私が、生きる肌 [DVD]

監督 : ペドロ・アルモドバル 
出演 : アントニオ・バンデラス  エレナ・アナヤ  マリサ・パレデス  ジャン・コルネット 
  • 松竹
3.70
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本棚登録 : 430
感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105064997

感想・レビュー・書評

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  • とんでもないもの見ちゃったな。。。。

    この衝撃をみなさん、どう処理したのか?
    他の方のレビューが気になった。


    ホントに『なんでそうなるの?』と何度ツッコんだか。


    どんな悲しい過去があったにせよ、
    何をどう思っているのか、
    ロベルの行動は到底理解できないし、しようとも思わない。

    ロベルが淡々と、とんでもないことを平気でやっちゃうように
    この映画も多くを語らず、衝撃の事実をうけ流すようにクールに進む。


    ここまで倒錯的な映画なのに高評価なのは
    アルモドバル監督の美意識にやられたせいだ。


    どのカットも美しい。


    特にロベルがベラをスクリーンでこれまた絶妙なサイズ感で鑑賞するんだけど
    その中で佇むベラは絵画の中で暮らす裸婦像のようだ。

    そしてロベルの施す所作。
    道具の扱いや肌の張り合わせ、
    まるで作品を創っているかのような繊細な動き。
    一挙手一投足をつい追ってしまう。



    こんなにグロい話なのに不思議と嫌悪感はない。
    それどころか上品な空気さえ感じてしまう。

    多分、あのカットとこのカットが逆だっだら
    こうは思えないんじゃないかな?

    まさにアルモドバルマジック。


    とはいえ、胸ぐら掴まれそうで人には勧められないけれど。。。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「まさにアルモドバルマジック。」
      その一言に尽きますね。。。
      「まさにアルモドバルマジック。」
      その一言に尽きますね。。。
      2014/03/03
    • PEACEFULLY BOOKSTOREさん
      nyancomaruさん、
      コメントありがとうございます!

      この映画、人と話したいけど話せない
      なんともいえないジレンマ。

      ...
      nyancomaruさん、
      コメントありがとうございます!

      この映画、人と話したいけど話せない
      なんともいえないジレンマ。

      共感してもらってウレシかったです!
      2014/03/05
  • 予想のはるか上を行くショッキングな内容。最近はたくさん映画を見てたけど、こういうパンチは久々にくらった。「パフューム」もこんなパンチだった。アルモドバル監督作品は全部好きだけど、これはかなり上位です(でもやっぱオールアバウトマイマザーが一位かなぁ)。毒のあるストーリーに、美しい映像、今回はいつもの色彩感覚というよりは、手術道具までファッショナブルに見せるカメラワークで、惚れぼれ。毒があって完成度の高い映画でした。

  • LA PIEL QUE HABITO
    2011年 スペイン 120分
    監督:ペドロ・アルモドバル
    原作:ティエリ・ジョンケ『蜘蛛の微笑』
    出演:アントニオ・バンデラス/エレナ・アナヤ/マリサ・パレデス

    天才的な形成外科医ロベル・レガル(アントニオ・バンデラス)は、広大な邸宅の一室に、ベラ(エレナ・アナヤ)という美しい女性患者を監禁している。禁断の遺伝子実験に手を染めた彼は、ベラにその人工皮膚を全身移植し、12年前に死んだ妻ガルそっくりに整形して、経過を見守っていた。しかし屋敷の使用人で、ロベルとは母親のように親密なマリリア(マリサ・パレデス)の息子セカ(ロベルト・アラモ)がカーニバルの日に虎のコスプレで現れ、実は犯罪を犯し逃走中の彼は自分の母を縛り上げ、監禁されているベラをガルと間違えて襲い、帰宅したロベルに射殺される。実は12年前、二人の間には因縁があり…。

    ペドロ・アルモドバルの映画は、ぶっとんだトンデモ映画と、わりとええ話、にざっくり二分されると思うのだけど、この映画は、ぶっとび系。フェティシズム、エロティシズム、マッドサイエンティスト、血なまぐさい復讐もの、いろんな要素がぶっこまれた原色のごった煮のどぎつさ。しかし面白い。

    映画はまず現在、妻そっくりに整形した美しい患者を監禁している医者と、共犯している家政婦、さらにその息子が殺害されるという異様な状況から始まり、いったい彼らの過去になにがあってこんなことになったのかという回想が始まる形式。以下がっつりネタバレ詳細。

