ノルウェイの森 [DVD]

監督 : トラン・アン・ユン 
出演 : 松山ケンイチ  菊地凛子  水原希子  高良健吾 
  • ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2011年10月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4547462078247

感想・レビュー・書評

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  • WOWOWで録画して観ました。原作を久しぶりに再読したので。息苦しく重たくて、時々、差し込む、光。小説の世界をとても忠実に。

  • 村上春樹の小説で、1番好きなものは何か、と聞かれたら、
    「海辺のカフカ」。短編なら、「TVピープル」。

    逆に好きでないものと聞かれたら、、「ノルウェイの森」。
    映画化されることを嫌う村上春樹氏が、特別の許可を出したこの映画。

    僕は、小説が映画化されたりすることが、ちょっと苦手だ。

    その理由は、”映像化”されたら、なぜかその作品が出世したかのような扱いを受けてしまうことに、どこか違和感を感じる。

    漫画がアニメ化されたり、実写化されたり、
    小説がドラマ化されたり、映画化されたり。

    漫画のままでいいじゃん!小説のままでいいじゃん!と思ってしまうです。

    ま、それはさておき。

    かなりリアルスティックに描かれた春樹作品の唯一のリアル小説の「ノルウェイの森」。

    映画化されると、そのリアルな感覚は、かなり薄れてしまった。
    彼の作品の登場人物のどこか論理的に積み上げようとする話し言葉は、小説だからこそ機能するものであって、それを口語として用いると、ただの「棒読み」に聞こえてしまう。
    そこに「リアル」はない。

    だから、きっと途中で、「どこか違う世界の話」として、僕はこの映画を見てしまった。

    原作と切り離して、この映画だけを、単なる映画として、
    鑑賞するなら、それはそれとして面白い映画だった。

    いろんな批評を見ていると、「何が言いたい映画なのかわからない。」
    「退屈だ」「意味がわからない」「暗い」というネガティブなものが目立ったけれど、
    春樹作品に対して、その批評は、的外れだと思う。

    昨今の出版される小説は、エンターテイメント小説として、
    ストーリー性が重視される。それはそれで、僕はとてもいい作品が多いし、
    有川浩さんとか、石田衣良さんとか、奥田英朗さんとか大好きだ。

    だけれど、春樹作品でのストーリーは、主に大した問題じゃない、と僕は思っている。

    読み進むときに、自分がふっといろんなことを感じる。
    再読すると一回目には感じれなかったことが感じられる。

    その感じたことに、自分がどう意味づけをするか。できるか。

    それが、春樹作品の醍醐味だ。

    もちろん、その特性故に、内へ内へと入り込んでいくような感覚に陥るし、
    それを暗い、と感じるのかもしれないけれど、人は多かれ少なかれ孤独だ。

    その孤独を、暗いと表現するか、また別の表現になるかは、
    人それぞれであって、僕としては暗いという短絡的な表現で終始したくないな、と思う。

    僕は16歳のころから、春樹作品に親しみ、30歳になろうとしている今も、
    春樹作品が、どこか生きていくうえでの道しるべでもあるような気がしている。

    そういった意味で、「ノルウェイの森」という春樹ファンでありながら、
    敬遠し続けてきた作品を、また違った視点で見ることが出来たこの映画は、
    僕にとっては、とても意味のある映画だった。

  • キズキを自殺で失ったワタナベと直子。数年後、東京で再会した二人は恋人のように過ごすようになるが…直子心を病み、ワタナベは級友の緑にも惹かれるようになり。

    音楽と風景が素晴らしい。独特の世界観はハルキワールドというよりは、監督のものだろうが。

    安保闘争というリアルな時代でありながら、どこか夢のような人間関係(性愛も含めて)を行き来する登場人物たち。

    虚構や喪失感が、原作の極めて重要なファクターだったはずだけど(うろ覚えです)、さすがにそれを映像化するのは難しいよね…でも、全体的には悪くなかったかなと。

  • 何故タイトルを「ノルウェイの森」にしたのか。もちろんビートルズの「ノルウェイの森」は関係あるだろう。小説中にも出てきたかな?1967から1969年代を表すキーワードなんだろうか。「複雑な込み入った事情」として提示されているのだろうか。
    映画を見て、その音楽は具体的なバックグランウドとしても流れてくるし、取り上げの意味としても提示されているんだろう。小説の中ではもっと空気に近い雰囲気を感じたが、少し直接的な感じもした。

