源氏物語 01 桐壺 [Kindle]

  • 2012年9月13日発売
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感想・レビュー・書評

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  • いよいよ古典名作で源氏物語読む!まずは冒頭の桐壺。桐壺とは帝の御殿の部屋の名前。更衣は身分。主人公は桐壺更衣。桐壺更衣の後ろ盾(父親)は大納言であるがすでに亡くなっているので桐壺更衣の権力がない。桐壺更衣は他の女御や更衣から嫉妬を受ける。帝の部屋に行こうとする桐壺更衣の通り道に糞尿をぶちまけ邪魔される、が、桐壺更衣は帝の寵愛を受け、子どもを授かる。この子が光源氏。第二皇子の光源氏、弘徽殿がすでに子を授かっている第一皇子との確執は今後凄いんだろう。桐壺更衣はストレスでなくなってしまうが今後の展開が楽しみ。⑤

  • 光源氏誕生から12歳 元服まで 臣籍に下ろして
    左大臣の娘 葵の上と結婚させる

    当時、政権を握る為外戚政策がとられていた。娘を入内させ孫を帝とし、帝の祖父として実権を得る。
    後宮内の女性の序列は、実家のそれと同じもの。
    帝の掟は、後宮内では、身分に応じた愛を与えること。帝の愛は政治だった。桐壺帝は、その掟を破って、更衣を溺愛した。
    中宮についての記述が出てこない事から、未だ決定されていないと読むらしい。そこで、女性が“あまたさぶらいける”ということになる。
    宮中の掟として、死・穢れは排除される。しかし、桐壺帝は、息も絶えつつある更衣を退出させず掟を破ろうとまでする。さすがに、更衣の母親が連れて帰るが。
    桐壺帝は一人の女性を愛し抜くことは、できなかった。その後、更衣によく似た藤壺を入内されて、愛を育む。桐壺帝の愛を貫く思いは、光源氏の藤壺への思いへ引き継がれる。

    桐壺の更衣は、帝の溺愛を受けて、後宮の嫉妬と妬みを一身に受けて、心身を滅ぼしていく。それは、地位の低い者からの方がより大きいものだった。
    今も昔も変わらずですね。
    原文で、更衣のことを“女”と表現する時は、恋愛関係の男女のおんなを指すのだそうだ。桐壺の更衣をちょっと大人しめにイメージしていたけど、帝への返答の和歌を解説してもらうと、なかなかの愛情と意志。
    原文で読めるようになりたいなあ。と思う。

    • おびのりさん
      コメントありがとうございます。
      そうなんですね。今まで、何人かの源氏物語を読みましたが、桐壺帝については、あまり考えた事もありませんでした。...
      コメントありがとうございます。
      そうなんですね。今まで、何人かの源氏物語を読みましたが、桐壺帝については、あまり考えた事もありませんでした。
      そして、凄く政治的なお話なのでびっくりしてます。
      又、本棚参考にさせていただきます。
      2022/04/17
    • myjstyleさん
      おびのりさん ひと言付け加えますと。

      帝の立場を忘れるばかりに注がれる愛に対して、更衣も我が身を投げ打つ愛を返しています。ご指摘のよう...
      おびのりさん ひと言付け加えますと。

      帝の立場を忘れるばかりに注がれる愛に対して、更衣も我が身を投げ打つ愛を返しています。ご指摘のように更衣は最後の力をふり絞るように鮮烈な愛の歌を返します。ここに、打算の政治小説として読ませる興醒めたものではなく、雅で芳醇な愛の物語が生まれています。紫女の非凡な筆の冴えです。ご堪能ください。
      2022/04/19
    • おびのりさん
      myjstyleさん ありがとうございます。
      実は、“いとかく思うたまへましかば”という和歌の後の解釈について、三人の参考文献が提示されてい...
      myjstyleさん ありがとうございます。
      実は、“いとかく思うたまへましかば”という和歌の後の解釈について、三人の参考文献が提示されていました。その中で、更衣は光源氏を東宮へ希望していると読むという説をとって解説を受けました。
      私は、ちょっと納得できなかったのです。
      と言っても、反論できる程のものは無かったのですが。コメントとても参考になりました。
      2022/04/19
  • NHKのドラマ「いいね!光源氏くん」を観て光の君を思い出し、久しぶりに読んだ。
    現代語訳も与謝野晶子バージョンだと難読かなぁ…と不安だったけれど、意外とスムーズに読めた。ちょっとずつ再読しようかな。

    当時の身分制度のガチガチ感が伝わる。
    嫉妬されても桐壺更衣と藤壺女御の嫌がらせされ具合が明らかに違う。
    しかし光の君は(完全ではないけれど)その身分の差を超えて人を魅力する。
    神憑り的な美しさだったのだろう。

