真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト) (特典なし) - PSVita

  • チュンソフト
2.94
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・ゲーム
  • / ISBN・EAN: 4932345112444

感想・レビュー・書評

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  • 雪山×山荘=可能性。

    フルプライスでなくDLCが高くなければ、まぁ……。
    いきなり言葉を濁しましたが、個人的にはこのゲーム、そこまで嫌いじゃないんですよ。
    私の場合はロープライスで買って、DLCもだいぶ値下げされていたので多少評価は甘めになります。
    そうでなければ星三つになっていたと思われるので、手放しに褒められるわけでもありませんが。

    雪山のペンションっていう初代かまいたちの再来を思わせる舞台でたぶん原点回帰を狙ったとは思うんですが、作り込み自体は甘いです。

    まず、結構引っ掛かりを覚える文章が多いです。
    これに関しては筆力が劣っていたというわけではありません。
    本職のミステリー作家を呼んだとはいえ、ノベルゲームに向けた文面づくりに慣れていたか? と問われれば、パイオニアたる我孫子先生と比べるのは酷です。

    とはいえDLC含め、シナリオごとのあたりはずれが明確に分かれているのは辛い。色々と言われてますが、声を付けることによって単独では甘いキャラ立てを声優にある程度依存したのは正解だと思います。

    システムはオーソドックスで、チャプタージャンプも実装しているので、クリア後の選択肢潰しもそこまで負担にはならないんですが、このゲームの場合美味しいところだけさっと遊んで、見切ることも大事だと思います。
    私自体フルコンプしたわけではないです。

    とりあえず印象に残ったシナリオについて触れていきます。

    『プロローグ』
    ゲーム開始時一度しか見ることができないのが惜しいですが、緊迫感あり次々キャラが飛び込んでくる新展開、ボイス付の魔力、静画では主張し過ぎず動きで演技を見せるシルエット、期待を煽るには十二分の出来です。

    この緊張感を本編も持続できれば、シルエットによるサウンドノベルと言うジャンルの可能性をより広げられたと思うだけに残念。

    『ミステリー編』
    メインシナリオ。
    トリックについてはあえて触れませんが、どうも時間経過につれて追い詰められていく感が薄く、時間潰しにしか思えない展開が辛いです。
    ペンションの構造がそう複雑ではないはずなのに、なぜか把握しづらい。
    真犯人の動機はともかくどうやったら皆殺しに至れるのか納得できないのがロジックが命のミステリーの本分を途中から投げ捨ててるように見えます。
    もちろん、ホラー、サスペンスとしても、相応の絶望感を与えてくれるわけでもなく。

    反面、悲劇を回避してのグッドエンドは爽快です。
    事件の発端を思えば、そもそも「謎が謎じゃない」レベルなんでなんでもなく終わらせることができたことに胸のつかえが下りたような感覚を覚えました。

    ☆☆☆

    『ビンゴ編』
    このシナリオに分岐するための選択肢選びが心理的に厳しいのがまず難点。
    不条理感が強い進行で味はあるんですが、どうももやもやしたものが最後までつきまといます。

    小説家志望の主人公が過去書き上げた小説が戻ってきておまけとしてあらすじを読めるという発想は悪くないんですが、どうも大体が一発ネタ気味で微妙なのが辛い。

    言語化しがたい奇妙な感覚が味わえるところは好きなんですが……。

    ☆☆

    『スパイ編』
    初代『かまいたちの夜』のオマージュってことは評価に値するんですが、シナリオを読むというよりミニゲームの合間に文が付いてるよって感覚を覚えました。

    このシナリオに回収のしにくい既読率が大量に残るのがフルコンプの妨げで、かつおまけ程度で流せるはずなのに最後に残ることで悪印象を残してしまっています。

    よって、このシナリオは一度「完」まで辿りつくだけで十分です。



    『妖怪編』
    ギャグシナリオ。
    なぜかここだけフルボイス、ぐっだぐだのコントを皆さんで繰り広げることになるので好き嫌いは分かれると思います。
    ほぼ全員がボケに回る中、一人ツッコミ役として奮闘する沙都美ちゃんに担当作家さんの偏愛を感じますが、実際、演出を含めて気合を感じないでもないです。

