堕落論 [Kindle]

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著者 : 坂口安吾
  • 2012年9月13日発売
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (9ページ)

堕落論の感想・レビュー・書評

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  • 勇気をもらえた。

  • 戦後リアルタイムに読むと救いの光になる内容だったんだろうなと感じた。今とは価値観や状況が違いすぎるので感想は難しい。堕落が救い!って書いてあるけど現代のリアル堕落者を肯定するものではないです。
    戦時中は堕落もクソもない完全な闇だった。そこを抜けた今、まずは自分自身と向き合い本質を見つけることが救いの第一歩。人間は生きていれば堕落する。その堕落の中でもなんとなくの価値観や人情でお互いけん制し合うのではなく、ちゃんと自分の本質と向き合わなければならない。というようなことが伝えたかったのかなと思いました。ここでの「堕ちる」とは、自分の負の感情や欲求も受け入れることなのかな。

  • 武士道、未亡人、特攻隊、天皇…日本人が作り出した非人間的なことが、かえって人間的なことなのだと論ずるのは興味深かった。
    人間は変わらない。変わっているのはただ環境にすぎないのだ。
    そして、政治や歴史、戦争もそれぞれの積み重ねで大海の流れのようなものなのだと…。
    堕落しきるには弱すぎる我々であるが、そこから始めなければいけない。

  • 私たちは無意識のうちに常識に縛られています。
    とはいっても世間一般の根底にあるルールが常識なわけですから、その根底を常に意識していること自体がおかしい。常識は無意識のうちに働いていることは、当然といえば当然のことなのでしょう。

    筆者はその無意識下にある常識について、具体例を挙げています。一部挙げると以下のとおりです。

    「戦争で寡婦となった妻は、新たな恋をしてはいけない」
    「武士は1人の主に仕え、別の主に移ってはいけない」


    筆者はそうした常識を疑います。本当に寡婦は一生亡くなった夫のことを考え続けて生きなければいけないのか。武士は主を変えてはいけないのか。疑いつくした結果、人間はたとえ配偶者がなくなっても新たな恋をしたくなるものであり、たとえ敵として今日戦った者同士でも明日になれば敵に仕えたがるものである、それが人間の本質だと、筆者は説く。恋愛感情や忠君精神の移ろいといった、世間一般から見るところの"堕落"こそが人間の本来の姿と。
    軍部によって寡婦の恋愛がタブーとされ、武士道によって忠君の精神が叩き込まれたのは、その本質を理解してた故に行われたと断言してます。

    本書が出版された当時は戦後の真っただ中。日本が戦争に負け、闇市が広がり、将来について不安を抱えていた時代。そのような暗い世の中で筆者は人々に新たな視点を提示しました。戦争によって過去の常識や価値観が破壊され堕ちるところまで堕ちたからこそ、新たな視点で物事を見据えなきゃいけない。その言葉は多様な価値観が入り混じる現代にも活きる気がします。

  • 究極の性悪説。タブーも何もあったもんじゃない。
    戦後直ぐにこれを書いた人間がいるとは、驚き。
    それとも、これこそが敗戦のショックを引き摺る時代を生きる人間の、嘘偽りない感情だったのだろうか?

  • 堕ちていくのは悪いことではないし、
    完成されていないものは美しくないわけではないみたいです。

  • 「さびしすぎてレズ風俗いってきたレポ」=「現代版・堕落論」と書いている人がおり、気になって今更ながら読んだ

    人間は生来堕落した存在であるが、弱い存在であるゆえに永遠に堕ちぬくことはない。
    その一方で、「堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。」

    「レズ風俗」の場合も、永田カビさんはいわゆる「普通に」「うまく」生きることができなかったが、その「堕ちる道を堕ちきる」中で自分の本当のところを見つけていく。

    はぁ、なるほど。「レズ風俗」を読んでから「堕落論」を読むとその意味が少しわかった気がする。

    自分自身を発見するのは、堕ちる道を堕ちきることによる。
    世の中に多様な自己啓発の方法が溢れる中でも、斬新な安吾流自己啓発法。

    でも妙に納得もする。私自身第一志望に落ちて、眠れないほど不安を抱えた「堕ちた」ところから、自分自身が少し見えてきた気がしている今。
    まだまだ堕ちきれてないのかもしれないな。

    だからきっと、就職活動が「上手くいった」人は「堕ちきってない」かもしれないし、本当に成功しているとは言えないんだ!!と自分にいいように解釈しつつ、がんばります!周りの憐れみの目には負けないぞ〜〜〜〜〜!

  • 坂口安吾の紡ぎ出す文章に恋して溺れて抜け出せなくなってしまった。堕ちてゆくわたし。

  • 我々は規約に従順であるが、我々の偽らぬ心情は規約と逆なものである。
    どのような矛盾も有り得るのである。
    人間は永遠に自由では有り得ない。なぜなら人間は生きており、又死なねばならず、そして人間は考えるからだ。
    人間は堕落する。義士も聖女も堕落する。それを防ぐことはできないし、防ぐことによって人を救うことはできない。人間は生き、人間は堕ちる。そのこと以外の中に人間を救う便利な近道はない。戦争に負けたから堕ちるのではないのだ。人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。だが人間は永遠に堕ちぬくことはできないだろう。なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。

  • 文鳥文庫より。

    難しい。

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