ウォーキング・デッド シーズン2 BOX-1 [DVD]

監督 : フランク・ダラボン 
出演 : アンドリュー・リンカーン  ジョン・バーンサル  サラ・ウェイン・キャリーズ  ノーマン・リーダス 
  • 角川書店 (2012年11月21日発売)
4.05
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111241986

感想・レビュー・書評

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  • 農場・納屋

  • 「28日後...」とか「アイ・アム・レジェンド」と同様のゾンビ作品をTVドラマとして製作した作品のシ-ズン2。
    この手の作品、映画だと対ゾンビの部分ばかり描かれますが、TVドラマという長尺故にそれ以外の部分を描けています。
    対ゾンビはもちろん、そんな危機的状況下での人間関係のもつれを描くなど、まさにドラマ作品。
    本シ-ズンはまさにドロドロした人間関係
    を描いていて、デールはチームの精神的支柱のつもりか知らないが、あれはただのお節介。
    よかったらチェックしてみて下さいな♪







    以下2ndシーズンあらすじ詳細【モロバレ】

    疾病対策センターから脱出した一行は、ハイウェイで車が故障したために足止めを余儀なくされる。
    そこへ襲来したウォ-カ-の大群…
    キャロルの娘・ソフィアが見つかってしまい、道路脇の林の中へ逃げ込む。
    追いかけたリックは自分が囮となってソフィアを一旦逃がすものの、結局彼女は行方不明になってしまい、彼女の捜索をする事に。

    数日後、リックやシェ-ンと共に捜索していたカ-ルは、狩りをしに来ていた近くの農場業者のオ-ティスに誤って撃たれてしまう。
    リックとオ-ティスは農場へ瀕死のカ-ルを運び込み、そこのオーナーである獣医師のハーシェルに治療を施してもらうことになる。
    カ-ルの容態は悪く手術を要するものであったため、必要な薬と医療器具をシェ-ンとオ-ティスが街の高校へ調達しに向かう。
    無事薬と医療器具を手に入れるもウォ-カ-の襲撃に遭ったシェ-ンは窓から飛び降りた際に足を痛め、逃げ切る為にオ-ティスを撃ち、彼を囮に帰還する。
    手術が成功してカ-ルの傷が癒えた後も、一行はソフィアを探すために農場に留まることになる。
    そんな中、ロ-リの妊娠が発覚する。

    一行がソフィアを捜索し続けるも行方を掴めずにいたある日、農場の一角の納屋に多数のウォ-カ-が幽閉されている事が明らかになる。
    排除しようとする一行に対しハーシェルは、彼らは自分の家族や知人であり、いつかは治療できる病人であるから殺させないと主張し、一行に農場から出て行くように迫る。
    しかし、シェ-ンが独断で全員の見ている前にて納屋を開けウォ-カ-を解き放ち、リック達はやむをえず全て撃ち殺す。
    その中にはウォ-カ-と化したソフィアが姿も。

    ハーシェルはリック達にすぐに出ていけと警告し、ソフィアと家族達の葬儀が終わると行方をくらます。
    その後、廃墟となった町の酒場でハーシェルは自分の考えが誤っていたことを認め、徐々にリック達と共生していくことを考えるようになるが、街へ出た際に他の生存者と遭遇し、脅された為に已む無く射殺、そして一人の少年を捕まえる。

    捕えた少年の処遇などを巡って意見が分かれ軋轢が生じ始める。
    少年が農場の存在を知っていた事で処刑するしかないという話になりデールは処刑に反対するが、他のメンバーが処刑に賛成する事に失望して家から出ていったところをウォ-カ-に襲われる。
    更にシェ-ンはリックの存在を疎ましく思い、遂に殺害する計画を実行にうつすが、それを看破していたリックのカウンタ-で逆に殺害される。

    直後シェ-ンはウォ-カ-となり復活するが、リックを背後から襲おうとしたところでカ-ルに撃たれる。
    その夜、農場に大量のウォ-カ-が襲来。
    必死の応戦もむなしく数名の犠牲を出し、一行とハ-シェルの家族は辛くも農場を捨てて逃げ出すこととなり、その際にアンドレアは一行からはぐれてしまう。

    アンドレア以外のメンバーは無事、再会を果たす。
    シェ-ンや少年が噛まれてないのにウォ-カ-になった事について、リックはジェンナ-(疾病対策センターにて)が最期に囁いた「すでに全ての人が感染している」という言葉を告白し、以降は自分の指示に従うよう半ば脅迫する。

  • [鑑賞方法:レンタルDVD]

