重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書) [Kindle]

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  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • 科学読み物は同様のことを何度読んでも飽きない。
    根源的なものへの人間の欲求に不思議を感じる。
    さて今回は重力についてである。
    この世界の4つの力の中で重力はなんか特別だなぁと感じていた。
    重力を知るには最新の理論を駆使しなければならないようだ。
    超弦理論はまだ実証が難しいようだけど、この分野は理論先行なので気長に待とう。でも、間接的には実証の片鱗が見えているようだ。
    今後も重力に注目したい。

  • わかりやすい。もちろん全然まだわからない事だらけだけど、今までよりは少し理解が進んだ気になる。

  • 他の本をあわせて読んでいたので、以前よりもわかるようになっているのを感じますが、ブラックホールの話あたり、特にホログラフィック原理に入ったあたりで急激にパンクしました。
    超弦理論とブラックホールはどの本より興味深く読めました。

  • 重力とは、空間と時間のゆがみ、ということなのですが、判ったような、判らない話であります。私たちの宇宙は、三次元方向にほとんど平坦であることがわかっています、これは、宇宙の膨張のエネルギーと物質のエネルギーが絶妙につりあっているからです、だそうです。それ、なんのこっちゃ、というレベルの読者ですが、少し理解ができるかな、という面白い本であります。★四つです。

  •  相対論による重力の説明には、何とか理解が得られるような気になれた。しかし、量子論と相対論を統一しようとする説明には、ほとんど正確な理解にほど遠いと感じています。10年前に発行された本ですが、超弦理論の理論的進展に、大きな進歩はあったのだろうか。カブリIPMUの所長に著者は就任されたと思う。村山氏のように、メデアでの導きを期待しています。

  • 大栗博司先生の著書。
    題名通り「重力とは何か」についてわかりやすく解説されています。
    最初は「重力の七不思議」から始まりますが、気がつけば特殊相対性理論、一般相対性理論、量子力学、場の量子論を超えてブラックホール事象の地平線のすぐ隣に立たされていました(笑)
    重力の探求は物理学の歴史そのものに近く、理論の完成→理論の限界→次の理論の発展という流れがよくわかります。
    現在のフロンティアの一つが「超弦理論」であり、次は超弦理論について勉強してみたくなります。


