あなたの中の異常心理 (幻冬舎新書) [Kindle]

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  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • フロイト、ユング、ヘミングウェイなど、具体的な生育環境などエピソードを踏まえ、平易なことばで書いてあり、読みやすくわかりやすい。
    ストレスが多い人は、他人に期待しすぎる人とあり納得した。

  • 普通の人の中にも異常心理が存在するというのは、改めて言われなくとも気づくかもしれない。
    ネロやサド侯爵はもとより、夏目漱石や三島由紀夫、バイロン、ニーチェ、ヘミングウェイなど、哲学者や小説家の中に潜む異常心理を、精神科医の観点からカテゴライズしながら語られる精神傾向は、確かに一見異常心理に見えなくもないが、ともすればその萌芽は普段の我々の生活の中に潜んでいるのかもしれない。特に、幼い子供を育てるという観点から見たとき、親の言動が子供の成長にいかに影響力があるかというのがよくわかる。
    個人的には、このテキストは創作を書いていく上での参考資料になるかと思いながら読んだのだが、予想以上に精神病的症例がまとまっていたので、今後とも参考書的に引っ張り出していこうと思っている。

  • とある異常行動に対して、そのバックグランドを紐解き、何も異常だから行動するのではなく、当人からすれば至極論理的な帰結であることを考慮しないといけないと言うことを読み取った

  • 『親に愛されないカインが親に愛されている弟アベルを殺して、愛されない状態を貫こうとした。自己否定を自己肯定に変えることができた。』
    これは家庭に問題があり、犯罪をしてしまった人達の全てじゃないのか、と納得するものがあった。

  • 完璧主義や強いコンプレックスなどがきっかけで異常心理に陥る可能性があることを説いた本。

    正常と異常は表裏一体。人間には二面性があります。無理に正常を押しつけるのではなく、二面性を受け入れることで悪を求める気持ちが和らぐといいます。

    大切なのは自分の心を狭い価値観に閉じ込めないこと。そして、一人でもいいから他者と関われる機会を作ること。

  • 人間の根源的な欲求とは、自己を保存しようとする欲求と、他者から承認や愛情を求める欲求である。この欲求が満足されないときに色々な現象が発現するのである。異常心理と正常心理とは壁で隔てられたものではなく、連続的なものである。誰の心の中にも異常心理に傾く要素はあるようだ。

  • 自己保存と承認という根源的な欲求は誰しも持っていて、普通の人であっても特別な執着心や突発的な怒りなどが表出することもある。異常者の心理を知り、自分の感情の動きを知り、原因を探る。これはある意味人生最大の冒険であり、楽しい作業でもあるのだと思う。

  • 完璧な人生など求めても、本当の自分を守ることにはならない。

    以前は、扱う案件全て全力投球で臨んでいました。明細書中の文章の一言一句確認し、日本語として文法が間違っていると判断した箇所にも手を入れていました。

    最近は明細書作成以外の業務が増えました。そうなると、同じように取り組んでいたのでは時間がいくらあっても足りません。

    程よく手を抜くことにしました。今は、「権利化できればまあいいや」くらいの気持ちで望んでいます。細かいことは抜きにして、特許要件を満たせれば良いのではないかと。

    明細書作成、突き詰めたらきりがありません。それだけで仕事が成り立つのでは良いですけれど、現状の業務ではそうはいきません。仕事以外の人生も考える必要があるだけに、メリハリが大事です。

  •  人はなぜそんな行動を、そしてはそれは自分には起きないのか、そんな疑問から本書を購入。
     正常と異常の2つがあるわけでなく、連続性があるとの指摘は興味深い。正常心理が限界を超えて異常な領域に踏み込まないために何を学ぶべきかが大事と説いている。
     異常な行動は自己目的化し、そこに快楽が伴うためだとのこと。その時の行動そのものを諌めても全く効果がないのだな思った。
     また、幼少体験が少なからず影響をあたえることもあらためて示されている。
     様々な社会問題を心理学的面から観ることも大切だなと感じた。

  • 異常心理というとネガティブな印象だけど、クセのある性格や付き合い難い人は周囲にいくらでもいるわけで、そういった特性はどこから来るものなのかを理解するのには良書だと思う。ケースによっては、そんな人達との関係を円滑にする事ができるかも。

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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