  • 童貞かよ!と、母と観てたのに呟いてしまった。
    ダリルがどんどんかっこいいじゃん。キャー。

  • Walking Dead season2

    もう目が離せない。息を飲む展開。死に行く仲間たち...
    ノーマンリーダス一番好き。

  • シーズン2からは人間関係に重点が置かれて展開していく。どうにもならないとわかっていても、願わずにはいられない。

  • <全体への感想>
    シーズン1(全6話)での人気を受けて、話数も一気に全13話に拡大。2作目となる本作では、ゾンビとの戦いというより、移りゆく人間模様にスポットが充てられ、徐々に生存メンバー間の人間関係が崩壊してゆく様を描いています。完成度という点では、全6話でギュッとアクションも智謀も勇気もロマンスも謎の解明も生き残る人々同士の調和への意志も凝縮されてハイスピードで展開されていたシーズン1には及ばず、冗長な印象を受けますが、希望或る未来をうかがわせたエンディングのシーズン1とは異なり、荒廃後の世界で生きる苦悩が描かれ、ゾンビのいる世界のでの現実感を見るものに与えるつくりとなっています。
    メインキャラクターの入れ替えが多いので、特定のキャラクターのファンには、わりと厳しい仕様になっているかもしれません。
    映像面では相変わらずのホラーっぷりですが、ややストーリーのテンポが遅く、登場人物の似たような会話が多すぎて、シーズン1にあったようなスリルやスピード感がないこと、シーズン1最終話で明かされたような鮮やかな謎解き(ゾンビウィルスのメカニズム)から後退するかのような環境であること、土地の移動がほぼなく、風景が単調であること、登場人物のメンタル崩壊ぶりがリアルすぎてげんなりしてしまうこと等々を考え合わせると、やや評価が低いのも致し方ないのかもしれません。
    ※以下ネタバレにはまったく配慮しておりません。お気を付けください。

    <キャラクターへの感想:主にローリについて>
    やっぱりリックとシェーンのことを思えば、ローリに頭を抱えざるを得ない。シーズン1で緩やかにシェーンを壊し、最終的にはリックとシェーンの関係を壊し、最後にはリックまで壊してしまうきっかけとなったのは、やはりローリがシーズン1からあまりにエゴイスティックだったところに原因が求められてしまううえ、作中でも他のメンバーの状態にもかかわらず、空気を読まないところが多々見られたため、あまり同情を寄せる気にもならない。途中、アンドレアと主婦vsキャリアウーマンのような、自己決定権をめぐる対立を見せますが、ローリの立場が一貫して、他人の人格と自由意思を認め、自己決定権を認めてやる立場とは真反対の、相手には正常な判断力がないので、代理として私がすべて決定するという姿勢も、人によっては受け入れづらいかもしれません。私も正直、ローリの無自覚な自己中心性、自分が自己中心的だと気づいてもいない傲慢さ、には、ついていけなかったのですが、誰に感情移入をするかによって、ここらへんは変わるでしょうね。アンドレアも過激で、ショック療法が過ぎますから。
    しかし、そんなローリも終盤には変わります。なにもかも他人のせいにしていたことを反省し、改め、関係の再構築を図りますが、報われることはありません。終盤には彼女の自己中心性=自分の視点からしかものを見られないことの裏返しである、どんな状況下にあっても愛する人を優先的に信じ、守ろうとする姿勢が美徳として現れますが、これもリックの変質によって、早々に打ち砕かれてしまいます。
    どんなときでも自分の見方で居てくれる女性、けれどそのかわり自己中心的な視点しか持てない、それがローリという女性なのですね。女という生き物の特徴を強く表しているキャラクターだけに、リアルティはあるのですが好感度を犠牲にしているキャラクターです。リアリティという意味では、もっとも貢献度の高いキャラクターでもあったでしょう。

    <シーズン2からの登場人物>

    ●ハーシェル
    ソフィア失踪後、リックたちが身を寄せることになる農場の主。獣医師で、人間の手術には不慣れながらも、オーティスの弾丸で負傷したカールの治療を行い、その後はメンバーの傷病の手当てに当たる。ゾンビ化は、人間の屍を拠点に繁殖活動を続けるウィルスか細菌である、という立場で研究を続けていたCDCのジェンナー博士夫妻とは異なり、生きている人間になんらかの病の元凶が感染したのだ、という独自の立場から、自らの妻や義理の息子を含む、ゾンビ化した人々を納屋で匿い、養い続けていた。それゆえリックたちが身を寄せた際にも、ゾンビと戦ってきたというリックたちに納屋のゾンビたちを殺されるのを恐れ、早々に立ち去るよう、行動制限、武装制限等を課していた。
    納屋で飼っているゾンビ化した妻は後妻で、マギーは先妻の子。

