人生はビギナーズ [DVD]

監督 : マイク・ミルズ 
出演 : ユアン・マクレガー  クリストファー・プラマー  メラニー・ロラン  ゴラン・ヴィシュニック 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.62
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感想 : 141
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4527427653436

感想・レビュー・書評

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  • 75歳でゲイであることを告白し末期がんの余命を愛に生きる父(クリストファー)と、38歳独身の恋に臆病な息子オリヴァー(ユアン)の"人生における幸福を模索する"物語。

    広々とした真っ白な部屋に柔らかにさしこむ陽光。きちんと揃えられた淡い色彩の家具たち。黙々と父の遺品を運び出すオリヴァーの穏やかでいて寂しげな佇まいは未だ彼がさまざまな喪失感から抜け出せていないことを窺わせる。
    父の告白を受け、5年前に他界した母の結婚生活を思い返し、少年のころから少しずつ蓄積させてきたぼんやりとした疑念と不安をすっかり持て余している様子が迷子の子犬のよう。

    おしゃべりな犬、アーサーのモノローグテロップ。
    繊細なタッチのイラストたちはどれもクライアントの要望に沿わないものばかり。
    オフィスの壁一面に塗られたビビットなイエローと、パステルカラーが点在する自宅の対比。
    夜中の落書き。
    乱雑に積み上げられた本屋の本。
    自分の中にあるものを反芻し、まとまらない思考を言葉や色で吐き出す。

    時代の推移とともに大統領や戦争や同性愛・人種差別に対する世間の評価は形を変えてきたけれども、星空や山々の緑や太陽はいつの時代も変わらない。
    そんな結論が見えてきた時、自信がないばかりに手放そうとしたフランス人女性との恋を振り返り彼女のアパートまで車を走らせる。
    彼女に"You make laugh me but not funny"と告げた時、オリヴァーがようやく自分の恋に身をゆだねられるようになったことを感じて温かな気持ちになりました。

    『パーフェクトセンス』を鑑賞した直後だったので、スライド写真やモノローグで展開されるさまが似ているなぁと思いつつ、鮮やかな色彩の画面と軽やかな音楽が対比する作品だったと思います。

  • 主人公のユアンマクレガーの繊細な雰囲気がいいおっさんのはずなのに、青年のようにみずみずしい。

    母親が亡くなった途端、父親がゲイと告白、余生を自由に楽しみ始めるが、がんになり他界をする。

    父母のすれ違いから子ども心に恋愛に、人を信じることができなくなっている主人公。イラストレーターなのか、アーティスティックな雰囲気。

    とびきりの美女があちらから近付いてくるなんて、不自然極まりないのだが、この主人公ならありかなと説得力がある。2人はがっつくわけでもなく、お互いに気を遣いながら、惹かれあう。
    現実で考えたら、美男美女の余裕にしか見えないだろうが、映画では、痛々しい切実さがうかがい知れる。

    恋愛の相手を大切だと思うとても幸せな気持ちと、お互いの存在が不安定な危うさと、なんだか罪のような共犯意識、絶妙にまじりあい、甘酸っぱくいて苦い。
    不器用な恋愛が、全くわざとらしくなく描かれている。
    なんだかド恋愛映画で、ときめいてしまうものだった。

    父親たちの人生の終焉に対し、これから始められる、信じられる恋愛というテーマに、人生を肯定できる力をもらえた。

    いつも隣にいる犬のかわいらしさ。
    メラニー・ロランの美しさ。
    これだけでも観ていて気持ちいい。

  • なんとなく身始めて
    ストーリーのテンポ的にもあんまり集中して見てなかったんだけど
    見終わったときもフーンって感じだったのに
    なんかあとからジワジワくるー

    太陽や星空はどの時代も大きく変わらないけど
    戦争があったり終わったり大統領が変わったりする人の世は
    生まれた年代で大きく違う

    同性が好きなことは病気だと言われた時代
    「治す」べきものであって、存在を認めるべきものではなかった
    だから異性と結婚してそれなりに幸せな家族を築いたけれど「治ら」なかった
    認められなくても、存在している

