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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (173ページ)
感想・レビュー・書評
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本のタイトルから、最初から最後まで犬のしつけ方について書かれていると思っていたが、全3章の内、最初の1章にのみ盲導犬に向いている犬の見分け方や訓練の仕方など盲導犬との対話が書かれていて、第2章ではクリスチャンでもある著者の、盲導犬をもらい受ける側である身障者との対話へと視点が変わり、第3章では著者が買っていた犬との対話の記録となる。
本書を購入したときの期待を裏切って本書で特に感銘を受けたのは第2章。盲導犬を貰い受ける人は眼が見えないわけであるが、盲導犬によって世界が開けた、生きる喜びを取り戻した、という人たちに対して、著者は盲導犬はきっかけに過ぎず、生きる喜びを取り戻したのは自分自身だと説く。また、眼の見えない人が大変なのは何もできなくなることではなくて、眼が見えなくなることでこれまでのやり方を変えて生きて行かなければならないことだ、その補助をするのが盲導犬だ、といった趣旨のことを書いている。この視点は著者自身、眼の不自由な方との対話で学んだものであるが、自分にとっても眼から鱗だった。眼が見えない人たちは何もできないのではなくて、見える人とは違う方法を使って生きているのだと。
犬のことよりも、障害と呼ばれるものを背負って生きて行くことについて考えさせられる本であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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