    ●マギー
    ハーシェルの先妻との娘。22歳。「明日死ぬかもしれない」からといって毎日を生き急いでいる小器用な童貞グレンと、その場限りのセックスをして以来、惹かれあう関係に。父の再婚で混乱し、14歳には万引きなどの軽犯罪に手を出すなど、グレていた過去があるけれど、いまは良識派。農場の娘というだけあって、乗馬から銃撃からなんでもこなす高スペック女性。

    ●オーティス
    カールを誤って撃った猟師で、ハーシェルのもとで看護業務を行うパトリシアの息子? 彼らとハーシェルの血縁関係は不明ですが、ハーシェルは本来血縁だろうがなかろうが気にせず隣人を愛するタイプのようですので、血の繋がりはない可能性もあります。ローリとカール以外眼中にない完全なるヤンデレと化したシェーンに、あろうことか撃たれた挙句ゾンビに売られる。生前にはゾンビを見つけては納屋に匿う役目と、食料を調達する役目を追っていた。

    ●パトリシア
    ハーシェルの後妻。おそらく看護師。獣医と農家という家業を夫婦で営む。シーズン2最終話でゾンビに食われ死亡。おそらくオーティスの母?

    ●ベス
    ハーシェルと先妻の娘。納屋に匿っていたゾンビ(実母含む)をショーンが乱暴なやり方で白日の下にさらし、皆殺しにされたショックで、ショック状態、脱水症状、自殺未遂、と度重なる病に悩まされるが、非難轟々のアンドレアの荒治療によって回復、農場消失後の旅の仲間に加わる。

