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- / ISBN・EAN: 4907953042728
感想・レビュー・書評
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あんなに尖っていたゲーリー・オールドマンがこんなに円熟した演技をみせてくれるなんて!
渋さ満開のキャストと言い、沈黙と仕草で展開される演技バトルと言い、ついでに、常に曇っているロンドンの風景と言い、必要としていたものが全て揃った映画でした。久しぶりにイギリス英語も堪能しました。
原作も素晴らしいらしいので、是非読んでみたいです。
2時間くらいの映画ですが、ゆっくりと確実に、そして慎重に集中力を失わないプロットで、役者陣の演技も良かったです。
ベネディクト・カンバーバッチが美味しい役だったのも嬉しい。ただ彼は、ブロンドよりもブルネットの方が瞳の色がきれいに見えて、セクシーですね。いつも小綺麗にしているコリン・ファースのうっすら生えた髭もよろしかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1974年の小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」が原作、ドラマ化もされているスパイサスペンス。
“1960年代のロンドン。ある作戦の失敗でイギリスの諜報機関“サーカス”を引責辞職したジョージ・スマイリーに、ある日特命が下される。それは、いまもサーカスに在籍する4人の最高幹部の中にいる裏切り者(モグラ)を探し出せというものだった・・・”
まずこの作品は初見ではなんのこっちゃ良く分からない点が凄く多く、観る人によってはストーリーについていくことすら困難かもしれない。というのも原作小説がヒットしていて、ドラマ版も人気だったという背景があり、ある程度の内容を知っている人向けの作りだからだ。
説明めいた演出や台詞は一切無く、ただただテンポよく物語は進んでいく。回想シーンなど、随所に差し込んでいるが説明的な字幕もないために観てる側からするとこれがいつの話で、今とどう繋がってるのかが掴みにくい。そして登場人物も多く、それぞれが通常の名前と“暗号名”という諜報活動用の名前もあるため(他にも偽名がある役も)に人物背景も捉えにくい。
気づいたら真相が判明し、気づいたら終わってしまった。初見の感想はこんな感じ。不親切だな~と思ったのが正直なところだが、消化不良な点を埋めるためにネットで考察を読むといろんなことに気づかされてハッとした。必要のないシーンに感じたところも、意味の分からなかった台詞も全てに意味があった。
そして二度目の観賞。真相を知った上で再度観直すと如何にこの作品が“無駄の少ない映画”かが良く分かる。嘘に嘘を重ねる中に見え隠れする“モグラ”の真意や東西冷戦下という難しい時代だからこその言い回し、そして┌(┌^o^)┐ホモォ......。
狂ってないゲイリー・オールドマンを中心に本当に渋すぎるキャストだったけど、適材適所で素晴らしい配役だったし、時代設定の作り込みも凄く良かった。二回観賞すること前提とは言わないが、内容を知った上で観てこそ、この作品の本当の魅力が見えると思います。 -
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』の映画版。知的で、残酷で、抑制されていて、ロマンティックで、この上なく見事な作品です。
情報量が多いのでぼーっと観るにはあまり向きませんが、まずはこの冷たさと郷愁を感じるだけでもいいと思います。あとはキャストが実に豪華なので、イギリス映画が好きなら見ておいて損はありません。 -
ラスト…ラ ス ト !!
結末に関しては印象の色合いさえネタばれしたくないので、言えるのはこれだけ。
見て。 -
難しい!
見る前に何回もあらすじとか相関図見て挑んだけど、途中から曖昧な理解で進んでいき最後はどーんと終わった。
ラストのラメールの明るい感じと、オチの映像のギャップ?が切ない〜
パーティーでプリドーとヘイドンの目が合って、ヘイドンが先に逸らすとこがこの映画を象徴してるなって思った。もう一度観たい! -
一度観ただけでは意味が分からず、あらすじやらを色々調べて2回観ました。
スパイ映画だけれどアクションシーンはほとんど無く、ゲイリーが渋く淡々と謎を解いていく。
最初に観たときはついつい眠くなってぽーっとしてしまって、後から調べてるときに「えっ、こんなシーンあったっけ?」と戸惑いましたが、見返したらきちんと描かれていてびっくり。これは原作が好きで読み込んでいるひとからすればニヤニヤが止まらない映画なんだろうなぁ。
ゲイリーの有無を言わせない存在感と、穏やかで優しい顔、妻との関係に思い悩む情けない背中、そして時々滲ませる残忍な一面がもうたまらない。最後の「スパイ」を知ったうえでさらにもう一度観かえしたくなる。 -
予約。早く来い来い。
来た。観た。
初見の映画館で意味の分からなかったシーン、原作読んだことで今回はだいたい理解できたかな。でも別にそのシーンが意味することを取りこぼさないように見る必要は感じないのだ。豪華な俳優陣にうっとりしながら観てるだけだからな。
カットされたシーンのうち、スマイリーがエプロンつけて目玉焼き作ってそれだけをいただく長回し、いいですね。映画に挿入されていたら車から蜂を逃すシーンと並んで妙に笑いを誘うものとなったでしょう。けけけけけ。 -
大傑作。
ひとつの場面・ひとつのセリフも見逃せない・聞き逃せない映画であり、それらを支える画の美しさ、俳優さんの演技力も素晴らしいです。
そのぶん視聴者に負担をかける作品ではありますが、それだけの価値はあります。
説明が不足しているのではなく、必要最小限かつ映像で読み解く形で説明が与えられることが多いのではと感じました(セリフによる説明も無駄が一切ないので、そこも取っ付きにくいところかもしれませんね)。
人によっての映画に求めるものの違いはあるでしょうが、ハマる方はハマる作品でしょう。
原作へのリスペクトが非常に感じられて、「単体の映画」としても傑作ですが「原作付きの映画」としても傑作だと思いました。
ピーター・ギラム君、スマイリーのこと好きすぎでしょ……。