フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1)) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  しかしモンスターは神出鬼没ですね。
     タイミング良く探している人の前に現れています。
     モンスターにはストーカーとしての才能があるのでしょうか。それをうまく利用すれば忍者や名探偵になれるかもしれません。


     ところでモンスターは、研究室を出る時、寒いのでヴィクターの外套を拝借して行ったということです。
     しかしモンスターは巨人サイズだから、通常サイズのヴィクターの外套を着られるのでしょうか。
     そしてモンスターは外套のポケットに入っていた日記帳を読んで自分の出自やヴィクターの故郷を知ったということです。
     ヴィクターは何で日記帳を外套のポケットに入れていたのでしょうか。普通は日記帳はポケットなんかに入れず、机の中にしまっておくものなのですが。


     ところでモンスターは顔が不気味だからという理由で迫害されています。
     それなら顔を美形に整形すればどうだったのでしょうか。
     当時は美容整形術が未発達だったのでしょうか。


     ロバート・ウォルトンも不思議な存在です。
     ウォルトンは毎日のように姉に当てて手紙を書いています。
     この手紙はどうやって送られているのでしょうか。
     毎日郵便船が出ているのでしょうか。
     これは書かれた手紙ではなく、電信で送信された手紙ということなのでしょうか。

     それにしても、モンスターはあまりにも神出鬼没に都合よく出現しています。しかも目撃情報は極端に少ない。
     これはもしかして、最初から最後まで、北極探検に出て精神がおかしくなったウォルトンの妄想であって、モンスターもフランケンシュタインも全部ウォルトンの作り話だったとか。

     現実に人類が北極点に到達するのは本書の出版から100年近く後のことだったようです。
     北極点到達はなかなか大変な冒険だったんですね。
     19世紀初頭に北極点冒険を作品に取り入れたメアリ・シェリーは着眼点が鋭い。


     創元推理文庫版には新藤純子さんの詳しい解説が収録されています。
     文学作品の読解とはこんな風にするのかと勉強になりました。しかし、難しい。一文が長い、つまり句点から句点までが長いです。


    少年少女・ネタバレsalono(ネタバレ注意!)
    【フランケンシュタイン】ネタバレ検討会
      https://sfklubo.blog.jp/archives/13503497.html

  • 大いなる野望に満ち溢れた天才科学者フランケンシュタイン。
    彼の作品は、醜い、恐ろしい怪物であったことから、フランケンシュタインは作品を見捨て、逃げ出してしまう。
    では、その怪物のその後は?
    自らの容姿を誰にも受け入れてもらえず、恐れられ、迫害される。
    人間が、怪物を怪物たらしめてしまった。
    人を殺めることはもちろん罪。
    しかし、作り出した命に責任を持たないのも罪。
    怪物とフランケンシュタインのどちらが罪深いのだろう。

  • 科学者フランケンシュタインが、自らの欲望のためのみに創造した見るもおぞましい怪物。その怪物の悲しみと、人間の非情さが描かれます。

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