    ロベルの父レガル氏は、妻が不妊であったため、当時から使用人だったマリリアに手を出し、彼女が出産したのが実はロベル。ロベルは実子として引き取られ、マリリアはあくまで乳母として赤ん坊のころからロベルの世話をし続けた。ロベルは実の母がマリリアであることを知らない。のちマリリアが別の男との間に作った息子がセカ。つまりロベルとセカは種違いの兄弟だがむろん当人たちはそんなことは知らない。

    子供の頃から相性の悪かった二人、セカはすぐに非行に走り家出。ロベルが美しい妻ガルと結婚し娘ノルマと三人幸せに暮らしていたところへ、犯罪を犯して逃走中のセカが戻ってくる。なんと彼はガルと恋に落ち、二人は駆け落ち、しかし二人の乗った車が事故で炎上、セカはそのまま逃げ、ガルは全身火傷を負う。

    瀕死の重傷をおいながらも、天才外科医ロベルのおかげで一命を取り留めたガル。ロベルは彼女に鏡を見せないようにしていたが、ある日娘のノルマの歌声に惹かれて窓を開けようとしたガルは窓ガラスに映る全身火傷で変わり果てた自分の姿を見てショックを受け、そのまま飛び降り自殺。幼いノルマは、飛び降りた母の死体を見てから心を病んでしまう。

    6年後、美しい娘に成長したノルマは、まだ精神不安定ながら、父親と一緒に知人の結婚パーティーに来ていた。そこで知り合った仕立て屋の息子ビセンテ(ジャン・コルネット)と良いムードになり、庭でセックスしようとするが、突然ノルマは発作のように叫びだし、気絶。驚いたビセンテはそのままバイクで逃げ去る。娘を探しにきたロベルは、レイプされ倒れているノルマを発見、もともと不安定だったノルマは再び精神病院へ。彼女はロベルを父と認識せず恐怖に怯え、やがて母と同じように窓から飛び降り自殺。

    ロベルは、ビセンテへの復讐を決意する。まずビセンテを拉致、監禁。髭を剃り薬で眠らせたあと外科医の彼のしたことは、なんと、性転換手術!!もともと非合法の整形や性転換を裏で請け負っていたらしきロベルは、裏稼業仲間にも手伝わせて、ビセンテを女性にしてしまう。娘をレイプした犯人に、これ以上の復讐があるだろうか…。凄まじい。とはいえ、厳密にはビセンテはレイプしたわけじゃなく、途中まで合意、ここまでされるのはちょっと可哀想な気もするし、彼の母親は行方不明の息子の生存を信じて探し続けており、こちらも同情を誘う。

    ロベルはビセンテに「ベラ」という新しい名を与える。そう、冒頭監禁されていた女性は、彼だったのです!!さてビセンテを女性にしただけでは飽き足らず、皮膚移植の実験材料にしたロベルですが、妻そっくりに整形してしまったのが原因で、ベラに対し妙な情が沸いてしまう。一方ビセンテ=ベラは、何度も脱走や自殺を試みるも悉く阻止され、無気力からか従順にふるまうように。ここで物語は冒頭に繋がり、セカの乱入事件が起こるわけですね。

    セカにレイプされた時点で、ある意味もうビセンテの贖罪は終わっていたのではないかと思う。先にも書いたように、ビセンテがノルマにしたことが果たしてレイプだったかどうかは微妙な線だし。女性に性転換されたうえに、暴力的マッチョに襲われて、逆の体験をしたのだから、もう十分でしょう。(つうかすべての性犯罪者は、ビセンテと同じ目に合わせるべきだね!)

    そんなこんなで、セテを殺して埋めたロベルは、かつてセテに奪われた妻を取り返したかのような追体験をしたせいか、本格的にベラを愛するようになってしまう。自分の娘をレイプした復讐に自分の手で性転換と整形をした元男性なのに!まあロベルは最初から狂っているといえば狂っているので、今更彼の言動を頭おかしいとか言っても意味ないかもしれません。ベラは、さもロベルを愛し受け入れるかのようなふりをする。もちろん逃げるための芝居。こうして復讐者と被復讐者、加害者と被害者は、見事に入れ替わってしまうわけですね。

    ありえない話だけど、そんなツッコミは無粋。ありえないから面白い。アントニオ・バンデラスが大真面目な顔でどんどん壊れていくのがすごい。アルモドバル監督はこうじゃなきゃ!という珍作でした。

