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- / ISBN・EAN: 4907953042612
感想・レビュー・書評
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吃音に悩み人前でスピーチすることに怖気づくイギリス国王ジョージ6世(コリン・ファース)と三人四脚で改善に取り組む、王妃エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)と言語聴覚士?ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)の人間交流ドラマ。第83回アカデミー作品賞受賞作。
コリン・ファースの吃音の演技は観ているこちらもハラハラしたり、ほら!と思わせたりとなかなかの迫真でした。そしてその改善努力といったら・・・。
敬称にはこだわる仕草が面白いのと、夫を支え何とかしようとする妻役のヘレナ・ボナム=カーターにも好感が持てます。ある意味お約束ですが、身分を明かすシーンもコミカルに描かれていました。(笑)そして、王と対等に向き合い共に改善に取り組む専門家役のジェフリー・ラッシュの演技も頼もしく素晴らしかった。
スピーチが重要な仕事となってしまったロイヤルファミリーだが、実は・・・という物語ですが、その悩みの重さに比例してそれに真剣に取り組む姿に応援したくなる描かれ方が好印象です。
ラストは感動的な場面ですが、流れ的には大きな開放感と国王の努力を知る周囲の安堵が伝わりよくわかるのですが、戦争開始を告げる鼓舞のスピーチであったことを考えると、本当にそこまで笑顔で讃えられたものかな? -
英国王ジョージ6世の話。
吃音(どもり)を克服するため治療師のローグと奮闘、妻の愛にも支えられます。
とてもよかった!
ジョージ6世はヴィクトリア女王の孫で、今のエリザベス女王のお父さん。
ジョージ(長い名前の一部をとって、バーティと家族には呼ばれる)は次男。誠実な人柄ですが、王になることなど望んではいなかった。
長兄が後のエドワード8世で華やかに浮名を流すオシャレな男。離婚歴のあるアメリカ人ウォリス・シンプソンとの恋を貫くため、一年もたたずに退位。
この兄(ガイ・ピアース)と妻もそれらしくて、ちょっと面白い。
父王が病気で、自分が王になるかもしれないという曖昧な不安のある時期から、ジョージには苦手な演説をする機会が増えていく。
スピーチは、王の大事な役目。
普段はそれほどでもないのだが、緊張すると惨憺たる有様に。
心配した妻エリザベスはつぎつぎに治療師を探し、オーストラリア人のローグにたどりつく。
ローグの大胆なやり方は、時に王を挑発するもの。
内気なジョージが時には歌わせられ、時には怒りを爆発させながら、しだいに心を通わせていきます。
生まれつき吃音のある人というのはいなくて、幼児期に何かつらい経験がある場合がほとんどなのだそう。
王の役のコリン・ファースは、実にいいです。
重要な演説に向かって、手を携えて立ち向かうのが感動的。
開戦のときに、ここまで語っていたとは。
ジョージ6世とローグは終生、いい友人だったそうです。
王妃のヘレナ・ボナム=カーターがとてもチャーミングで、結婚した理由を語るところも素敵。
変わった役も多いけど、貴婦人の役はピッタリですね。
アカデミー賞の作品賞、主演男優賞などを受賞。世界中で63の賞を受賞したとか。
あの可愛い王女様が今のエリザベス女王なのねえ‥という感慨も。
「クイーン」では「父王は不本意な即位で寿命を縮めた」とブレア首相がいうくだりがありました。なんとストレスの多い地位。でも誠実で国民に愛された王であり、夫婦仲もよかったのは救いですね。 -
私は吃音というほどではないけど人前で話すと言葉がでなくなったり頭が真っ白になるので、王の辛さが分かって見ていてキツかったしこちらまで緊張してしまった。これが史実をもとにしてると思うとすごい。話は予想通りで単調だけど史実に忠実な証拠だろうな。音楽も綺麗。
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友情っていいな・・・
うまくいえないですけど、
感想はその一言に尽きるかなと思います。
英国王とか関係ない。人間どうしの友情の物語。 -
吃音の王族と、医師免許のない言語聴覚士の友情。
コリン・ファースの演じるジョージ6世が、癇癪持ちなんだけど憎めなくて、国王も一人の人間なんだなぁって。
ライオネルも魅力的。
診療室の雰囲気も、家族との関係性も。
息子に言われてシェイクスピアを演じたり、飄々とした茶目っ気がすてき。
でも、見せどころのスピーチが開戦のスピーチというのは皮肉だった。
不安定な時こそ国王の言葉が求められる。
流暢である必要はなくて、友人に語りかける言葉であったからこそ当時の人々の支えになったのではと感じた。 -
ジョージ6世(コリン・ファース)は、王になどなりたくなかった。
兄のエドワードが、王室が認めない愛のために王冠を捨てたことから、予期せぬ座についたのだ。
しかも彼には、吃音という悩みがあった。スピーチで始まり、スピーチで終わる公務の数々に、いったいどう対処すればいいのか?