    その光源氏は元服し婿に行き、妻(葵の上)を迎える。心には亡き母とそっくりな藤壺女御の存在がありながら…
    そして素晴らしい庭など備えた二条院で暮らす。やっぱり続きが読みたくなるよね。

  • さすがは世界最古の長編小説。
    重厚さがありつつも典雅な雰囲気が伝わってきて、読んでいる自分も宮廷貴族な気分になってくる。

    「更級日記」によれば、藤原孝標女が「源氏物語」を読みたくて読みたくて仕方がなく、ようやく全巻を叔母から贈られた後、とにかく嬉しくてページを繰る幸せにひたっていたというが、その気持ちがわかる。

    なんというか、ときめく。
    すぐれて時めき給うありけり。

    源氏の君は亡き母の面影を求めて藤壺に執着するけど、その母である桐壺の顔は記憶にはなかったのね。

    この稀なる美少年の元服直前の姿を永久保存したいと思った帝の気持ちもそうだが、今のように動画や写真で気軽に姿を残せないからな。

    後者は古代ギリシャの貴族社会でも存在していた少年愛的な傾向を少し感じる。

    後宮の間取り図も見てみたが、桐壺殿は確かに清涼殿から離れた端っこではあるけど、何やら喧騒を避けられて、むしろ静かで快適に住めそう、なんて思ったりした。
    コキデンの女御の嫉妬さえなければの話だがね……。

    すでにkindle上に50冊以上の未読があり読む予定にはなかったのだけど、たまたま英語の勉強用に買った電子辞書に、音声で聞く源氏物語の「桐壺」導入部が入っていて、その雅な雰囲気に魅せられた。

    孝標女が中々手に入れられなかったこの屈指の名作も、今やいつでも無料で青空文庫からダウンロードして読める。
    しかも先人与謝野晶子のたゆまぬ努力のおかげで、読みやすい現代訳で読めることに、感謝の念を捧げずにはいられない。

  • 帝が桐壺を失った悲しみにくれながら、美しい女房を侍らせる様子を命婦が見掛ける場面が、個人的にツボだった

  • 源氏物語は、「あさきゆめみし」と、中学生の頃に読んだ児童文学全集のみ。
    こうして改めて読んでみると、文章のきれいさ、言葉の面白さなどを感じる。
    思っていたより読みやすく、平安時代に思いを馳せている。

  • 源氏の一生に常に影を落とす、この物語の始まりであり、全ての事柄に繋がる糸の始点。

  • 無料だったので読んでみるかと澪標までダウンロードしました。
    源氏物語は『あさきゆめし』で止まっていたけど、ヤダこれ面白い。
    読むのが止まりそうにありません。

  • 主人公の光源氏の礼儀正しい様子や美しさも魅力ですが、
    美しすぎるもの、魅力的過ぎるものの宿命、影の部分というものに
    非常に心を動かされます。アンビバレントな魅力を感じます。

    例をあげると、
    源氏の母の桐壷の章です。

    桐壷の更衣が身分の低い女性ながら、性格もよく、とても美しかったので
    帝があまりにもご寵愛されて、、というのはみなさんご存じと思いますが、

    あまりにも好きになりすぎて、本人の身分を軽くするような扱いもしてしまう
    帝としての自分自身の立場を脅かすほどのことをしてしまう、

    度を超えた寵愛にすべての宮中の女性に桐壷の更衣は悪く思われてしまい、
    激しい嫌がらせを受け、病弱になり、
    そして亡くなる時にはじめて、そういえばあの人はいい人だったかもしれない、
    あんなに帝にとりたてられなかったらと思い返すという、悲しさ

    単純に考えれば、優れている、魅力的であれば、栄光と喜びが待ち受けているような
    印象が持たれますが、現実はもっと複雑で、
    その複雑さを余すことなく伝え、かつ、いろいろな人にはその人なりの理由があり、
    その流れもまったく納得いく展開でかかれています。

    現代の常識からすると、不思議なことが多いのですが、
    当時の風習などを知って読んでいくと、本当に心を動かされる場面が
    多く、魅力的だなと思います。

  • 源氏物語は田辺聖子版は読んだのですが、今回は与謝野晶子版で最後まで読んでみたい。青空文庫にあったので助かります。しかし、紫式部という人は!!こんな面白い話、1000年も経つこの時代にまで残るのがよくわかります。

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著者プロフィール

平安時代の作家、歌人。一条天皇の中宮、彰子に仕えながら、1007~1008年頃に『源氏物語』を完成されたとされる。他の作品として『紫式部日記』『紫式部集』などが残っている。

「2018年 『源氏物語 姫君、若紫の語るお話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

紫式部の作品

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