    <各話感想(長くなったので、以下7話までの感想)>

    1話:
    いろいろなフラグの立った1話でした。
    ・音の大きさから拳銃の使えないリック(通常装備:拳銃)が、森での戦闘で撲殺に及んだ件について。
    拳銃は殺人を犯しているというリアリティが薄く、それは拳銃からマシンガン、空爆、とにかく遠距離から、自らが誰を撃ったのかわからないほど、周囲一帯そのものが攻撃範囲であればあるほど、リアリティは薄れていく、と何かの本で読んだ記憶があるのですが、それに反し、自らの手で相手を殺す絞殺、撲殺なんかは、殺人の重みがずっしりと伝わってくる殺害方法なのですよね。だからよほどの状況がない限り、ふつうはできることじゃない。ゾンビたちを「醜い化け物」呼ばわりしたのも、耳を疑いましたね。ゾンビだってかつては人だった。シーズン1の2話くらいで、デパートからの脱出に必要だったからと、ゾンビの遺体を破壊、その血を浴びる作戦を決行したときには、遺体損壊前に、免許証や所持品の確認をして、ひとりの人間を仕方なく必要とさせてもらうのだ、という意識があった人物だけに、不安になりました。これを機にリックのリミッターが徐々に外れていくのでしょうか。
    逃げるための遺体破壊(ゾンビ破壊)から、駆除のための遺体破壊(ゾンビ破壊)へと移行した場合、きりがないのですが、リックが移行していくとしたら、どういう破壊の方向へ移行するんだろうなあ。いちばん可能性がありそうなのは、博愛主義者の正義漢ですし、やっぱり駆除のための破壊かなあと思うのですが。
    ・ローリとシェーン
    シェーン、よう言うた(笑)1期から気になっていた、夫の生存を信じ切れず不倫に走った罪悪感を受け入れることができないで、シェーンにすべての罪をなすりつけているようにしか見えないローリに、向けたい向けたいと思っていた、それはお互い様だろうという台詞。よくぞ言ってくれた、と思うのですが、やっぱりシェーンもシェーンで離脱の可能性をほのめかすなど、基本的に冷静な人じゃないなあ。この過酷な状況の中で、単独行動でやっていける自信があるからああいうふうに言うのでしょうし、実際銃器に扱いにも慣れていて、警察官ですから体術にも優れていて、サバイバル知識もあるからああいうふうに自信も持てるのでしょうけど、ゾンビの群れに見つかった際には、彼一人で生き抜けるんだろうか。
    ・カールに武器を持たせる件について
    子どもといえども護身用に持たせておいたら、ソフィア失踪みたいなことにもならなかったのじゃないかと思うので、私は賛成なのですが。あの状況下で、おとなだから、こどもだから、と武器の携帯を差別化していると、おとなはおとなで子どもを守るために手足がふさがれ、こどもはこどもで、お荷物のままだし、むしろ非常事態に自らで対応できない人間を量産するだけになる(親子ワンセットでひとり、とみなさなくてはならなくなるので、子どもの数だけ人数が減る)と思うのですけど……。けっこうこの作品、おとなだから、こどもだから、に始まり、女だから、男だから、という役割感も強いですよね。インテリ女設定のアンドレアでさえ、めちゃくちゃ感情的で、むしろ感情的じゃないキャラクターを女性陣に見つけることはできないし、男性陣も、一部リックやダリル、逃走経路考案中のグレン以外は、けっこう皆感情的。
    ・ダリルのあまりのハイスペックぶり
    戦闘ならなんでもござれ、森で人間の足跡を追うこともできるし、サバイバルナイフでの解体ショーを、「腹をさばいてみたかった」なんて易々とやってのけてしまう。やっぱりちょっと、ふつうの社会生活を営む上ではドン引きのスペックですが、ことサバイバルとなるとほんとうに頼りになりますね……人気があるのも頷ける。でもちょっと、お乗り物は無茶しすぎだと思います(単独行動で先導役かつ探索役を兼ねているにしても、陽気すぎるだろう、あれ)。
    ・ローリ
    毎回毎回このひとは、言ってはならないことを言うよね……アンドレアは自殺を阻まれストレスMAX、そんな彼女を死なせないためにと形見の銃まで没収されて、よりどころもなにもない状態ですし、ソフィア失踪でキャロルも大混乱中、そんな二人に向かって、「いい加減その顔ウザいのよ、みんなウザがってる」とか「ソフィアがいなくなったからって、勇敢なうちの夫を責めないでよ、夫のミスじゃなくて、たまたま失踪したのに、意気地なしのあんたらが夫を責める権利はないわ」とか(※意訳)、基本的に、正論にプラスアルファで、ひとにダメージを与える言葉を付け加えるんですよね、このひと。
    まずアンドレアをウザがっている人間ってどれくらいいるのか、という問題。少なくともデールは命がけでアンドレアを守ったし、アンドレアの恐怖をみんな理解できないわけじゃない。ただ、アンドレアの抱える恐怖と同質の恐怖に呑まれたくないから、我慢しているのを、蒸し返されたくないという気持ちを抱える人がいたとしても、それはおかしくない。けれども、アンドレアに対する皆の態度って、基本的には、「死なせちゃならない、生き延びるためにここにいるんだし、アンドレアも例外じゃないから、形見の銃なのにすまないが、銃を没収させてもらっているし、とくにデールのその対応に異論を唱えるつもりはない。正直、どう首を突っ込んでいいのかわからないから、そっとしている」というくらいが、いちばんリアリティのあるラインじゃなかろうか。妹がやられて自殺しようとした人相手に、そううかつに接することはできないし、みんなそっとしている。それを、「いい加減その顔ウザいのよ、みんなもそう思ってる」というのは、ローリがウザいと思っているのを他のメンバーにも拡大解釈しているわけで、他のメンバーの名誉を傷つけつつ、数の論理でアンドレアを責めているわけですから、これはローリのやり口が卑怯としか言いようがない。
    次にソフィア失踪をリックのせいだとなじったキャロルと、周囲の人々への攻撃。これも、キャロルが一方的になじりまくっているわけじゃなく、リック本人から、加えてシェーンからも、仕方のないことだったと言い返されている。しかも教会で、夫の自分への暴力と、娘への性暴力(推測ですが)に耐えかねて、彼の死を望んだ瞬間がある自分のせいだと懺悔しているわけですから、キャロルには強い自責の念もある。DVに耐えながら夫をそれでも愛していたことも考えると、キャロルがリックを責めたのは、むしろ進歩ともいえるわけです。それを、「夫はやれるだけのことをやったのに、臆病もののあなたに夫を責める権利はない」と主張するのは、正直どうかしているとしか思えないのですよね。臆病もののあなたのかわりに夫が苦労しているのに感謝しろとでも言いたげですが、いまにもソフィアを追って走り出しかねなかったキャロルを押さえつけていたのはほかでもないローリですし、もしかするとキャロルは自分が食われている隙にでもソフィアを逃がすような女性かもしれない。しかも、ソフィアがやられかけているときに、いちばんに飛び出したのがリックだったからと言って、他の人間が、じゃあ臆病なのかと言えば、そういうわけでもない。それこそ、ただ正義感が強く行動が機敏なリックが飛び出していっただけでしょう。リック救出に当たってはグレンが、グレンとTドッグ救出にあたってはダリルが、Tドッグですらメルルのために自分の生存率を下げる行動をし、アンドレアのためにデールは命を懸けたし、エイミーのためにアンドレアも自らの手で彼女を殺し、キャロルだって、夫との決別のために夫の遺体を自ら潰した。みんな誰かのために飛び出して行っているのだから、今回はたまたまリックの行動が早かっただけで、いつもリックばかりが戦っているわけじゃない。リックが責められて不愉快なのはわかりますが、だからといって、他のみんなを、動けもしなかったくせにと、その臆病さをなじり、加えて、キャロルに、ソフィアひとりのために他のメンバーは動いてもくれないのだと、他のメンバーに対する不信感を植え付けるような言葉を投げつけるべきじゃない。
    基本的に、メンバー同士の不信感と、メンバー自身の無力感を上昇させ、さらにメンバーから孤立しているかのような物言いをすることで、孤独感を覚える人間を増やす言動ばかり、ローリはしているのですよね。シェーンとの不倫に真っ先に走ったこともありますし、たぶんあのメンバーの中で、もっとも、精神が不安定になると、他人を利用したり傷つけたりして自分を保ち、簡単に責任転嫁してしまう傾向の強い人だと思うので、むしろいちばん危ない人物だと思うのですけど……しかし夫も子供も無事という恵まれた状況にあるくせに、家族を失ったアンドレアや家族を失ったかもしれない不安の中にいるソフィアに対して、よくあんなこと言えるなあ。正論のつもりかもしれないが、リックだってがんばっているというそこだけが正論で、あとは全部ただの攻撃じゃないですか……
    現実によく見かける面倒な女性像ではありますけども、女の嫌なところを結集したような人で、見ていて正直、つらい。博愛主義者のリックが、なぜ彼女を選んだのか理解できない。
    ・カールにとってのシェーン
    もはや第二のお父さんですね。カールにとっては、実のパパに認められるだけじゃなく、第二のパパ(危険なときに最初にそばにいて守ってくれた)にも認められないと意味がない。そしてそういう子どもの視線をガン無視して、大人の事情で八つ当たりしちゃうシェーンのダメさ加減よ……ローリもローリなら、シェーンもシェーンだわ。完全にダメな大人ふたりだわ。