    アホい選択肢を出して返ってくる反応を見るっていう意味ではサウンドノベルの醍醐味は堪能できるかもしれません。キャラ立ちっていう意味でも申し分ありませんし、私は大好きです。

    ☆☆☆☆☆

    『<犯人当て>魔女審問編』
    DLCシナリオ。
    「問題編」と「解決編」に分かれた「読者への挑戦状」系シナリオ、そのふたつのうちひとつです。

    おそらく本作の全シナリオを見渡してもトップクラスの出来かと。ストーリー性とミステリー性のふたつを高次元で兼ね揃えています
    まとめられているとはいえ、読者に与えられた情報量が多いこともあって難易度はかなり高いです。

    けれど「解決編」では殺人の裏にあった構図を推測することで、物言わぬ死者に雄弁に語らせました。
    トリックとアリバイを把握しきれなかった私ですら、これには唸らされましたね。

    小説家志望の本編主人公「坂巻快人」がもっとも生き生きとしていたのはこのシナリオではなかったかと思うくらいに。
    作家の業が、後味の悪さと感動と美しさを伴って読者である私にも伝わってきました。

    ☆☆☆☆☆

    『超次元探偵O編』
    DLCシナリオ。
    謎のオタク「オーモリ(声:杉田智和)」を主人公に据えたシナリオです。
    (たぶん)コメディリリーフのわりに背景で騒いでるだけであまり仕事をしない彼ですが、個人的にはそこまで嫌いじゃないです。
    このシナリオで果てしなく株が下がりましたが……。
    いくらなんでもオーモリの頭が悪すぎるのと、美味しい設定を活かし切れていないというのがふたつ。

    実はオーモリはパラレルワールド間を移動する能力を持っており、各シナリオを横断するんですが……だからといってそこまでは能動的に行動しません。
    気が滅入ったらはい次のノリ、プレイヤーはわかってるのに指摘できないイライラ感を追体験させられるオーモリの頭の悪さが正直不快です。
    他のDLCシナリオに触れなかったのは残念ですが、どっちにしてもギャグにもシリアスでもない中途半端さと掘り下げの浅さが鼻につく嫌なシナリオです。

    オチとして、ある意味彼のキャラは一貫していいと言えるのかもしれませんが、哲学と言えるほど昇華できているとはとても……。
    彼がこうなってしまった理由は語られているのかもしれませんが、なんか作者の都合に振り回されて憐れだなとしか。

    ☆☆

    総評として。
    有名声優も起用したことでリアル調とアニメ調の中間を探ったような作風はかなり好きです。
    複数の作家陣がどのシナリオを担当したかはともかく、個性は明確に分かれていたので幅も出ていたと思います。
    悪目立ちしていたキャラこそいますが、捨てキャラはいませんでした。

    反面、舞台としたペンションを離れたシナリオはあまりなく、いささかサブシナリオは弾け切れていません。
    初代『かまいたちの夜』の枠に嵌り過ぎていたように感じます。既視感が強いです。
    ミニゲームやタッチによる探索要素などがどうも枝葉末節、評価を下げるには至りませんが。
    シリアスな展開の場合、印象に残るバッドエンドがほぼ皆無に等しかったのも辛い。

    文章をもっと充実させるか、もしくは演出にもっと振るか、今一歩足りなかった感があります。
    とは言え、私がチュンソフトのサウンドノベル特有に感じる、達成率をほぼ埋めて、もうすぐ終わってしまうんだな……と言う寂寥感はしっかり味わえました。

    また、サウンドノベルの本丸がビジュアルノベルに完全ではなく、少し寄ったことで生まれた雰囲気も見逃せませんね。
    サウンドノベル冬の時代に生まれたのはいささか残念かもしれませんが、本作特有の見るべき点は相応にあったと断じます。

