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- / ISBN・EAN: 4988102090494
感想・レビュー・書評
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まずジャック・カーディフ× ニーノ・
ロータ、カラー映像美と映画音楽の巨匠の組み合わせが貴重な1本。音楽が同じ作曲家の他作品ほど評価されていないにしても満足感が高い。クリスティでも登場人物が特に多い原作を無理なく整理していた。俳優の人選も概ね良く、ポワロとレイス大佐、富豪老婦人と付き添いのコンビは是非他でも見てみたかった気がする。後にマープルになる人の、恋愛小説家もすごく楽しんで演じているのが伝わってきた。ただ肝心の事件の中心人物たちが…被害者はまぁまぁあっているけれど、ミア・ファローは個性が強すぎて何かジャクリーンとは別の人。極めつけはサイモン、設定的に完璧な人である必要は無いけれど、大富豪の若い美女が親友から略奪するほどの魅力が全く感じられないのは致命的。 -
1978年、イギリス。ジョン・ギラーミン監督。主演のポアロはピーター・ユスティノフ。宝石マニアで底意地の悪い大富豪の女性をベティ・ディヴィスが、なんでもかんでもセックスの問題にしてしまうロマンス専門老作家の地味な娘をオリビア・ハッセーが演じているのも見どころのひとつ。
映画版『オリエント急行殺人事件』がよかったので続けて視聴。なかなか事件が起こらない前半はちょっとだらけた感もあったが、それがすべて伏線になっているところがミソ。アガサ・クリスティお得意の閉ざされた空間の中での連続殺人事件と謎解きは十分に楽しめた。オリエンタリズムの表象も分析対象として興味深い。事件とは一切関わりを持たされていなかったのに(この映画ではエジプト人船員たちは徹底して「見えているのに見えない存在」として描かれ続ける)、謎解きの場面でまるで容疑者の一人ででもあるように席を与えられていた船の支配人の存在感も、なかなか気になった。 -
ベティ・デイヴィスが出ているので見る。公開時70歳。この時は太っている。最初お付き役の看護婦かと思ったらそちらはマギー・スミスだった。なんとなんと。ベティばあさんよかったなあ。マギー・スミスもおばあさんに見えたがこの時44歳なんだなあ、よく見るとしわは無かった。痩せた頬が「八月の鯨」のベティ・デイヴィスに似ていたのだ。
その他ミア・ファロー、オリビア・ハッセーが出ていた。この時のオリビア・ハッセーは若い時の倍賞千恵子にふと似ている、などと思った。
筋は事件のための事件という気もするが、飽きさせない作りと豪華俳優陣で楽しめた。
1978イギリス
2018.11.22 -
舞台となるエジプトの情景が美しく、壮大。
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大変美味しく頂いた。
物語としては、既に何度か見ているもので、筋も結果も知っているが、主役ポアロの役者さんが大好きで、何度でも見てしまう。
残念ながら吹き替え版が存在していないということで、英語が全くちんぷんかんぷんな私にとって、字幕が命綱ともなりえるのだが、何度か見逃して巻き戻すなどを繰り返しながら、まことに大変、面白かった。
余談だが、今回見直した結果、この作品に、若きマクゴナガル先生(ハリー・ポッター)が出演なされていることに気付けた。 -
美貌と聡明さを兼ね備えた上、つい最近莫大な遺産を相続したリネット・リッジウェイ(ロイス・チャイルズ)は、親友ジャクリーン(ミア・ファロー)の婚約者と突然婚約をし、人目を避けてエジプトへハネムーンに旅立った。しかし豪華客船カルナーク号には、彼女に何らかの利害関係や遺恨、ないし敵意を抱いている者たちが勢揃いしていた…。
ナイル川を船で遡上しながら観光名所を巡るシーンはエキゾチックですし、ポアロがコブラに襲われるなど興味深いシーンが満載で飽きさせません。
犯人探しの過程は単純で「もしあなたが犯人ならこうしてリネットを殺害した」とポアロのシュミレーションが何度も繰り返されます。下手な作りだと苦痛に感じてしまうところですが、手を変え品を変えて巧く処理しているところが秀逸です。
トリックもシンプルですがクリスティーらしさが出ていて好印象。殆ど状況証拠なのが気になりますが、推理ものとしては概ね良く出来ていると思います。