    小説ではもっとなんというか人と人との関係性にフォーカスしており、その中の重要なファクターとしてセックスやそれにまつわる事柄が描かれているように思った(それでも十分にエロかったけど)。映画では、セリフが直截すぎるのか、セックスすることが目的に近い行為だ、と問われているような気がした。そこを薄めるために、発言は過激だが、一番プラトニックな緑を配したのだろうか。

    療養所の近くの風景は季節感がにじみ出ていて素敵だった。大学の近くの風景も駒込方面(六義園か?)として綺麗に描写されていた。それでも武蔵野の風景や「森」をイメージしていたので、多少ギャップはあったかも。

    どうしても、小説のイメージ画像が強烈すぎて、映画への切り替えが難しい。その難しさは世間では意識されていて、そこを映画にした勇気というか、意思が素晴らしいと思った。

  • 原作を読んでないとかなりつまらない作品だと思った。個人的には読んでいてもかなり断片的だと思ったし、あまり好きではなかった。

  • 菊池凛子がこわくてこわくて。
    でも直子っぽいよね。

    あと水原希子がかわいくて。ハツミ役のひともよかった。
    小説より映画のがどよ~んってならない。
    てかノルウェイの森名曲だよね。
    なぜかどうしても急に見たくなって見てしまった。

  • 映像化するんだったら、「蛍」をした方が上手くいったのではと思わないでもないんですが(原作自体も「蛍」の方が好きだったりします)やっぱりものすごく売れた「ノルウェイの森」の映画化でなければいけないのでしょうね‥。

    • 1685jsbさん
      「ノルウェイの森」<「螢」に激しく同意。発表当初の「螢」にとてつもない感動を受けた自分にとって「ノルウェイの森」は裏切りでしかなかった。「螢...
      「ノルウェイの森」<「螢」に激しく同意。発表当初の「螢」にとてつもない感動を受けた自分にとって「ノルウェイの森」は裏切りでしかなかった。「螢」はあれで終わりにしてもらいたかった。でも、その意見に同意してくれる人は何故かいなかった。
      村上作品の映画化は難しい。しかし、「螢」に限定した世界であれば、あるいは、完成度の高い映像世界があったかもしれない。
      同じ意見を持った方を発見し嬉しかったです。
      2013/03/20
  • 数年前に原作を読んだので内容をなんとなく朧げに覚えていた。
    直子がリハビリ施設に入るまでの展開が早すぎて、この後どんな描き方をするんだろう?と思ったが、大して印象に残る場面は無かった。
    やたら情事のシーンが多いと思った。
    登場人物の話し方や表情など、他の作品と違うなと思ったのは村上春樹だからだろうか。
    とにかく直子という人物はミステリアスだ。

    松山ケンイチは個性的なキャラクターを見事に演じきる素晴らしい役者だと思った。
    他の作品のイメージがそれぞれ全然違うので。

    最後に直子が死んでからワタナベが一人泣き叫ぶシーンは、映像も音も良かった。
    総合的見たら、ちょっと難しいかなと思ったので★2つにしました。

  • ほんとうに日本?と思ってしまうすてきな景色がたくさん。
    きこちゃん可愛い。喋っても、はにかんでも、すべてが可愛い。
    原作本をそろそろ開いてみようと思いました。
    長らく本棚にしまい込んでいるので。
    ストーリーを楽しむなら、やっぱり原作がいちばんなのかな?

  • 2010年12月公開。TSUTAYAで北野映画を探していたときにたまたま見つけて借りた。(目当ての北野映画は見つからなかった)
     
    面白い。レベル高い。次元が違う。映像の情報量が、世界レベル。世界最高レベル。そういうものを観たと思う。最早過ぎ去った時代の「死の気配」を今映像化する理由はほとんどなく、むしろそうしたかったが誰も手を付けられなかったものがようやく時の許しを得られて形になったような感覚。すごくよかった。

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