- Amazon.co.jp ・電子書籍 (219ページ)
感想・レビュー・書評
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誤解を与えることなく、反感を持たれることなく、意図が正しく伝わり、しかも好感を持って受け止められ、「読み手の心を動かし、状況を切り開き、望む結果を出す」文章の書き方を易しく解説した書。「実用以上、芸術未満の」「生きていくための必需品のような文章」、「「生活機能文」とも、「コミュニケーション文」とも言えるジャンル」。
伝わる文章を書くときに注意すべき留意点が網羅されている。まあ、時間をおいて冷静になって読み返してみると気づけることばかりではあるな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文章術の本ではあるが、文の書き方、文と文の繋げ方、段落の付け方、全体の構成の仕方といった個別具体的な手法・技術を解説したものではない。
自分が書きたいこと、書くことで相手に伝いたいこと、伝えることで実現したい効果など、文章を書くそもそもの目的、書くための素材を明確化するという、書くための前段階的・準備的なものに特化した内容となっている。
こうした事前の目的感を意識した視点と、目的を適切な文章に落とし込むための手法・技術は車輪の両輪であり、同時に相互に影響し合うものなので、両方をしっかり意識できればアウトプットの質は上がるだろう。
特に、前者について意識的に取り組んでいる人というのは非常に少ないんじゃないかと思う。目的も書くべき素材も、書き手本人が思っているほどには自明ではない。だから、本書で書かれていることを意識するだけでも相当なレベルアップがはかれると思う。 -
文章の書き方と銘打ってはいるが、実際にはコミュニケーション能力の鍛え方についての本だと思う。実際、最後の章はほぼコミュニケーション論に終始している。
一言で言うなら、分かりやすさと実践度を上手く配分している本だった。
この手の自己啓発本は玉石混合の具合が非常に激しい。分かりやすいお題目を並べているが実践ではほぼ役に立たない代物であったり、言う通りにやれば実践でも通じるのだろうが難解で腹落ちしなかったりする。その点でこの本はバランスが取れている。分かりやすく、かつ実践でも比較的入りやすい。ベネッセで人と向き合ってきた作者ならではでないだろうか。一度読んだらお腹いっぱいという本が多いこのジャンルでは珍しく読み返したいと思える本だ。 -
文章を作る時はまず論点「問い」をとにかく書き出す。「疑問形」にする
自分が何を言いたいのか?
その原因は?
自分は何に腹を立てているのか
「今後」のことを考えたいなら、あえて遠回りして「過去」へ「未来」へと視野を向けてみる
その文章のゴールを意識する。
つまりその文書は最終的に誰に読まれ、どうなることを目指すのかに着目すること
文章の基本構成
1.論点「問い」
何について書くか
論点は疑問形にする!!
2.論拠
意見の理由
3.意見
自分が一番言いたいこと
相手の側から見る
議事録を書く1番のポイント
議題を「問い」の形にして頭に大きく書く -
「機能する文章を書くためには、自分と読み手の問題関心から外れない論点を設定することが必要だ。(p67)」本書は、いかに読み手の関心を失わずに書くかに焦点を当て、初心者にもわかりやすく提示している。「あ、なんとなくしていたことを言語化してもらえた」と思う箇所がいくつかあった。自分の面白いと思うことを、人にどうしたら関心を持ってもらえるかを考える。それを怠ると、とんでもない方向に文章がいってしまうものだ。文章に完璧はないけれど、伝わらないと意味がない。山田ズーニーさんの脳内をのぞき見したような参考書だった。
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プロローグ部分の添削話が面白かった。
斜め読みで。
文体にやさしさが、溢れている。
そのプロローグネタでいえば、3人のプロ、予備校講師だったか、あとは高校の先生二人。彼らに聴いたところで指導はむずいっぽいと。ただ最後の高校の先生は、意見はあるんだけど、それを上手く出せてないだけではないか。
というところで、著者の2時間の集中アドバイスで改善されたということだ。これは著者がすごいとかって一面的な話でもなく、表現する仕方、伝え方とか、何かそういうことをそもそも学んでトレーニングしなければ出来ないんじゃないかということで、なるほどなと感じた。
小論文って確かに説得というか、なんでそう思ったかを伝える形式だ。とても僕は面白いと思うし好きだ。
今小論文について述べることは全くないのだけど、自分の考えを伝えるってことは、思っているよりも、伝えている人が思うほどに簡単ではないのだなと。
そのあたりから良い刺激になったかなと。 -
タイトルからコピーライティング本を想像していたが、中身は
・文章によって相手をどう動かすか?
・どう論点を設定するか?
等、とても実用的。
ビジネスメールにもプレゼンの資料創りにも生かすことのできる一冊。 -
「自分が考えることは、文字や言葉にすることで、最初の思考からは少し離れたものになります」
この言葉にハッとした。言葉は少し使い勝手に難がある道具なんだなぁ。それを使いながらなんとか相手とコミュニケーションをとっていく。
文を書く 読者がいる 相手が何を求めているのか考える 問いをさまざまに立てて考える -
考える方向・方法を教えてくれる良い本です。