- Amazon.co.jp ・電子書籍 (304ページ)
感想・レビュー・書評
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高校野球にはプロ野球ではあまり見られない意外性がある様に思う。高校野球を題材にした小説なので、著者がその意外性をどのように織り込むのかを気にしながら読んだ。単なる試合の流れ、結果だけでなく、登場人物の人生や葛藤などが楽しめる作品であった。
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日替わりセールで購入。
堂場瞬一のスポーツ小説に外れなしということをあらためて証明したやね、時期的にもピッタリで更に良かったです。 -
またまたおなじみのKindleセールで目に付いて購入パターン。
プロローグはある監督・牛木のつぶやきから始まる。
夏の高校野球決勝戦の真っ最中。
相手チームの監督・久保は、彼自身がピッチャーだった高校時代に甲子園で相対した強打者であり、幼馴染でもあった。
この2人の間にどんな経緯があったのかが本編で語られ、エピローグは逆に久保のつぶやきで終わる。
本編は牛木と久保が高校球児だった頃の、甲子園での決勝戦が舞台。
しかも15回延長の末同点で、翌日再試合。その夜から物語が始まる。
牛木と久保、これにそれぞれの学校の監督たち・羽場と白井(彼らもまた同じチームだったという縁があった)、そして彼らのかつての監督であり、この試合の解説を担当する滝本が加わり、この5人の目線が入れ替わりながら物語が進んでいく。
そして次の日の試合途中まで、実に24時間を切るような短い時間のことがこと細かに語られるが、不思議と冗長さを感じなかった。
野球好きだからかも知れないが、高校野球という舞台の裏で渦巻くドラマを時には楽しく、時には腹立たしく思いながら読み切った。
タイムリーなことに、投手の続投やスポーツマンシップなど、この夏の大会で話題になったテーマも盛り込まれていて、それも読むスピードを速めた要因になった。
エピローグでの久保の言葉。
「野球は永遠に続く輪だ。」
結局この一言がこの作品を表している気がした。