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感想・レビュー・書評
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とにかく笑った。
短いから読みやすい。
書店で新解見るとクスッとなる。
忘れた頃にもう一度読んでまた笑う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2007年09月04日 20:47
これは、家族中で笑った本である。
これ以上に笑えた本は、未だ僕の前には現れていない。
新明解国語辞典自体おかしな感じなのだが、赤瀬川さんの辞書への鋭い突っ込みもさらに笑いを増幅させてくれる。
ちょっとHな下ネタ的なところも入ってくるので嫌いな人は注意した方が良いだろう。
ちなみに僕が使っている電子辞書に「新解さん」がいました。だから2倍楽しめた。
同時収録されているエッセイも、なかなかうなずける。 -
辞書を読書する話
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赤瀬川源平さんは、私にとってはどちらかというと、ストリートフォトの写真家というイメージなのですが、その飄々とした雰囲気が存分に堪能できる一冊です。
前半は新明解国語辞典初版から第4版の各所から引用し、言葉の解釈(説明)がいかに他の国語辞典と一線を画した独自路線か(あたかも一人の感情を持った人間が解説しているかのような…)を、バカバカしい(褒めてます!)二人のやりとりで説明しています。
私も思わず最新版の新明解国語辞典を引っ張り出して比較してみたのですが、本書のせいかわかりませんが、残念ながらすっかりその「独自性」は失われた感がありました。残念!
後半の「紙がみの消息」も、天気のいい日に縁側に座ってぼんやり、どうでもいいこと(褒めてます)を心のままに書き綴った内容で、人によっては「どこが面白い?」と感じるかもしれませんが、はまる人にははまる内容だと思います。 -
新解さんの謎は前半だけで、後半は紙に関するエッセイだった。時代を感じさせるなぁ、と思ったら、出版されたのは1996年だった。古いけど面白かった。
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新明解国語辞典の説明文や例文が特徴的であることは有名で、それを面白おかしく取り上げたのが表題作。編者のこだわりぶりからその人柄を想像し、例文にドラマを見出してワクワクする。こんな読み方ができる辞書は他にあまりないだろう。抱腹絶倒とまではいかないが、読み物として一冊買ってみたくなる辞書なのは確かだ。
しかし、個人的にはこの表題作よりむしろ併録されている『紙がみの消息』の方が面白かった。これは紙にまつわるエッセイ集だ。紙幣、書籍、原稿用紙などからチラシやティッシュまで様々に使われる紙を取り上げ、筆者の思いつくままダラダラ書いたような文章。別に深い含蓄があるわけではないが、そうだよねーと気楽に読める。
『紙がみの消息』の初出は『諸君!』1992年6月号から1994年12月号まで。今から20年ちょっと前だ。ワープロやパソコンはかなり普及したがインターネットはまだなく、一部の人がパソコン通信を使っていた。そんな時代だ。
デジカメは初期のものが登場していたが、写真といえば印画紙に焼いて分厚いアルバムに貼って保管するのが普通で、それが液晶画面で見るものになるという感覚はなかったようだ。電子マネーや電子書籍に至っては触れられてもいない。紙幣や書籍が紙でなくなるなど想像もつかなかったのだろう。その頃の素朴なイメージが本書からは漂ってくる。
その後、インターネットやスマートフォンの登場を見て、著者は2014年に77歳で亡くなっている。ペーパーレス化が急速に進み、まさに紙がみの消息が問われるようになった時代を、どう感じていただろうか。 -
・12/31 読了.なるほど、新明解の辞書は読みごたえがあるのね.後半の紙にまつわるエッセイもそれなりに楽しめた.
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最近はめっきり辞書を引く機会が減ってきた。元々記憶力が不自由なタイプであったが、難解な漢字にしても人名地名は別として、大抵は読むことぐらいはできるのでgoogle検索で済んでしまうのである。
国語辞典については、小学生の頃から小学館のものを愛用してきたのであるが、大事なところをぼかすのが国語辞典だと思ってきていた。もとより小中学生の事には辞書をあれこれ吟味するような見識はなかった(今も怪しい)のであるが。新明解の噂はかねがね聞いてはいたので、今更というところだが、さすがの赤瀬川先生の文章は読ませるのである。ついつい新明解国語辞典を買ってしまった。そこで、小学生の頃にたらい回しの刑にあった「月経:メンス、月のもの」→「メンス:月経、月のもの」→「月のもの:月経、メンス」について確認してみたところ、さすがに明解である。特に「月の物:月経の意の老人語」はなるほどである。同じページには「つぎつぎ」の例文で「苦労して建てたマイホームが-と(=柱1本で済まず、二本、三本と)シロアリにくわれている」と新明解力爆発である。
我が家の本棚を見ると全訳漢辞海とか全訳読解古語辞典とかただ者では無い三省堂の辞書が散見されるのである。会社としての辞書に対する姿勢というものを感じることができたのである。
本書、後半は新明解とは関係のないエッセイの類いになっており少々物足りない感は否めない。 -
前半の「新解さんの謎」はなかなか面白かった。新明解国語辞典というものを使ったことがなかったので,そんな個性的な辞書だとは知らなかった。この本が書かれた後も版を重ねているので,どんな風に変遷しているのか,興味深いところである。
一方で,後半の「神々の消息」は,軽妙ではあるが特に感銘は受けなかった。だいぶ前に書かれたものであるせいか,今となってはトンチンカンな話もあったりして,途中から飽きてしまった。