COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2012年 07月号 [雑誌]

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  • 経済において堅調、教育においては世界トップレベル、幸福度は上位の北欧諸国を特集

  • ■世界ニュース

    1.テストなしでも競争力が育つフィンランド:フィンランドは児童の学習状況の改善をするためなら、あらゆる努力をする。学校の多くは小規模で、先生は学習プログラムの改善を日々、同僚達と行っている。フィンランドでは高校3年生の年度末に受ける試験を除き、標準テストが義務付けられていないが、OECDの調査によると、日本より読解力、科学的リテラシー、数学的リテラシーは上である。

    2.シリコンバレーで人気を博す「コンピューターのない学校」:グーグルやアップの社員たちは、体を使った学習や独創的なアクティビティを重視する「シュタイナー教育」を実践している学校に子どもを入れている。PCなどの技術よりまず想像力。

  • 北欧特集なので久々に購入した。編集長が変わってから雑誌の質が明らかに下がったので、定期購読を止めてしまった。文体については、編集長交代直後よりはよくなったような気がする。

  • 北欧諸国の社会システムを学ぶことで、
    「幸せに生きるヒント」を探す特集。

    特に面白かったのは、税金と起業率
    とのDATA。ノルウェーは税金が高い。

    例えば…ある起業家の税金は所得税が50%、
    更に純資産の1%、25%の消費税を払っている。

    それでも、グローバル起業モニターの調査では
    ノルウェーの方が人口あたりの起業数は多い。

    低い税率が経済の繁栄をもたらす証拠は実はない。
    というのは衝撃だった。

    また、税金を負担ではなく、家族や自身への
    生活サービスへの消費や投資として考えている
    のが彼らの特徴。

    他にも特別な教育法や税金の使い方など…
    ビジネスのヒントが今号も盛りだくさん。

    みんなの大好きなレゴ社、デンマーク本社
    への取材もある。特に食事や家族的な経営など、
    かなり変わった取り組みは面白い。

    デンマークは人口が少ないにも関わらず
    グローバル世界で抜群の競争力を持つ国の1つ。

    その秘密は何か…

    ちゃんと学びたい要素タップリの1冊。

  • 曖昧な時代をくぐり抜けてきたのは、スキルが詰まった道具箱のおかげではない。むしろ多様な経験と、新たな物事に取り組む情熱によって、何があろうと対応できる術を身につけたからだ。

  •  北欧といえば、高福祉高負担の国であり、家具で有名なイケア、インターネット無料電話のスカイプ、携帯電話で有名なノキアなど日本でも知られている企業がある。明日のテレビ東京の「日経スペシャル 未来世紀ジパング 沸騰現場の経済学」では、北欧企業特集だ。http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/next/#section1 それに合わせたわけではないが、今回のクーリエも北欧特集で北欧の国々を知る良い機会となる。

     教育といえば、フィンランド。なんと言っても国際標準テストで世界的に高レベルにある。その秘密といえば、学校は少人数制で、教師は、優秀な成績を修めた学士号取得者の情意10%から選ばれ、修士号取得するのが義務となっている。詰め込み教育をしているわけでもなく、児童のケアをするソーシャルワーカーなどのサポートを充実させて、生徒が落ちこぼれないようにしている。テストは、学区の統一試験を6年生になってから受けるとあり、しかも担任教諭の同意を得る必要がある。

     日本が参考にしようとしたら、学校を出た後の事例も頭に入れる必要がある。「一所懸命」ということわざがあるように、ひとつのところで必死に仕事をするのがよいのが「常識」になっている。既得権益を持っている側にとっては非常に都合のよい言葉だ。ところがデンマークでは、終身雇用制はなく、柔軟「フレキシブル」であり、安全な「セキュリティー」雇用体系を「フレキシセキュリティ」と読んで、経済力と労働者の権利を守るというシステムを導入している。1つの職場に平均して7~8年勤務して、40年働くとすれば、5~6ヵ所で働く。

