさん達のドタバタ劇。
    大人になって年をとって、いろんな事が変わっていくんだろうけど、変わらないものは絶対にあるんだろうなぁ。
    そう思うとなぜか少し安心する。

    最後の佐藤浩市にキュン。笑

  • 面白いですよ、そりゃあ。

    これだけの俳優揃えれば。

    しかし、監督が半端な人じゃだめだったでしょうね。阪本順治に対する信用がこれだけの個性を一つにまとめてるんだと思います。

    原田芳雄。かっこいい。松田優作が慕って、原田芳雄のウチの隣に自宅を建てたっていうだけのことはある。

    ほんと元気ハツラツな演技を見せてくれてます。

    とてもこの映画公開後数日で病没するなんて信じられない。

    若い俳優の演技を受けるベテランというのがヒシヒシと伝わってきて、なんとも気持がいい。

    やはり亡くなった原田芳雄のことがクローズアップされるが、認知症を演じる大楠道代の設定も見逃せない。

    年齢的には十分あり得るのだが、大楠道代の父親役の三國連太郎が矍鑠としている。

    眼から鱗というか、そうなのだ。超高齢社会ではこういうこともあり得るのだ。

    自分の子どもが認知症になってしまう。

    さらっと描かれているが、これはきつい現実である。

    でんでん、岸部一徳、小倉一郎、石橋蓮司・・・えらいキャスティングではあります。

    この大鹿村は長野県に実在するし、大鹿歌舞伎も連綿と演じ続けられているらしい。

    エンディングテーマが清志郎というのも泣かせるね( ;∀;)

    アメリカ映画のエンドロールの長さには辟易してるので、あっさりしたエンドロールにも好感!!

  • たまたまかもしれないが原田芳雄の遺作がコメディで良かったなあ

  • 阪本順治監督作品。「顔」以来観ていませんでした。村人たちは単調な暮らしを送り、鉄道敷設など、村のことでけんかをするものの大鹿歌舞伎を演じる役者として、まいど周囲の力を借りては仲直りをしている。意見が異なる住民らであっても、芝居をするそのひとときだけは停戦できる機会があって良いなと思いました。原田芳雄さんの遺作とのこと。

  • 好きだったー!歌舞伎しか無い田舎町で、でもみんな歌舞伎のために頑張ってるし歌舞伎を楽しんでる感じが良かった。松たか子と佐藤浩市の話が何気にキュンとする。

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著者プロフィール

映画監督。
1989年、『どついたるねん』で第32回ブルーリボン賞最優秀作品賞を受賞。
『顔』では、日本アカデミー賞最優秀監督賞、キネマ旬報ベストテン第1位など、主要映画賞を総ナメに。
その後も『KT』『亡国のイージス』『闇の子供たち』『座頭市 THE LAST』『大鹿村騒動記』など多数の作品を手がける。
最新作は、湊かなえ原案、吉永小百合主演の『北のカナリアたち』。

「2013年 『大阪に東洋1の撮影所があった頃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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