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- / ISBN・EAN: 4933672240138
感想・レビュー・書評
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すごみ。
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『神々のたそがれ』の源泉となる、何が何だか良く分からないが、なにかすごいエネルギッシュなものですごいといことは分かる。門の上に座って後転して姿を消したり、ラストに画面の前に頭の上に酒を乗せたりするのは、だんだかよくわからないが良かった。あと、スターリンに最後の屁をさせるという設定も、面白い。
【ストーリー】
1953年、スターリン政権下ソビエトでは不穏な空気が立ちこめていた。モスクワの大病院の脳外科医にして赤軍の将軍でもあるクレンスキー(ユーリー・ツリロ)は、病院と家庭と、愛人のところを行き来する毎日を送っている。そんななか、スターリンの指示の元、KGBはユダヤ人医師の迫害計画である「医師団陰謀事件」を発動する。
事態を察したクレンスキーは逃亡を試みるが、すぐに捕らえられ強制収容所に送られる。しかしそこにはもう一つの陰謀が動いていた。クレンスキーは突然釈放され、山奥の別荘に連れて行かれる。そこにいたのは重い病にふせっているスターリンその人であった。すでに手遅れであることを悟ったクレンスキーは、スターリンに最後の放屁をさせる。家に戻ったクレンスキーは家族の前から姿を消す。
10年後、マフィアとなってたくましく生き抜くクレンスキーの姿があった。
スターリン体制下の厳しい現実を生き抜いた人々の姿を強烈なタッチで活写した群像劇。監督・脚本は「わが友イワン・ラプシン」のアレクセイ・ゲルマン。撮影はウラジーミル・イリネ。音楽はアンドレイ・ペトロフ。出演は「わが友イワン・ラプシン」のニーナ・ルスラノヴァ、ユーリー・ツリロほか。 -
爆音にて
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とにかくたくさんの人が出てくる映画だ。それもモブとしてではなくて、それぞれにフォーカスがあたり、それぞれが演技をしている。でも、みんな名前がない。そういう人たちがいっぱい出てくる。いちおう主人公らしき人はいるのだが、最初の1時間は何が起きて、どこに話が向かおうとしているのかも分からない。
ところが後半になって話が徐々に収束していって、「あ、そういうことか」という事件が起きる。でも、最後のほうはまた同じようにたくさんの人たちがどんどん現われ、話は混沌としてくる。
この映画を見ながら、ドストエフスキーっぽいなぁと思ったのだが、あとでライナーノートを読んだら、やはり監督自身がドストエフスキーをかなり意識していると語っていた。まあ、ロシア人だから当然といえば当然なんだけれどもね。
この映画を見るためには、いちおうソ連の歴史、ことにスターリン時代の話を知っておかないといけない。そうじゃないと元からわかりにくい話がさらにわからなくなってしまうし、本当につまらないんじゃないかなと思います。
それにしても、主人公が護送車の中でレイプされるシーンは本当に見るに堪えなかった。やはりそれはレイプされているのは私と同じ男性だからだろうね。女性が女性のレイプシーンを見ている気持ちが少しだけ分かった。