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- / ISBN・EAN: 4907953031166
感想・レビュー・書評
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これは……衝撃のエンディング。まんまとだまされてしまった。
主人公は金髪の美人。若くて敏捷そうなこの女は、眼光の鋭い(たえず下の白目がのぞいている!)婦長に向かって、精神病棟の監禁空間に連行され、はじめて「クリスティン」と自分の名前を口にする。その綴りを、独房めいた病室の脇にある黒板に、チョークで書き付ける婦長が、左利きであることが、いたずらに不穏な雰囲気を高める。いかにも注射が好きそうなこの婦長は左利きでなければならない!
ここまでほとんど台詞らしい台詞はない導入部分は、的確というほかない簡素はリズムでテキパキと編集されており、10年前のジョーカーペンターの作品「ゴーストオブマーズ」の演出がさらにすごみを増していることに、誰もが爽快な敗北感を覚える。
丸い襟のえんじ色のブラウスを着て、袖をまくり上げ、ぴたりとしたブルージーンズで下半身をすらりとのばし、これまで乱れていた長い髪を優雅なシニョンにまとめた主人公が、白いスニーカーをはいた軽やか足取りで、まるで別人のような透明感をまとって仲間の同姓の患者たちの前に姿を見せるショットの予期せぬ美しさに、二とは思わず息をのむ。その画面の背後には、ほとんど聞き取れぬほどの「コジ・ファン・トゥッテ」の序曲の始まりの部分があくまでも低く流れている。映画にモーツァルトの旋律を流そうとするなら、少なくともこの程度の繊細な音響処理が必要なはずだが、ジョンパーペンタ-を除くと、誰にももうそんな芸当はできなくなっている。
見違えるような姿をみせるこのシーンの素晴らしさは、この映画の主題が「監禁」ではなく、「変身」にほかならぬことを、たった一つのショットで観客に印象づける。
【ストーリー】
1966年。20歳のクリステン(アンバー・ハード)は身に覚えのない放火の罪で精神病棟に送られる。同年代の少女ばかりを収容する奥の病棟に隔離され、そこでは一人ずつに部屋があてがわれた。クリステンは、初日の夜から見えない人の気配を感じ、いわれのない不安を抱く。
同じような境遇の少女は、ボロボロのぬいぐるみを抱くゾーイ(ローラ・リー)、華やかなサラ(ダニエル・パナベイカー)、絵を描くのが好きなアイリス(リンジー・フォンセカ)、歌を得意とするエミリー(メイミー・ガマー)の4人。自分のことを狂人と認めている彼女たちとは違うと自負するクリステンであったが、担当医ストリンガー(ジャレッド・ハリス)と面接する中、自分の仕業とされる放火を見たことと自分の名前以外、一切の記憶を失っていることに気づく。
さらにその夜、廊下を歩く奇妙な女性の姿を目撃し、事態は新たな展開を迎えるのだった。
身に覚えのない罪で精神病棟に隔離され、奇妙な出来事に巻き込まれるヒロインの姿を描く「ゴースト・オブ・マーズ」のジョン・カーペンター監督作。出演は「ドライブ・アングリー 3D」のアンバー・ハード、「ウッドストクがやってくる!」のメイミー・ガマー、「クレイジーズ」のダニエル・パナベイカー、「キック・アス」のリンジー・フォンセカ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ホラー映画?サスペンス映画?
怖かったー。
ただ、オチはなかなか好きです。
納得!納得!
アイデンティティーみたいな感じやけどね。 -
オチ自体にオリジナリティーは無いので、監督はもうちょっと違う味付けをしようとしていたんではないかと思うが、何にせよ上手くいかなかったみたいで、出来は残念。
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低予算のためにそこら中で表現が抜けているのかと思いきや、結末を見てなるほどと思わされました。
それなりに納得の展開なのですがもう少し伏線を張って欲しかったなぁ。
それと最後のシーンは「死霊のはらわた2」位の丁寧さで作って欲しかったです。
ちょっとあれは手抜き過ぎw
色々と書きましたが個人的には及第点。
レンタルで旧作ならば納得だと思います。 -
出る出ない出さない出られない
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展開自体は読めるけど、絵が締まっていて好感がもてる。
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そうきたか!アハー!
って笑ってしまいましたね、ラストww
とにかく妙に推理とかせずに素直~に観ると最後、ギャッてなります
この作品は素直に観るのがポイントかもしれませんね
私はキライではないです、面白かった