D坂の殺人事件 [Kindle]

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 9
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感想・レビュー・書評

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  • 江戸川乱歩の短編集。D坂の殺人事件や石榴は本格で好きです。逆に火星の運河は今ひとつでした。虫なんかは乱歩らしいおどろおどろさが満載でしたね。防空壕では最後の老婆の語りにニヤリとしてしまいます。先に満島ひかりの明智小五郎(D坂)ドラマを見てしまったので、イメージが優先してしまった。

  • 江戸川乱歩は、短編でも非常に楽しませてくれる。
    長編と変わりない面白さ。
    そして、江戸川乱歩特有のグロテスクが楽しめる。

  • ミステリ作品が、こんなにも文学的な作品になるんだと、、、
    読んだ後は坂口安吾や安部公房を読んだような気分になった

    唯一の欠点は面白くない事と、トリックを聞いてもそうなんだ、としかならない事
    半分しか読めなかった

  • 明智小五郎が初登場する「D坂の殺人事件」を初めとした短編集。,印象に残った短編は「赤い部屋」と「虫」。,どちらも不気味で生々しい表現が脳裏に焼き付く。

  • 創元推理文庫 現代日本推理小説叢書の乱歩シリーズからKindle 化している一冊。表題作を含む短編10作と乱歩本人による自註自解を収める。

    「赤い部屋」だけ、最近読んだ記憶があったが、他は初読だと思う。気に入ったのは、堕胎の恐怖を描いた「毒草」。著者は堕胎が殺人とみなされない昨今では同感を得られないと書いているが、そんなことはなく、十分に恐怖が伝わってくる。次点は、十分に予見できるとはいえ二転三転のどんでん返しが楽しい「石榴」と、これも予見できるレベルだが最後のオチと、大空襲の描写が生々しい「防空壕」。

  • -

  • 子供時代に読んだダンディで知的な明智とは別人のよう。
    (天地茂の印象が強いのかな)
    謎解きを楽しむかのような 犯罪フェチ振り。

    乱歩ならではの上品な語り口の中にある変態思考満載の短編集だった。

    当時の挿し絵が素晴らしい。

    細部まで書き込まずにぼんやりと想像力をかきたてるが 作品の空気感がつたわる。
    ワンカットなのに映画のような・・・。

    巻末に『本書の挿し絵を描いた画家の名前が不明です。ご存知の方は・・・』とあった。
    編集部が消息を追っている。
    なんてロマンがあるのでしょう!!

  • 2014/06/03

  • 江戸川乱歩は、誰もが奥底に持っている人目にさらしたくない感情(羞恥やら自尊心やら)を言葉に置き換えて白日の下にさらすのが実に上手い。描写は時にはえげつなく、書かれてから数十年が経過している今でさえインパクトのある表現が多い。さすが乱歩。エログロを書かせたら、彼の右に出る者はいないのではなかろうか。
    負の感情は刺激されるし、キツい描写が多いのにそれでも読み進めてしまう不思議。このあたりは乱歩の上手さなのかなぁ、と思う。そしてこれらの作品が世に出ることを許容していた(それでも墨で部分的に塗りつぶされたりしたのだろうけど)大正から昭和初期というのも面白い時代だったのだろうなぁ。

    題材も内容も大衆小説の域を出ないけれど、文体に独特のリズムがあることや、使用されている語彙や表現が吟味されているのも嬉しい。(このあたりがつかみにくい場合には、何行か音読してみてください)。矛盾するような表現だけれど、綺麗な日本語でグロい描写というのがまた味となっている。

    長々と書いていたらあらすじまでたどり着けなくなってしまった。ミステリとしての完成度はイマイチだけれど、明智探偵登場の「D坂の殺人事件」他、印象に残る作品が多く入っているお得感のある一冊。

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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