     日本で所得格差と待遇の格差を是正するには、正社員に扱いについてメスを入れる必要があるが、とても入れるつもりもないのが現状だ。

     ワールドニュースで気になったのが、スターバックスのヨーロッパ強化作戦。カフェ文化のヨーロッパでは、スターバックスは売り上げが伸びずに苦戦している。そこで、国ごとにサービスを帰る作戦に打って出た。フランスだと、フランス産のチーズを使ってフランス人のハートをわしづかみにしようと躍起になっている。やはり、大手のチェーン店となると個性をどう出すかそこが問題となる。

     シリコンバレーといえば、ハイテクの町なので、そこで学んでいる子供たちはコンピュータを駆使しているのかと思ったがそうでもないところがあった。シリコンバレーにある企業の社員たちが子供を通わせているウォルドルフ・スクール・オブ・ザ・ペニンシュラでは、コンピュータを授業では一切使っていないとあり驚いた。では何が売り物かといえば、「シュタイナー教育」という身体を使った学習とアクティビティーを重視した教育で人を引き付けている。コンピュータに使われる人間ではなく、コンピュータを使い何かを生み出すような側に立って欲しいという親の願いがこの学校の人気になっているのだ。携帯の何とかロワイヤルをせっせとやっても、財布や口座からヒラヒラと現金が羽ばたいていくばかりだもんなあ。仕組みを作る側になった方が儲かる。

     世界にはリッチで名門の血筋を引いている人がいる。今回のロイヤル・ファミリー事件簿 番外編では、「世が世ならフィンランドの王子様!?」で、紹介されている人物がいる。その人は、ドナトゥス・フォン・ヘッセン。あの神聖ローマ帝国から続く名門貴族の跡取りで、しかも膨大な文化遺産を相続とある。玉の輿をねらう「婚活女子」には気になるところだが、独身かどうかは不明だ。

     クラゲのような柔軟な姿勢が必要とされる現代。「フラックス(流動)世代」が登場しているとクーリエに載っている。記事を載せたアメリカの「ファースト・カンパニー」誌いわく、「フラックス世代とは、不安定な状況を積極的に受け入れ、キャリアやビジネスモデル、これまでの常識を修正することに抵抗がなく、それを楽しむ余裕すらあるような人たち」と定義している。そして「未来志向」はフラックス世代の特長の1つになっている。過去形で人生を振り返ったり語っても明日という日はやってこないからだな。変化の波に乗るのがうまい人たちとも言える。公務員になれば、企業ランキング10位以内の企業に就職すれば間違いなしとはいえない時代だけに、頭の中に酸素と血液がきちんと循環するようにして、アンテナを張り、面白いと思った情報を入れるなどして今の時代を生き抜いていく必要がある。

     今月号は北欧特集で、日頃知る機会のない情報に触れることができてよかった。次は、アフリカか東南アジアの特集を組んで欲しいと思った。日本のメディアが取り上げない情報満載でやってもらえるとありがたい。

  • 北欧特集が面白かった。フィンランドの教育特集で、多くの移民を受け入れて授業を成立させているところが制度であったり教員であったりすごいやと思う。一クラス20人程度で落ちこぼれを出さないようにきめ細かく配慮ができる状況をどうやって真似できるだろうか。

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著者プロフィール

監修・執筆 深田晶恵
個人のお金の相談を受けるファイナンシャルプランナー。(株)生活設計塾クルー取締役。
金融商品や保険商品の販売をせずに、中立的な立場で退職後の生活設計などの相談を受けている。高齢の夫の両親と同居の経験もあり、高齢者へのアドバイスに定評がある。著書は『知識ゼロの私でも! 日本一わかりやすいお金の教科書』(講談社)など多数。

巻頭料理特集 『かんたん! おいしい! 手間いらず 冷凍うどんのすすめ』(上田淳子)
兵庫県神戸市生まれ。辻学園調理技術専門学校の西洋料理研究所職員を経て、渡欧。帰国後は東京のサロン・ド・テでシェフパティシエとして勤務したのち、料理研究家として活動。作りやすい家庭料理レシピが好評。『冷凍お届けごはん』『ひとりでできる 子どもキッチン』(以上、講談社)など著書多数。

週末コラム 『健康になる食生活』東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 濱裕宣・赤石定典
健康と栄養のバランスを大事に、日常生活の中で活かせる食事のノウハウの普及を目指している。栄養のプロの知識と科学に基づいたわかりやすい解説に定評がある。

「2022年 『かんたん年金家計ノート 2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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