    • 淳水堂さん
      こんにちは!
      読んだだけで「ええー!」とびっくりな展開、
      相変わらず見事なレビューです。
      また色々紹介してくださいませ。
      こんにちは!
      読んだだけで「ええー!」とびっくりな展開、
      相変わらず見事なレビューです。
      また色々紹介してくださいませ。
      2020/11/17
    • yamaitsuさん
      淳水堂さん、こんばんは!
      あまりの濃ゆさに、あらすじだけでお腹いっぱいの珍作、ご紹介できてよかったです(笑)
      もう見終わったあと、誰かに...
      淳水堂さん、こんばんは!
      あまりの濃ゆさに、あらすじだけでお腹いっぱいの珍作、ご紹介できてよかったです(笑)
      もう見終わったあと、誰かにこのとんでもなさを言い触らしたくてたまらなかったので(笑)
      2020/11/17
  • 愛する妻を失った故にヤンデレ化した医師の狂愛物語だと思っていたのに、その実は愛情に飢えたド変態医師による復讐と自滅の物語でした。
    こんなド変態に出会ったのは久しぶりで衝撃的でした。是非、予備知識が全く無い状態で見て欲しい。硝子を伝う雫のようだと囁きながら美しき作品ベラの乳をもみもみしたり、その作品が深い業によって作られているのにも関わらず肉体関係を持とうとしたり、バンデラスのいい男っぷりが見事に台無しな素晴らしい演技を見せてくれます。同監督の別作品もとても個性的で面白かったので、他作品も見てみたくなりました。

  • ★★★★★
    私たちが見ているのは外見か?中身か?
    【内容】
    画期的な人工皮膚の開発に没頭する形成外科医のロベル。彼が夢見るのは、かつて非業の死を遂げた最愛の妻を救えるはずだった“完璧な肌”を創造することだった。

    【感想】
    R15+指定です。性描写が激しいからR15ではありません。暴力描写が激しいからR15でもありません。倫理的に問題があるからR15指定です。

    私たちが好きになるのは、相手の外見なのか、内面なのか。それともその両面なのか。
    人間の本質とは一体何なのか。

    監督は、『トーク・トゥ・ハー』のペドロ・アルモドバル。毎度毎度すごいなこの人。
    監督は同性愛者としても有名なようです。あぁなるほどその視点もあるのか。

    主演のエレナ・アナヤの演義が秀逸です。あの前と後では見た目が一緒なのに別人格に見えてしまう。

    英語タイトルは「The Skin I Live In」。おぉ邦題は意外とそのままなのか。

  • てっきり、亡くなった妻を思いつめるあまりに、別の女性を奥さんにしたてる話かと思ってた。
    もう、なんというか、どうしてそうなっちゃうの?!と。
    いえいえ、亡くなった妻への盲目的な愛。愛する娘を壊されたことへの復讐。妻そっくりに作り上げた作品(ベラ)をいつの間にか気にするようになる。ここまでは分かる。だけど・・・。
    主人公は元妻を愛していたのか、それともベラを愛していたのか?ベラを愛していたのなら、どうして愛するようになったのか?
    狂気に満ちた主人公を中年でもお色気ムンムンなアントニオ・バンデラスが熱演してます。

  • 静かで、美しく、恐ろしいお話でした。
    予告を観た時は単純に推理ものかと思いましたが、もっとおもしろいものでした!

    画面がいちいち美しくってもう、ため息が漏れますな!
    なにより綺麗なのは、ベラ役のエレナさんの肌!まっちろでこの世のものでない様な存在感です。
    白と赤の対比の映えること!
    カメラごしの何処を観ているかわからないけど、確実にこちらをみている所や、ドラッグ描写のキョロキョロした感じとか巧みだなぁ。
    博士の落ち着き払った動作も怖い!
    あの小さいのから並べてくシーンは最高です!
    ストリングスのキリキリした盛り上がりがあるから、中盤の妙に安っぽい電子音がより不気味に。

    オチがこぢんまりしてるのとか、急に強盗やってくるのとかどーでもいいですよもう!いいとこのが多いもんね!

  • 早稲田松竹にて。

  • ワンダーウーマンの悪役科学者の女性の若い時の作品。
    美人、脱いでいる、で見る。

    うーん、歪んでいるなあ。
    拳銃で撃たれてすぐ人が死んじゃう
    なんか安っぽい。

    オチはなるほど。
    でも無理があるでしょう。

  • まじか!ってなって最高な映画です。。。

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