    そして、晩年のカミングアウト


    狩りのために人間に作り出されたというジャックラッセルテリアの存在が教唆的だった

    与えられた習性を享受しているとみるか
    ある程度矯正されている習性とみるか


    時代背景の説明にアイコンが次々出てくる感じが好き
    それから、そんな感じで最後にパパが出会い系?に提出した自己紹介の原稿もよかった

    ガーデニングやインテリアが趣味で
    元美術史家で、75歳で、ゲイ
    たくさんあるアイコンのうちのひとつでしかない

    息子で主人公のユアンが、最後パパの恋人とハグしたときが、100%パパを受け入れられた瞬間だったのかな
    幸せなシーンだった

    主人公の恋人の、電話越しの声とか
    インテリアのグリーンの感じとか
    ユアンが書いていたイラストや文句とか
    素敵だった

    パパも、カムアウトしたことでやっと自分や息子と向かい合えたのかな

    そのうちちゃんともっかい見たい

    犬を飼うならジャックラッセルテリアだ


    (2010/BEGINNERS)

  • 主人公どこかで見たことあると思ったらオビワンなのか
    ヒロインがめちゃめちゃタイプ
    特に最初のしゃべらずに筆談で仲良くなってくシーン
    500days of summerに匹敵する可愛さと小悪魔さ
    犬がめちゃめちゃかわいい
    ちょいちょい字幕でオリバーと会話するところとかたまらない
    この3役のやり取りのおしゃれさが凄くよくて、これだけでも観てよかった
    個人的にはお母さんと息子の回想シーンも微笑ましくて好きだった
    バーンって言って死んだふりするとことか超かわいい

    ここら辺の「俺がこんな幸せになっていいはずがない」みたいな考え方で溢れてる映画

    Anna: Why do you leave everyone? Why did you let me go?
    Oliver: Maybe because I... I don't really believe that it's gonna work, and then I make sure that it doesn't work.

  • メモ帳で会話するシーン、ローラースケートでホテルの廊下を走るシーンが好き。

    メラニーロランは大好きな女優なんだけど、アナが抜群に可愛い。500日のサマーに匹敵する小悪魔天使。
    人生は思うがままに生きたほうが幸せだ。

  • 何かでタイトルを知り、人生はビギナーズ、という言葉の響きが良く、気になって借りた。

    人生はいつからでもビギナーズってことなのか。悩んでる人が見ると、タイミングによっては背中を押してくれたり、共感する部分があったり、シンプルに見えて内容がしっかりしてるなーと感じた。

  • てっきりポップな作品だと思って観てたら、静かで緩やかな展開のひとつひとつ丁寧に描かれた作品だった。そして、音楽や画面から押し出されるアーティスティックな面が、非常にお洒落な作品でもあった。

    キャストが良い。ゲイをカミングアウトし残り少ない余生を謳歌しようとする老人という難しい役を演じたクリストファー・ブラマーはもちろん、虚無感から抜け出せない38歳独身男のダメっぷりを演じたユアンも、実は父との確執を持って人生に疑問を持って生きる女優を演じたメラニー・ローランも、とても良かった。登場人物全員の幸せを願える映画ってのは、良い。

    喪失感・虚無感と向き合っていく困難。この作品では無理に人生謳歌するわけではなくて、少しずつ困難と向き合い、人生を少しずつ再生する可能性を教えてくれる。

  • 主人公に感情移入できないし、ヒロインも何考えてるか全くわからなかったけど、とりあえず終わり方は好きだった。
    あと犬。可愛すぎ。犬。

  • オルタネイティヴ/USインディー好きの人なら、名前は知らずともそのアートワークは必ずどこかで一度は目にしたことがあるであろう、マイク・ミルズさん。
    昔マーク・ジェイコブスの広告にソニックユースが使われてたんだけど、たぶんそれはこの人の作品。
    最近だと、僕の好きなWildFlagってバンドのアートワークをされてて、これが最高に雰囲気がよい。

    そんなマイク・ミルズさんが映画監督をされてることは全然知らなかった。

    この映画は、ゲイをカミングアウトした末期癌の父親と、その姿を通して思い出した「過去」の家族の記憶、そして変化していく「今」の主人公を描いた自伝的作品。
    父親がゲイであることに折り合いがつかない葛藤、自分が自分らしく生きるには?そして恋愛とは・・・。

    かなり良い作品でした。傑作。
    雰囲気もマイク・ミルズさんらしいかわいらしいトーン。
    キャラクターもいい、犬がかわいい。

    ヒロイン役のメラニー・ロラン、『イングロリアスバスターズ』のあの子ですけど、これが美人すぎて困る。
    美人すぎるとあんまりよくないなー、減点だなーと思ったけども、
    映画における美人だからしょうがない、好きだもの。

  • ワンコがとっても可愛かった。クリストファープラマーも、ゲイのキャラを楽しそうに演ってたな。ただ、ヒューマンドラマなのに、誰にも感情移入できなかったなあ。

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