  • 『はんにんはみきもと』 http://amba.to/UQQCP1

  • ★★★✬☆
    発売からもう9年近く経っていますが、PS3やswitchは持ってないし3DSより軽くて綺麗なのでvita版を購入。定価で買っていたら点数はもう少し辛かったかも?
    DLCは「みゆきとサトミ」「超次元探偵O」以外を購入。全部で9つのストーリーを読了。12日間でおよそ35時間プレイ、すべてのしおり、トロフィーをコンプリートしました。

    本作はキャラクターは一新されていながらも、シルエットのまま。素晴らしい、これでなくては!
    雪山のペンションという初代に倣ったシチュエーションで話が進み、懐かしくも気持ちよかった。やはりクローズド・サークルには胸躍る。
    とはいえ初代ではジェットスキーやら周辺をうろついたりなんてシナリオもあったけど。本作では神社以外ずっとペンション内。
    BGMは印象に残る新曲はなく控えめ。
    スパイ編もあるものの、中途半端なコメディのせいで雰囲気が台無しだったような。あとバッドエンドが24本と、本作屈指の多さ。心が折れそうでした…

    ボイス付きには驚きだったけどそう違和感はなく…というか、知らずに買ったけど豪華な声優陣に感謝をしたいほど。(特に緑川さんと藤原さん…) ただ主人公に関してはそこまでダメ男っぽくしなくても…と気の毒になるほどのヘロヘロ声。低音ボイスの中村悠一しか知らなかったので意外な配役に思った。

    今回は主人公とヒロインの名前は固定で、だからなのか関係ないのか、この二人に共感できなかった。主人公は終始ヘタレ感が漂うし、ヒロインはおせっかいすぎるところが気にさわって。編集長との関係もわざとぼかしている(としか思えないトボケっぷり)し、感じ悪い。正直、主人公はこの女性のどこがよくて今だに忘れられないのか分からない。単に女性慣れしてないだけでは? と思ってしまう。

    操作について。フローチャートですぐ目的の場所へ跳べるのが便利。前後の文章の送りも高速で可。でも新しい文章はオートで最速にはできてもスキップできないので、人によってはストレスかも。自分には最速でちょうど読みやすかった。
    〇を押さなくてもタッチで文章を送れるところも有難い。

    テキストの量を考えると、誤字はかなり少ないと思う。声優さんの名前を間違えるのはひどいんだけれども、他に見つけたのは2つだけ。
    テキストだけでなく、ビジュアルも活躍していたのは興味深かった。各々の立ち位置や筆跡や「みなごろし」と書かれた便箋の切れ端など。サウンドノベルを超えていた。

    ミステリー編では、神林さん夫婦は6:45に食堂に来たというが、6:30に食堂に向かった主人公らより先に来ていて談笑しているのが辻褄が合わない。そしてそれを誰も指摘しないのが気になった。
    ミステリー編は、むりくりな勘違いだらけのお話といえるけれど、グッドエンドにはぐっときた。これぞ本来の姿だったんだよね… なんてしみじみ。
    でもよく考えたらこのゲーム、かまいたちと銘打ちながら座敷童子がメインになっている。他にも妖怪とか死神とか魔女とか… かまいたちがDLCでしか活躍していないというのは如何なものか。ボッコちゃんの存在感が強すぎる。

    バッドエンドに関しては魔女編が有益で、初代のように情報を与えてくれる終わり方にしているのがいいですね。分岐も最小限で、犯人当てに徹している。
    ただ真相に関しては「犯人は一人」という情報が、むしろ隠れ蓑になっていて卑怯だなぁと思ってしまった。解釈の違いですかね。

    ポポリン編、混浴編、死神編、妖怪編、ビンゴ編、どれも異色でしたがコメディ寄りで、ホラーがなかったのが個人的には少々残念でした。いい意味で一般向けになっていたようです。ミステリーとしてはメインと鎌鼬編、魔女編と3本楽しめたのはよかったです。
    惜しむらくはDLCで後出ししたことでしょうか。これはファンを失うな… と思いました。本体ソフトを所詮中古で買った自分が文句言う筋合いはないですが、今は全部購入しても600円程度なのでそうキツイ値段ではないかも。

