夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 3.4回目のトライでようやく。
    この独特の文調と言い回しが、自分にはサラサラと読み進めるには難しく、何度も挫折していたけれど
    この歳になってやっと楽しく読めた。

    不思議な世界観だった……
    京都の馴染みある地名が沢山出てきて親近感を覚えながらも、樋口さんが浮遊したり、黒髪の乙女があまりにも不思議ちゃんだったりで、非現実と混ざり合い奇抜な世界だった。


    「硬く握った拳には愛がないけれども、おともだちパンチには愛がある。愛に満ちたおともだちパンチを駆使して優雅に世を渡ってこそ、美しく調和のある人生が開けるのです」

    「子どもは自分で自分自身のための幸せを見つけなければならん。しかし娘が幸せを探すためなら、俺はどんな手助けだって惜しまないね」

    「父上はいつも僕をここに連れてきてくれた。そして本たちがつながっていることを教えた。僕はここにいると、本たちがみな平等で、自在につながりあっているのを感じることができる。その本たちがつながりあって作り出す海こそが、一冊の大きな本だ」

  • うる星やつらのノリ、と言われている方がいましたが、まさにそのとおり。
    はちゃめちゃです。
    そんなお酒が強くて明るい子がいたら、楽しいですね。
    日本人ならコメを食え!のようなくだらないまじめな議論、大学生に戻ったみたい。
    周りの人を明るくしてくれる、楽しい子でした。

  • 終始、古い日本語表現で語られる青春ドタバタラブコメファンタジー。脳内でヨルシカの「都落ち」をエンドレスリピートしながら楽しく読みました。外堀りを固め続ける先輩は「である調」、黒髪の乙女は「ですます調」で表現される構成なので、微妙に重なり合う場面展開も読解しやすかったです。

  • なんとも言えない世界観が作品全体に広がっています。面白いと思う人と、ちょっとこれは・・・っと思う人とがいそうな作品だなぁと読み終わって思いました。
    主人公と黒髪の乙女の視点で交互に描かれていくそれぞれの場面の移り変わりがリズミカルな印象です。脇役?というか主人公とヒロイン以外の登場人物が、非常に特徴的な人たちが多く面白かったです。

  • Kindleunlimitedで評価が高かったので。

    普通の大学生のお話かと思いきや、奇想天外な展開に、はじめのうちは脳内イメージが追いつかなかった。
    読みすすめるうちに、そんなドタバタっぷりが段々小気味よくなってくる。
    劇場とかの舞台で見たら面白いだろうなー。

  • 文体が独特。読者に語り掛けてくる場面がしばしばある。黒髪の乙女と、彼女とお近づきになりたい先輩の視点が切り替わりながら進む。連作の短編集という扱いらしい。

    どこか現実離れした描写、雰囲気が続く。世界観は独特だが、たまにジブリっぽさを感じる。






  • オモチロイ

    なむなむ。

  • 不思議な世界観と口調で現代の話なのに大正ロマンを感じる。
    実際の京都の様子がありありと浮かんできて、甘酸っぱくて素敵。

  • 一期一会を全力で愉しみましょう。

    満艦飾の裏通りで。
    古書踊る糺ノ森で。
    達磨騒ぐ学園祭で。
    病魔跋扈する都で。

    どの路傍も何故か
    奇遇の石もありますし。

    今宵もオモチロくなりそうです。

    「諸君、異論があるか。あればことごとく却下だ」

    /////

    一筋縄でいかぬ曲者達、飛び交う迷言雑言、絢爛で怪しい京都世界、謎の密造酒、緋鯉、林檎飴…目に浮かぶ極彩色が心躍る乙女の軌跡。先輩ならずとも後頭部を追いかけたくなる!

  • 妄想満載の色々過剰な世界観が可愛い。ごちゃごちゃと風呂敷が広がっていくようでいて、最後には綺麗に大円団になるのが見事です。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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