木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか [Kindle]

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著者 : 増田俊也
  • 新潮社 (2011年9月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (701ページ)

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのかの感想・レビュー・書評

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  • 文句無しの五つ星だ。
    私は高校から大学までプロレスが好きだった。
    八百長ではないことを信じていた時期もあった。
    それくらい世間知らずだった。冷静に考えれば真剣勝負20分間を毎日しながら過ごすのは無理だろうというのは気づきそうなものだが、そうではなかった。

    木村政彦という名前は知っていたし、力道山との巌流島もYouTubeなどでみたこともあった。プロレスがわからの視点でしか見ておらず、柔道日本一だとは思えないほどボコボコにやられているなというのが初見時の印象だった。
    その後プロレスから興味もなくなり、2000年代の格闘ブームはそれなりに追っかけていたが、それも後退していた。
    この本で全く見方が変わってしまった。

    格闘技に興味がなくとも、戦前・戦中・戦後と社会風俗史としても面白い本だ。
    ブラジル移民の話は一般常識として知っていたが、終戦を受け入れる受け入れないの勝ち組負け組の抗争など全く知らなかった。

    それにしてもテレビの力というのは恐ろしく、力道山の狡猾さが際立つ。

    しかしこの著者の筆の走り方はなんだろう。グイグイ引き込まれ、中毒性がある。読むことがやめられないという経験は久しぶりだ。大著にもかかわらず平日3日程度で読んでしまった。

  • すごいボリューム。

  • 戦前柔道最強の男、木村政彦。戦後はプロレスに転向し、ブラジルでグレイシーに勝つ。そして帰国して、彼の運命を変えた力道山との一戦。
    大変に分厚い大著だが、綿密な取材に基づいた木村政彦史といえる内容で、グイグイと引き込まれる。自らも柔道をやっていたという著者の木村への愛着と、力道山や戦後柔道界への怒りが文章の根底に流れる。師匠の牛島、力道山、大山倍達、グレーシー一族と、格闘技ファンは必読の内容が満載で、戦前からの格闘技史はこれで概観できる。
    しかし、本書の魅力は何と言っても、最強ながら不器用な生き方しかできない木村の人間そのものであろう。柔道を続けていれば、力道山と戦わなければ、油断しなければ、などタラレバを言いたくなるエピソード多いが、でも彼はやはりそういう道を選択せざるを得なかったんだろうなと、彼の心情がわかったような気持ちにさせてくれたりもする。ドキュメンタリーとしても、伝記としても物語としても楽しめる一作。

  • GHQの圧力により、武道からスポーツ。 そして講道館柔道に一本化された、柔道もとい柔術の裏側史。

    あるいは、筆者が史上最強と崇める木村政彦の敗北を、執念的な程に時間を掛けた取材に基づく史記を書く過程で受け入れながらも、一方で今や停滞するプロレスに対して、怨讐の篭った介錯として綴られた様にも読み取れる。

    武道だった頃の柔道で、最強無敗を極めた、鬼の柔道家木村。
    プロレスラー転向後は、戦後の変動期に於いて、時代の徒花であった。

    力道山戦の敗戦は、鬼と呼ばれた勝負師でありながら、
    プロレスラーとして臨んでしまった事による隙が産んだ悲劇というべきか。

    その裏側を描く過程で、プロレスの(台本)の存在を公にしており、
    プロレス全盛時代には決して出版されなかったであろう、
    内容も淡々と語られている。

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