福家警部補の挨拶 (創元推理文庫) [Kindle]

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  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • 犯人視点で犯罪発生からの警部補登場。倒叙ミステリー。女版コロンボ、犯人側からするととても嫌な人である。

  • 「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」のように、先に犯人がわかっているタイプのミステリーでした。
    4作の短編が収録されていましたが、その中では「オッカムの剃刀」が一番面白かったです。
    物語は面白いのに、福家警部補のキャラに違和感があったのがちょっと残念でした。

  • TVドラマがなかなか面白かったので原作を買ってみたという、個人的には珍しいパターンの本。
    「最後の一冊」以外は今年ドラマ化されており、かつドラマの方を先に観ていたので、違いを探すような形で楽しんだ。

    ・最後の一冊: ドラマ化はされず。
    ・オッカムの剃刀: ドラマとあまり変わらない印象。勝手なイメージだけど、ドラマ版の古谷一行氏よりもう少し脂の抜けた俳優さんの方が合っていたかも。
    ・愛情のシナリオ: トリックと殺害方法、犯人が娘の存在を認めるかどうかがドラマと異なる。
    ・月の雫: 犯人の性別がドラマと異なる。

    ドラマ化されてよかった作品というのは個人的にあまり記憶にないが、後者2作品はドラマが圧倒的によかった。
    若村麻由美さんと片平なぎささんの演技のなせる業。

    ・・・こうしてみると、女性が犯人の方が、福家警部補のキャラクターとの対比がより際立つせいか、より面白く感じたらしい。

    今まで読んできたミステリーの主人公(刑事や探偵)は、存在感抜群で人間味あふれる人物が多かったのだが、福家警部補はいい意味で地味め?で、人物描写も最小限、文章の中にうまくまぎれこんでいて、どちらかというと黒子のように感じた。
    ドラマでは壇れいさんが演じているのでもっさりした格好をしていても隠し切れない華やかさがあったけど、主人公の感じは小説の方がすっと入ってくる。
    タイトルにもなっている"挨拶"は、やはり声のあるドラマの方が感じがつかみやすかったかな(「ふーくーいえ、と、申します」)

  • 紙で読んだが電子でもう一度。2回目の方が味わい深い

  • ※この本は途中で挫折しました


    状況全てを地文で説明すると読みづらい。
    また読者に飽きられる可能性もある。
    その解決策として『登場人物の台詞に説明を織り込む』手法があるが、この手法を用いた結果、台詞が『人の会話として不自然』な小説がちょくちょく存在する。

    例えば登場人物が二人しかいない場で、台詞に『相手の名前が頻繁に登場する』。
    現実で考えてほしい。二人しか居ない場所で会話するのに、相手の名前を呼ぶ必要はないはずだ。どちらがしゃべっているのか明確にしたいのだろうが、『人の会話としては不自然』なことに作者は気づいていないと思われる。

    この本の著者もどうやら同様のタイプのようだ。
    冒頭から脅迫する男と脅迫される女が登場するが、これから職場で金目の物を受け渡しする段階になって、女は職場の希少品の有無を教えたり、蛇蝎のごとく嫌う相手に職の説明を始める。説明は読者に向けてなのだろうが、男女の関係を考えればあまりに不自然な会話だ。

    無理に台詞を使わず、素直に地文で説明すれば良かったのにと惜しみながら返却した。

  • 倒叙ものは難しい。
    コロンボはドラマも小説版も好き。
    主人公のキャラクターが魅力的じゃないと面白さ半減する気がする。福家警部補自体は好きだけど、外見で判断されるのと、警察手帳毎回探す下りは個人的にはあまり好きじゃない。コロンボだと嫌じゃないんだけどなあ。
    そのやり取りさえ除けば面白かった。

  • コロンボ,古畑任三郎好きなので楽しめました。

  • (Kindle Unlimited65冊目)

    倒叙小説を探してたら見つけた作品。
    福家警部補のキャラがよい。
    勧善懲悪でスパンスパンと福家が事件を解決していく。
    ただ話の展開の仕方がどれも同じ感じで、その辺りは退屈かも。

  • 倒叙ミステリー。
    コロンボや古畑任三郎のように物語の冒頭で犯人が分かる形式。
    犯行シーンから始まるパターンが多いため、冒頭は犯人の視点で物語が語られることが多い。
    ミステリーとしてのポイントは、「犯人の見落とし」を探偵がどのように気付くか。
    犯人の完璧なはずの計画の綻び。それがどのように生じ、どのように露呈するか。そこが小説としての面白さである。


    ●最後の一冊
    図書館館長の犯罪

    ●オッカムの剃刀
    元科警研主任の犯罪

    ●愛情のシナリオ
    女優の犯罪

    ●月の雫
    酒造会社社長の犯罪

  • 【犯人は、わかっているの。】

    倒叙ミステリは、読者が犯人を知っているからこそ、『探偵役がどうやって追い詰めていくのか』という、普通のミステリとはまた別のハラハラドキドキを味わえるところがいい。
    そして、そこに加えて『この事件』に付随した別の『事件』や『動機』まで解明された時、読者にさらなるカタルシスが訪れる。
    犯人がわかっているからって、ミステリの魅力が低下するわけではないと知らしめる一冊。しかも短編集なのがいい。

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著者プロフィール

大倉崇裕(おおくら たかひろ)
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年、「三人目の幽霊」で第四回創元推理短編賞佳作を受賞。98年、「ツール&ストール」で第二十回小説推理新人賞を受賞。2001年、『三人目の幽霊』でデビュー。代表作である白戸修シリーズ、福家警部補シリーズ、警視庁いきもの係シリーズは、いずれのシリーズもTVドラマ化されている。

「2022年 『殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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