    2話:
    ローリだけでなくTドッグも限界、という描写がありましたね。弱気になると誰かのせいにしたくなるし、わかりやすい問題のせいにしたくなる。ローリはシェーンや、周囲の弱った人々に向けて、Tドッグはコンプレックスである人種やメルルを巡っての失態について。アンドレアの状態も良くないし、リックもあの通りいてもたってもいられないのを、使命を全うすることでどうにかしようとしすぎているし、どんどんと冷静な人がいなくなってきている。そこへきて、ちゃんと父親をし、親友をしているシェーンの描写があると、非常に安心感がありますね。うちひしがれていたローリを支えたのは、シェーンのああいうところなのでしょうし、そのシェーンにも弱気になることはあるから、その隙間を埋めてくれたのが、夫を失いすがる対象を求めていたローリだった。シェーンはあの愛情深さが裏目にさえ出なければ、ほんとに優しくて強い男でいられるのでしょうね。何より愛情深く、人の気持ちも察することができる=自分自身が繊細であるから、ネガティブなときにはすさまじくネガティブなことをするし、人からの拒絶が何よりもこたえる。人に価値を見出されることで、存在意義を感じるタイプなのでしょうね。そして今週もローリの他人への不信感からストレートに放たれる他人への疑いと拒絶の言葉が炸裂していましたね……人体とほかの哺乳類では、体のつくりが多少違っても、共通する病や怪我の対処法はあるでしょうし、だからあたらしい治療法を確立するときには動物実験も行われるわけですが、医者の腕やジャンルを問題にして、息子の治療ができる可能性のある唯一の人物を切ろうとするあたり、ちょっと信じられないというか……リックが理性的すぎて、感情的な自分のことをわかってくれない、と町がゾンビに蔽われる以前にぼやいていた描写がありましたが、本当にめちゃくちゃ感情的かつ短絡的で、あまりに状況判断ができていない。おそらくゾンビ事件発生前からこの傾向が強かったためにリックとすれ違ったのでしょうから、彼女はもともとこういう性格だった、と考えるのが妥当なんだろうけども、こういう女性、多いのでしょうか。ローリに共感できる女性って、多いのでしょうか。私はちょっと、ローリの言動に徐々についていけなくなっています……

    3話:
    ダリル「森で迷ったって死にはしない。おれはもっと若かった。9日間木の実を食べ、葉っぱでケツを拭いた。親父は女と酒浸り、メルルは少年院、気付いちゃいない。自力で帰り、サンドイッチを作って食った。大したことなかった。ケツはかゆかったけど」
    ダリルに幸あれ……
    あと、シェーンが完全に鬼でした。しかし謎なのは、どうしてオーティスの足を撃って、心臓や頭と言った、一発で立っていられなくなる箇所に銃弾を撃ち込まなかったのか。そうしたら抵抗されてもみあうなんてこともなく、動かない死体であっても、ゾンビたちはそこに死後まもない生肉があれば、ふつうにむしゃぶりつくでしょうに。しかもついでに言えば、あの状況で、オーティスを殺しておとりにしてまで逃げなくてはならないほど切羽詰まっていたのかどうかということ。車の置いてある個所までの距離がわからないので何とも言えませんが、動機が、逃げ切るためなのか、それともカールを撃ったことへの制裁なのか、はっきりしなくなる。
    しかし、シーズン2に入ってからというもの、展開がゆっくりしましたね。人間ドラマに重きを置き始めて、登場人物同士の会話が増えてアクションが減り、作戦を立てて実行して脱出して、というスピード感は失われています(と思ったら、なんと製作スタッフの入れ替えでごたついたのが、ストーリー展開の遅さの原因だという……なんという……)