王は何人もの言語聴覚士の治療を受けるが、一向に改善しない。
心配した妻のエリザベス(ヘレナ・ボナム・カーター)は、スピーチ矯正の専門家、ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)の診療所に自ら足を運ぶ。
堅く閉ざした心に原因があると気付いたライオネルは、ユニークな治療法で王の心を解きほぐしていく。
折りしも第二次世界大戦が始まり、ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦に揺れる国民は、王の言葉を待ち望んでいた。
ライオネルの友情と妻の愛情に支えられ、王は国民の心をひとつにするべく、渾身のスピーチに挑むのだが―。
吃音に悩むヨーク公が変わり者の言語聴覚士ローグと吃音を克服するために、ユニークな治療法で立ち向かう中で、ヨーク公の吃音の原因が父親との関係にあるのが分かったりぶつかり合いながら少しずつ信頼関係で結ばれ自信を取り戻していく展開が、体操などと発声法を組み合わせた特訓や唄に合わせて言いたいことを言う特訓などのユニークな特訓やヨーク公夫妻の愛情や立場を越えたヨーク公とローグの友情や兄貴に対する怒りを表現できないなどの困難を克服していく過程を絡めて描いた傑作ヒューマン映画です。
コリン・ファースやジェフリー・ラッシュなどの演技が印象的です。クライマックスのスピーチは、力強くて感動しました!
「私には王たる声がある!」 -
英国王にされてしまった主人公の悩み、そして友情、妻の愛。
とても良い映画でした。
せっかくだから、字幕見ないで視聴に挑戦してみようと思いました。
そのスピーチシーンでバックに流れたのはベートーヴェン交響曲第七番第二楽章なんですね!
ナチスドイツとの戦いに挑む国民へのスピーチです。
余談ですが、第一楽章はのだめのオープニングに使われて、ワクワクさせられます。
そして、この第二楽章は、昨年TVで見た『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史』で第二次世界大戦のドイツを語るときに頻繁に流れていました。
だから、「おお。ここで使うか。」と思いましたね。
ちなみにその番組で、原爆の落とされた瞬間に第一楽章が流れたんです。
BGMの影響って大きいとあらためて思いました。曲とともに、頭の中に場面が残るのです。
https://www.youtube.com/watch?v=2B9zf_rRN_4 -
ビデオですが、観た映画がとても、とても
素晴らしい作品で感涙。
1934年の第2次世界大戦への突入間近の、イギリ スを舞台に、幼少期から吃音に悩まされるアルバート王子(ジョージ6世)が妻とともに、平民であるオーストラリア出身の言語療法士の元を訪れ、克服するまでを描いた作品。
気づかされる事が多い映画で、
その一部を記録しておきたいと思います。
対等でいること、信頼関係を築くこと
平民の言語療法士と王子の身分格差
言語療法士は、対等であることを望みます。
友人のごとく接する言語療法師のローグ。
王子は最初は戸惑い拒絶しますが、次第に心を開き、徐々に自己変容していきます。
権威や役職は、その人の行動の指針である、役目、役割でしかありません。
人は人間として対等で深いまなざしを向けた時、初めて、相手は心を開き、自分の弱さに向き合い、変容を遂げるのではないのかなぁと強く感じさせられました。
職場の上司部下も同じです。
そして、物語は進みます。
言語療法士のローグは失敗します。
王子に、あなたは今よりも立派な国王になれる!なるべきだ!と言うのです。
王子は、私は父や兄のような立派な王になれない!と怒り、治りかけた吃音は悪化します。
ここでも、学びがありました
相手によくなって欲しいという気持ちが、強くなればなるほど、相手が望まない、思い込みの期待をかけてしまう傾向があることを。
まるで、子育てや上司部下の関係者を見ているようです。
なんだか色々書きましたが、
人間の内面を深く描いた良作だったと思います。 -
映画としてのクオリティが非常に高い作品です。ストレートな努力と愛情の物語ですが、その苦労の背景も丁寧に描き、且つ、撮る画も非常に美しく、それらがとても高いレベルでバランスの取れた作品ですので、機会があれば是非。
医師免許がなく、時にぶつかりながらも支えた医師を演じたジェフリー・ラッシュがとてもいいです。パイレーツ・オブ・カリビアンのバルバロッサ船長のあの人です。 -
BSプレミアムは、この映画の放映を1か月半程前から決めていたのに、ちょうど放映日がエリザベス女王の国葬だったのは、なんたる偶然!
前回見た時は、まったく背景を知らなかったので、良さがあまり分からなかったが、今回は、なるほどー、と分かるところが結構ありよかった。
コリン・ファースを知ったのは、「アナザー・カウントリー」の時から。当日は、ルパート・エヴェレットに隠れて地味な存在だった。こんなに成長されるとは、わからないものだ。
演出、かわいかったですよね(笑)
色使いもきれいで、ライオネルの家族の描写がすてきでした!上品な映画という感じですね。