呪いの時代 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • P12
    学者というのは
    「知識を持つ人間」ではなく
    「自分の持つ知識についての
    知識を持っている人間」のこと

    P14
    ネット上では相手を傷つける能力、
    相手を沈黙に追い込む能力が
    ほとんどそれだけが競われている。
    もっとも少ない言葉で
    もっとも効果に他者を傷つけることの
    できる人間がネット論壇では
    英雄視される。
    それが「もっとも少ない貨幣で
    もっとも高額な商品を買うこと」が
    消費者としてのパフォーマンスの高さとして
    賛美される消費社会のメカニズムを
    そのまま模写していることに
    彼らは気づいていない

    P41
    現代人が自我の中心に置いている
    「自分らしさ」というのは
    実はある種の欠如感、承認欲求である

    P121
    あらゆる人間のあらゆる行動は
    「主観的には首尾一貫したロジック」
    によって貫かれている ※

    P186
    天賦の才能は
    天与の贈り物であって
    自分で作り出したもんではない

    P216
    出版社系の週刊誌の基本は
    「人間は色と欲でしか動かない」
    というシンプルな人間観である。
    彼らがそう信じているのではない。
    そう信じたいのだ

    P245
    備えが結果的に無駄だったとしても
    それは非とされるべきではない。
    むしろ喜ぶべきである ※

    P251
    病気で苦しむリスクと
    不況で苦しむリスクの
    どちらを取るかという問いかけの
    一般解はない ※

    P253
    「リスクを過大評価することによって失うもの」と
    「リスクを過小評価することによって失うもの」は
    比較を絶している

    P274
    経験的に
    自説の正しさを確信している人間は
    説明を好まない

  • 呪い、という非科学的なテーマではあるが、それを身体性から分析していく。

    現代における呪いで最も身近なものは発語行為。呪いと祝祭、悪口と感謝。

    呪いはいつか自分に返ってくるものだとしたら、他人に対する行為はすべからく自分に対するものになる。そう考えると、安易な悪口も考えものである。

  • ふんふんと読んでいると、ああ、なぜ話をそっちへ持っていちゃうの...とイライラさせられること多し。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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