    4話:
    グレンの童貞設定は必要なのか(笑)しかし今週はグレン大活躍でしたね。大体彼はいつも安定してやってくれる男ですね。本当に、地味なのにスペックやたら高いですが、要るんですかねその恋愛フラグ……どう見てもまずいフラグにしかみえないんですけど……(笑)
    そんなグレンの大活躍で引き揚げたゾンビが、ふつうのゾンビじゃなく水死体のゾンビに見えるのは気のせい? ゾンビ化したものが水に落ちて水死体のようになるのならばともかく、そうでないなら、あの井戸の周辺で殺人が行われていたことになるんですが、どうなのでしょう。
    それからリックの制服について。もう俺はみんなを守る保安官じゃなく、息子を守るひとりのパパだ、というメッセージを込めて、制服を仕舞い込んだものと思いますが、そういえばあれ、日本でいえば、●●県警、とかなんとか書いてある制服をずっと着ているようなものだもんなあ。バッジも外してないわけですから、警察手帳もずっと装備していたようなものですし。
    あとメモしておくべきなのはローリの妊娠検査薬の陽性反応。またここで父親は誰だ問題が浮上するわけですね。
    最後に、シェーンについて。彼、完全にヤンデレでしたね。仲間もひとり死ぬようなところで必死に怪我しつつ薬取ってきたアピールにしか感じられなかったのですけど、実際のところどうなのでしょうか。とりあえず彼がヤバイヤンデレなのはよくわかったけれども!

    5話:
    グレン「11個 コンドームが残ってる」からの番組終盤での強烈なフラグクラッシャーぶり……グレンさん、非常においしいポジションですよねいつもさりげなく……久々に、あっこれ人間ドラマじゃなくてホラーだったんだ、と思い出しました。
    今週は語るところが多かった!
    まずはソフィアを探してもっとも貢献度の高かったダリルの意図せぬ負傷からの這い上がりの凄まじさ。3話の段階で、ダリルはわりと苦労して育ってきたことがうかがえますが、あれだけ兄のことを慕っていても、とうの兄の態度はあんなにもダリルを構わず、愚弄するだけだったという。あの境遇で育っていたら、ダリルもメルルの二の舞になっていそうですけども、そうならなかったのは、ダリルにはどこかで手が差し伸べられていた、ということなのでしょうね。あるいは、メルルもそれほどの悪人ではないのかもしれないが、麻薬で常時頭がパーンしていてあんなことに、ということか。しかしダリルは今週ほんとうに頑張りました。あの起死回生っぷりは正直リックが張り合えるかどうか怪しいレベルだと思います。5話タイトルが「無限の生命力」というだけのことはあります。無限では決してないけれど、強靭な肉体と強靭な精神力をお持ちで、一種無限であるかのように見えますよね、ダリルさん……あと、やっぱりマッチョで悪い感じの男に惹かれるんですね、キャロルさん。

