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- / ISBN・EAN: 4988111241306
感想・レビュー・書評
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芸術のセンスのないひとりの男が今まで映像に撮ってきたバンクシーなどのアーティストのマネをして、バンクシーの名前を使って宣伝をして個展をひらけばどれだけ成功してしまうのか?というバンクシーの皮肉を込めた半実験的なドキュメンタリー映画だと思った。グラフィティアートも誰にも評価されずにいると単なるラクガキと同じように、ラクガキも世間一般に評価されると立派なアートになってしまうんだなぁ・・・芸術は難しい
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芸術の商業主義への転換に対する痛快な皮肉。
なんでもマーケの要素にする村上隆とかそうだよね。
才能がなく、中身のないパクリ作品の量産であっても、商才と声の大きさがあれば、商業的には成功してしまう、そんな現実を見せてくれます。
作中のブレインウォッシュことティエッタみたいに才能への憧れの強い無能ほど、それを認識したくなくて、無能を覆い隠す商業主義に走るんでしょう。
鑑賞する者についても同じで、自分の中の感覚に自信がないものだから、取り敢えず賞賛して、商業主義の一員と化すのでしょう。
ただ、これだけ作品があふれた世界の中で独創性とかってあるのか、とも思えるし、美しさに欠ける無理矢理の独自性をよく分からんまま褒め称えるのもどうかと思うわけです。
気負わずに美しいと思うものが美しく、それ以上の何物でもないと、それがコピーであっても。
コピーの上に名前を書くから、それが記号化し、作品外の価値を持ち込み、マーケの奴隷と化す。
恐らくバンクシーという人は頭が良く、極めて批評的な作品に仕上がっており、オススメです。 -
皮肉に覆われた、彼らの個人的な教訓。面白かった。
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アートの矛盾を面白おかしく切り取っていると思う。ティエリという道化を通じて、痛烈にオリジナルって何だ、アートの対価って何だと観るものの通念を揺さぶる。
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バンクシーの映画、ということで見てみた1本。ストリートアートというあまり接点のない世界の話だけど、だからこそこういう映画がないとどういうもので、どういう人たちがどういう考えでやっているのかわからない、という点で映像に残す意味があるという映画の中での一節には説得力があった。次の日には消されてしまうかもしれないけど、そこに痕跡が残ることで示されるアイデンティティはあるんだろう。ただの落書きではなく、作品として残す価値のある絵も中にはあるのはわかった。文字よりもそこにあるものを活かしたメッセージ、という形ならもっと楽しめる気はしました。
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ストリートアートの準備と行動を見ました。ステンシル、ポスター、スプレー、ペンキ、のり、はしご、キンコーズ拡大コピー、運搬車両、夜中、警察。ストリートアートも楽じゃない。けれども、模倣ができるアート、柳の下の二匹目のドジョウといったジョークのような話でした。鑑賞後は街中の壁、降りているシャッター、橋脚、標識、信号機、電柱、縁石などの構造物に何もマークが付いていないことが寂しく思えてきました。バンクシーに来て欲しい。
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別途
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バンクシーの世界が観たくて観た映画。スタッフへ感謝しない時点でMBWへの個人的な評価は氷点なんだけど、虚実織り交ぜた感じがにやにやさせてくれて楽しかった。
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ストリート・アートという分野に限れば、その表現は絵の技術や方法よりも、発表する場やモチーフが重要なのだと思う。
その手法は、展覧会で鑑賞するものとしての意味はないはず。
なんだけど、バンクシーや新聞の名前を傘に、どんなものでも受け入れる流れができてしまったと。
しかもストリート・アートは方法としては単純だし、本人が制作しなくてもかまわないらしいので、ティエリー・グエッタのような人でもそれっぽいものが量産できるみたい。
でたらめにストリート・アートまがいの作品を作って、巨大な展覧会を開いて、それが大成功するとは、なんて中味がないものなんだ。
映画はストリート・アートのことやティエリー・グエッタという人のからっぽさが普通に感じられるようになってるなと思ったけど、いったい監督のバンクシーは何者なんだろう。
とにかくも自分としては、ストリート・アートを面白いとは思わないし、絵はその人自身で考えて描くか作るかしたものしか信用しない。
勝手に流行してお金が動いていればいい。