    以下、ハイライト部分。
    ・ニュートンは、天界の太陽や月や星もお互いに引力で引っ張り合い、それによって運動していると考えました。それこそが、ニュートンの発見の最も偉大な点です。それまで別世界だと思われていた地上と天界が、ここで初めて理論的に統一されました。
    ・つまり質量の大きい物体には「動かしにくい性質」と「重力に強く引かれる性質」の両面があるわけで、リンゴとスイカが同時に落ちるのは、この二つの性質がちょうどプラスマイナスゼロで 相殺 されているからだとしか考えられませ
    ・とりあえず、重力には見方によって姿を変える不思議な性質があるということだけ覚えておいてください。
    ・「プラズマの雲」に邪魔されてしまいますが、重力波は伝わります。「第五の不思議」(*2)でお話ししたように、重力は何物にも遮られないからです。実際、プラズマ状態以前にできた重力波を重力波望遠鏡でキャッチして、宇宙が誕生した頃の様子を観測する計画もあります。
    ・さらに、こうして変化するのは時間だけではありません。「速さ=距離 時間」ですから、速さを一定に保ったまま、時間が伸び縮みすると、距離のほうも変化するはずです。
    ・アインシュタインが一般相対論で示した方程式は、その欠損角と質量の関係を明らかにするものでした。その式によれば、質量が大きいほど、欠損角も大きくなります。それだけ空間の歪み方も大きくなるので、重力が強く働いているように見える。それが、「二次元空間のアインシュタイン理論」のすべてだと思ってかまいませ
    ・これまで天文学で使われてきた電磁波で見えるのは、宇宙誕生から四〇万年後の世界です。しかし重力波はすべてを貫通し、一度発生すると減衰することはないため、宇宙誕生の《一〇億×一〇億×一〇億×一〇億》分の一秒後の姿が見えるだろうと考えられてい
    ・アインシュタインは自分の方程式がそんなに簡単に解けるとは思っていなかったので、戦場から論文を受け取って驚いたそうです。シュワルツシルトの論文は、翌年の一月にプロイセン科学アカデミーで、アインシュタインが代読しています。彼は従軍中にかかった病気のためその五カ月後に亡くなり、その半径は「シュワルツシルト半径」と名づけられました。
    ・「光速」という極限状況でニュートン理論が破綻したのと同じように、潮汐力が無限大になるとアインシュタイン理論は破綻してしまうのです。  この、有限の時間で潮汐力が無限大になってしまう点のことを、時空の「特異点」と言います。
    ・ここまで本書では、アインシュタインの相対論を中心に、重力理論の変遷を見てきました。ニュートン力学とマクスウェルの電磁気学の矛盾を特殊相対論で解決し、ニュートン理論では説明不能だった重力現象を一般相対論で乗り越えたのが、アインシュタインです。しかしそのアインシュタイン理論も、ブラックホールや初期宇宙の特異点といった極限状況には通用しない。そのため現在では、アインシュタイン理論を乗り越える新たな重力理論が提案されてい
    ・不確定性原理」は、一つの量子状態は固有の位置と速度を同時に持つことはないという原理です。これに対し、いわゆる「ハイゼンベルクの不確定性原理」とは、位置を測定しようとすると、その行為が測定対象の速度を変化させるので、速度の測定値に不確定性を生んでしまうという、測定精度の限界(量子限界)に関する主張です。この二つはよく似ているので、しばしば混同されますが、違う話
    ・標準模型では、素粒子を、物質のもととなるフェルミオンと、そのあいだの力を伝えるボソンに大別
    ・超弦理論の「超」は、この超対称性の「超」
    ・ブラックホールからの放射を(本の灰を集めて分析するように)すべて観測しても、過去にどちらの本を投げ入れたのかが判別できず、したがってその情報を再現することができません。これは因果律に反している――これがホーキングによって提出された「ブラックホールの情報問題」です。
    ・というのも、重力は振動する「閉じた弦」によって伝わりますが、ブラックホールの表面には「開いた弦」しか張りついていません。ホログラフィー原理はその「開いた弦」だけを抜き出して記述するものですから、そこには重力が含まれないのです。
    ・さんざん重力の謎を追いかけ、アインシュタイン理論の限界に行き着き、相対論と量子力学をいかに融合するか……というところまで到達した挙げ句、最後は重力が消えてしまったのですから、ポカンとされるのも無理はありませ
    ・「超弦理論と重イオン衝突実験との関係はまったく思いもかけず、心が躍る」
    ・私たちのこの宇宙が、たまたま私たちにとって「ちょうどよい基本法則」を持っていたのだ――という考え方です。

  • この類の本は、前半は優しくてギリギリついていけるけど、後半死ぬ。これも全く同じ笑(そういうところが理系の作者っぽくて可愛いのだけれども)。
    とはいえ、本書は極めて分かり易く、生物系の私でもアインシュタインまでは何とかついていけた。ホーキンスだか何だかが九次元空間とか言い始めてから完全に置いていかれたが、進歩はあった。
    あと、ボソンジャンプのボソンという単語に意味があるのが分かって良かった。

  • Kindle

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 重力は他の物理的力とは違いマイナスがない。これは数学で記述するには大変不都合。それを回避するための方法がこの本の主題。

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著者プロフィール

カリフォルニア工科大学フレッド・カブリ冠教授/ウォルター・バーク理論物理学研究所所長
東京大学カブリIPMU主任研究員
米国アスペン物理学センター所長

「2018年 『素粒子論のランドスケープ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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