    6話:
    納屋のゾンビの謎が明かされる回でした。
    基本的に、ウォーキング・デッド界の女性はみんなめちゃくちゃ感情で動く生き物なのですけど(ローリ:ご覧のとおり、アンドレア:ご覧のとおり、マギー:ウォーカーとの戦闘後、ウォーカーの認識が変わったのはいいとして、グレンがみんなから利用されているという極端な思考回路に陥る)、今週はひたすらグレンが大変でしたね……
    ローリが悩んでいるのは、父親が誰かではなく、不幸しか知らないで育つ子供たちがかわいそうだから、今ここで下ろすべきかどうか、というものでした。保守的な層からしたら、言語道断の中絶理由でしょうが、楽観的な男性陣に比べ、女性陣は大体絵に描いたように悲観的。赤ん坊のための食事を調達しなくてはならなくなることなど、生存率とメンバーの行動制限にかかわるために中絶を考えるというのなら、まだ、誰かの生存と引き換えに赤ん坊を死なせた、というだけ、エゴイスティックではないように感じるのですが、基本的にローリはエゴの塊なので、赤ん坊の食料の話なんて持ち出されたら、ヒステリックに言い返しそうですよね……
    個人的には、赤ん坊が、世界をどう感じようが、知ったこっちゃない、というのがあの場合、ローリのとるべき立場では、と思わなくもない。はじめからゾンビまみれの世界しか知らなければ、それを普通と受け止め、適応するでしょう。ローリは幸せな思い出が自分にはあるのに、子どもたちにはない、と言っているわけですが、ローリが今めちゃくちゃ悲観的になって周囲に迷惑をかけまくっているのは、幸せを知っているからこその落差にうちひしがれているからでしょう。とすれば、自分の苦しさを子供に勝手に投影して、勝手に子供を殺そうとするというのは、ものすごく理由としては理不尽なはずです。自分と同じようにみんなが考えているはずだ、と思い込むのはどう考えてもおかしい。自分と同じ考えを持っていないリックに対してやたら否定的なのもおかしい。思い通りにならないシェーンとの関係をすべてシェーンのせいにして逃げまくっていたのもおかしい。そしてシェーンの子かもしれないのを、リックの子だと言い張るズルさも信じられない。どれだけ周りの人間を否定して、自分に都合よくことを進めるために犠牲にしているのかわからない。別にマギーの肩を持つつもりはありませんが、ローリが周囲の人間を都合よく利用している節があるのは確かだと思うのですよね。仮に状況的にシェーンとの関係が仕方のないものだったとしても、そこから先、すべての責任をシェーンになすりつけて、シェーンを立派にヤンデレ育成してしまうのは、やっぱりまずいと思うのですよね(ただ、シェーンも過去の武勇伝を聞いていると、相当なワルだったようですから、ヤンデレるのも必然と言えば必然でしょうね、たぶん)。
    しかし、ローリに共感できるひとっているのかなあ……なぜかウォーキング・デッド界はみんなローリに優しいのですけど、ローリはあれ、一発しばかれても文句言えないレベルの困った人だと思う……困った人というか、自己中心的というか、人柄が幼いというか……自由で独立精神あふれるアメリカの女性とは思えない。日本とは自立の意味も違うのかもしれませんが、今週のローリの身勝手な中絶理由はちょっとやっぱり、受け入れがたいものがありました。完全に、自分と周囲とを同一視している。自分に都合よく周囲の環境を解釈して、それにそぐわないものは、否定したり、殺そうとしたり、散々ですよ、あれでは。環境がああでなければ幸せに子供を産んだのだろうし、いいじゃない、という理屈は成り立たない。幸福な環境で生まれても自分と子供とを同一視して、身勝手に子供を縛りたがる。カールに「ごっこ遊びで充分よ」と言い放ったこともありますし、いつまでも自分の腕の中で抱っこしていれば、優しくてかわいいだけの子供で居てくれると、身勝手な子ども像を押し付けているんじゃなかろうか。
    そしてシェーンの見境のなさ。アンドレアのインテリ設定はどこへいった。
    あと、先週からグレンと並んで、デールじいさん、がんばりすぎです……