    なんでもすぐ漫画やアニメで表現されてしまう昨今、余計なものを省いてほぼテキストだけで推理できるかまいたちのようなタイトルは貴重です。これからも増えてくれたら嬉しいな、、個人的には満足な一本です。

  • ほぼほぼDLコンテンツでなえた

  • シリーズを重ねる毎に中身が乏しくなる一方 〜【レビュー】真かまいたちの夜
    http://mygamelife.hatenablog.jp/entry/2013/02/07/205051

  • とりあえずミステリ編真相はクリア、分岐はまだですが現時点ピンク、赤のしおり入手、ここからED回収に走りますが…3まではまだDLCなんて代物がなかったから周りの評判がどうあれぼちぼちだったのですが、せっかくピンクのしおり出したのに肝心のシナリオはDLCで買える権利が貰えました的な内容でガッカリ…
    あと今までで一番犯人が解りやすかった。
    ボイスも今をときめく素敵な声優さんがいっぱいで演技はとても素晴らしいのですが…正直サウンドノベルで声はいらなかったです…悲鳴とかそれくらいだけで良いかな、と…かえって読む邪魔でした。
    音楽は今までどれも好きだったのでこちらも例に漏れず音楽はとても好みでした。とはいえやはり初代や2が好きなのですが^^;
    あとロードがちょっと長い、雪が降ってるシーンで止まり、少しシルエットが動いたりするとまた一旦停止、スムーズな話の流れが遮られます。とはいえまだ我慢できる範囲。
    DLCに関してはいくらかまいたちファンとは言え手を出すつもりはありません(~_~;)
    内容をぶっ飛ぶならぶっ飛ぶでもっと2くらいのオイオイオイwww感が欲しかったです。それを目指したのかどうか少々空廻ってる感があるように感じました……

  •  「かまいたちの夜」は第1作目のPSリメイク以来。なので、僕にとって「かまいたちの夜」は「閉ざされた山荘モノ」というイメージが強いため、本作もまた「かまいたちの夜」らしい作品だと感じることができた。

     本格ミステリとしての面白さを味わいつつ、サブシナリオの「ぶっ飛んだ感」を味わえる魅力は相変わらず。ただ全体として、第1作目よりは大人しく感じてしまったのはどこに原因があるのだろうか。
     一つ言えるのは、第1作目の方が「こんや、12じ、だれかがしぬ」や「美樹本」など「ネタ」として使える要素が多分にあったことだろう。本作にも狙った感のある「ネタ」は盛り込まれているのだが、第1作目に比べ、「ネタ」の汎用性が低い。そのせいで、全体的に良く言えば「まとまった印象」を与え、悪く言えば「こじんまり」としてしまったように感じる。

     ただ、チュンソフトの誇る元祖「サウンドノベル」の魅力は十分に感じることができるし、ゲームとしての面白さも十分にある。やっぱりこの手のゲームは面白い!


    【対応機種】PlayStation Vita
    【ジャンル】サウンドノベル
    【開発元】株式会社チュンソフト
    【発売元】株式会社チュンソフト
    【出演】中村悠一、小清水亜美、緑川光、藤原啓治、杉田智和 他
    【公式サイト】 http://shinkama.chunsoft.jp/

  • 『かまいたちの夜』シリーズ。PS3版も所持。
    しかし殺人事件を推理によって解決するメインシナリオが微妙。その他ルートはほぼ完全にお遊び系。
    有料DLCについての問題も。
    声優さんボイスは個人的には有難い。

  • 初かまいたち。
    うなるようなストーリー展開やトリックが無かったのは物足りませんでしたが、ギャグが面白く、人物設定すらも全く違う複数の物語が展開されるというのが新鮮で楽しかったです。
    本体の傾きを利用した要素はとても面白かったので、もっと発展していって欲しい部分です。

  • ゲームで久しぶりのクリアなので、モチベーションが落ちなかったのは評価できるが、ストーリーにツッコミどころがありすぎてこの点数。

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