この世界の片隅に : 上 (アクションコミックス) [Kindle]

著者 :
  • 双葉社
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感想・レビュー・書評

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  • 戦時中の市井の人々が日常生活をどう過ごしていたかを、明るい主人公すずの視点を通して描いた漫画。
    昭和19年から終戦に向けて、月ごとに時間が経過していくのがはっきり分かる構成となっている。戦況の悪化に伴い、配給が厳しくなり、そして人々に命の危険が生じていく。それにも関わらず、自分を抑圧せず日々を過ごしている、すずの表情が印象的であった。

    ところで、この漫画を読んで気になったのは、「世界」という2文字の言葉であった。「第2次世界大戦」と言われるように、国家と国家の集合も「世界」であれば、毎日の家庭生活も、そこでひたむきに生きる人々にとって「世界」になる。
    漫画が直接描いていたのは、後者の世界ではあるが、玉音放送後のシーンで「自分はまだ戦えるのに。」と叫ぶすずの表情から、この2つの世界は別ではなく、交わっているという必然を改めて感じることができた。

  • 映画を観たその日にKindleでポチる。
    主人公のすずさんが天然で健気で可愛い。戦時中のごく普通の人の生活を描いている。貧しいながらの衣食住の工夫、知恵。家族や近所の人と支え合って、励まし合って、落ち込んでなんかいられない。
    上手く感想が書けないので是非読んで欲しい。映画もおすすめ。
    161221

  •  漫画もやさしくやわらかくすずと家族のつながりを描いているけれど、なんとなく童話っぽい最初のエピも含め、映像化は大成功だったと思う。

  • 戦争系の読みものは空襲や戦闘の緊張感や悲惨さを伝えるものばかり見ていたのでこの日常の延長線上に戦争があるものは興味深かった。

  • ヒット映画の原作。Unlimitedで全巻読めるのを知り購読。

    映画が原作にあまりにも忠実なのでスムーズに読めた。

    義母を小学校につれていく話はカットだったけど、これを読んでようやく旦那がすずさんを知っていた、という理由が分かった。映画でも言及されていた条約で呉海軍工廠が大量人員削減したときだったと。

    先の展開を映画で知ってるといろいろつらい。

  • ほのぼの。
    マンガではなく、絵本を読んでるかのような印象。
    すずのおっとり感がより伝わる原作でした。
    中巻の悲劇がより悲劇と感じる長いエピローグと感じました。

  • 平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく…。

  • 一歳にも満たない母を置いて戦死した祖父との小さな思い出を一つ一つ幸せそうに語った祖母。私が食べ物を残すと、疎開先で年下の女の子よりも食べてはいけないと思っていた、と涙をためて怒った父。私にはそんな思い出がありますが、今や戦争の知識は、知らない世代から伝え聞く時代に。当たり前だけれど、あの時代だって、みんな精一杯「日常」を生きていました。平凡な日常を続けようとする人たちへの身近すぎる死が、理不尽な死が、悲しみ以上の痛みで伝わってきます。こんな戦争や原爆の伝え方もあるのだと読書中ずっと圧倒されっぱなしでした。

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    主人公の「すずさん」は、いかなることが起きようと、日々を淡々と生きてゆく。映画・書籍は共に、稀にみる傑作。私は、映画館で我を忘れて見入った。得も言われぬ深い感動に心が揺さぶられ、ひしひしとほんわかな気分に包まれる。当たり前の日常の生活、そこにこそ『幸福』は在る。

  • もっと戦争の悲惨さが前面に出ているかと思っていたけど、少なくともこの巻に関しては描かれているのは日常だ。
    あと、少し不思議、ファンタジックに感じられる部分もあった。あれもまた、現実なんだろうか。
    クスっと笑えるところもあり、今後、どういう展開になるんだろうね。
    ちなみに、現段階では映画もドラマも観ていない。あちらは、むしろ重さの方が話題になっていた気がするんだけどね。

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著者プロフィール

こうの史代:1995年デビュー。広島市生まれ。代表作は「さんさん録」や、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞作「夕凪の街 桜の国」、アニメーション映画のヒットも記憶に新しい「この世界の片隅に」など。

「2022年 『ぴっぴら帳【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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