    7話:
    ゾンビ化したソフィアを納屋から発見し、ハーシェルとの緊張関係も頂点に達し、シェーンがやらかした回です。
    アンドレアですが、シェーンを好きな理由は「強いから」
    自分が強くなくてエイミーを守れなかったのがすべての自分の不幸の元凶とでも思っていそうですね……たぶんその罪悪感は4割くらいほんとうで、残りの6割はこれまでエイミーをないがしろにしてきたことへの後悔からくるものだと思いますが……
    調べたところ、アンドレアの職業はなんと弁護士。感情的な部分を法で割り切らねばならないこともある職業ですが、意外と(個人的な感じとしては)法学系の人って感情的(情に脆い的な意味で)な人が多かったように思うのですよね(法学部の学生じゃなくて、法学を教えている先生たちが)。そして保守的。そういうわけで、アンドレアが感情的なのは、彼女の興味のある分野からしても、わかる気はしますが、それにしてもやっぱりあまり合理的な人じゃない。冷静な判断力を持っているかと言われれば、持っていないと言わざるを得ない。欧米人は年を取って見えるので、実際の年齢は何歳なのかわからないのですが、役者さんの外見から察するに、20代後半から30代前半、といったところでしょう。もう少し落ち着いて冷静でもかまわない年齢だと思うのですけど、ああいうキャラクターなんですよね、彼女……
    そしてシェーンのヤンデレ化が止まらない。人助けは回数の問題じゃないとか、だからってカールの恨みを晴らし、かつ自分が安全に逃げられるからという理由でオーティスを撃ち殺していいのかとか、論破できる問題はいろいろあるわけですが、ここへきてシェーンの本質、というものを考えるようになりました。リックはあのとおりの正義漢で、最近ちょっと博愛主義者から変質してきてはいますが、それでも非常に規範意識、倫理観の強い男、周囲に気を配り、気持ちの面で最善の結論を出すためにがんばる男ですよね。シェーンはいっぽう、最善の結論は皆の気持ちが最善、なのではなく、命の数などの量を確保できることが最善。でも自分の気持ちには人一倍忠実だから、自分とその周囲だけは例外的に、リックをも超える偏愛ぶりを発揮する。なんでも犠牲にしてしまう。やっぱりリックはすべての人にとって最善を選ぶという、博愛主義者の面が強いけれど、シェーンは自分にとって最善の結論のために量的に周囲を処理してしまう。こういうことですかね。
    それから、ハーシェルについて。ゾンビ化したソフィアを匿っていたことや、見知らぬ男のゾンビも匿っていたことから、本来はマギーの言うように、隣人を愛していた博愛主義者だったのでしょう。そして自らの、ゾンビであっても治ると信じ、貫いた博愛主義を壊されないために、危険な、生きた人間たちを排除し続けていた、そういうことですね。シェーンが最悪なことをしたのは言うまでもありませんが、やっぱり安定して人格者であるデールやグレン(グレンはローリ妊娠時のローリへの説得「できれば生んで。決める前にリックに絶対相談して」、それから今回の、「病人だろうが死人だろうがそんなのは関係ない、ただ危険だから、君を守るために君との約束を破ってみんなに公表した」という立場からもわかるように、デールのように裏方仕事に徹するタイプではなく、広く意見を聞き、人の意見に従う傾向がありますね。オープンにディスカッションしたがるとも言うけども、数や力の前には屈さざるを得ない瞬間がある。ローリの件は独断でしたが)戦闘能力的に主戦力ではないというのがけっこう痛いのかもしれませんね。人格者ではあってもダリルは行動原理がわりにシンプル化しやすいですし、そうなるとシェーンを止められるのは、戦力面でもまったく引けを取らず、かつ人格者であるリックしかいなくなるわけですから。

  • いやぁ、後半はレギュラー陣も次々亡くなり、混沌とした殺伐としたドラマになってきましたねー。

  • ■タイトル

    タイトル:ウォーキング・デッド シーズン2

    ■概要

    ゾンビが蔓延る終末感漂うアメリカを舞台に、昏睡状態から目覚め
    た保安官が生存者たちを率い、安住の地を求めてサバイバルしてい
    く姿を描く。本当に怖いのはゾンビではなく・・・。
    生存者たちは新たな救いの地を求めて再び前に進んで行く。
    彼らはアトランタを離れ、この先何処へ向かうのか…?そこに待ち
    受ける運命とは??
    (From amazon)

    ■感想

    シーズン2です。
    全12話です。

    本作では、1作目の続きが描かれます。
    一話一話が濃厚で面白いです。

    ただし、もはや、ゾンビがはびこった理由を追求する物語ではなく
    なっていますね。
    どのようにこの世界を生きていくか?という物語になっています。
    みんあが生きることに必死で、「なぜ、このような世界になったのか?」
    を考える余裕は皆無です。

    本作では、主人公たちのグループが「人間らしく生きるか否か」と
    いう決断にせまられながら、色々な選択をしていくことになります。

    ある決断では、「人間らしく」を選択しますが、ある決断では、「
    生きること」を最優先に人間らしさを捨てたりします。
    この葛藤がこの物語を面白くしている要因の一つだと思います。

    また、バイオハザードと違って、本作のゾンビは成長しないので、
    襲ってくるパターンは限られています。それでも、「怖い!危ない!」
    と思わせる魅せ方は上手いな~と思います。

    本作は、

     このような世界でどのように生きていくか?
     秩序のなくなった世界でも人は人らしく生きられるか?生きるべきか?

    というような問いかけを視聴者にしながら、監督が思っている答え
    を画面上に表示していくような物語です。

    現実的で無いといえばそれまでですが、追い込まれた人間が選択する
    答えに、その人の人間性が凝縮されているという描写は、視聴者の
    共感を呼ぶと思います。

    今後が楽しみなシリーズです。

  • なぜか発生したゾンビだらけの世界でサバイバルする人間ドラマ。
    ゾンビものの映像は観てきてないけどこれはけっこうグロい。
    目を覆う人もいるかもしれない、俺はシーズン2で割と慣れちゃった。

    早くも引き延ばし感半端ないし、いろいろ突っ込みどころの多い微妙な点もあるけどキャラがみんないいので観てしまう。
    みんなに受けそうなキャラ設定にしてるのはダリルかな。
    俺はシーズン1から気に入ってるのが人が良くて断れない、情けなそうな顔をするものの仕事はきっちりこなすグレンがいい。
    シェーンも憎めない。
    海外ドラマはお気に入りにキャラの行く末が気になったらハマってしまうかもね。

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